大学を辞めたいと考えているけれど、実際に辞めてしまった後のことが不安で悩んでいる方向けに、中退のメリット・デメリットや中退後の選択肢を紹介。さらに、中退を考える理由や、中退後の就職活動を成功させるコツも紹介します。大学を辞めたくて悩んでいる方はぜひご覧ください。なお学費が厳しくて辞めることを検討している方や、IT業界に進路変更を考えているという方には、無料のプログラミングスクール「プログラマカレッジ」もおすすめです。
最終更新日:2023年5月23日
目次
それぞれ、以下で詳しく解説します。
企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開する株式会社ジェイックの調査では、中退者のうち過半数が「留年した・留年確定した」と回答しています。
出典:中退者アンケート「中退理由にコロナが関係している15%」|PRTIMES
さらに、中退理由も「留年したから」がトップです。
出典:中退者アンケート「中退理由にコロナが関係している15%」|PRTIMES
留年の理由としては「授業内容に興味が持てなかったから」「授業についていけなかったから」がそれぞれ1位、2位となっています。
出典:中退者アンケート「中退理由にコロナが関係している15%」|PRTIMES
また、新潟で専門学校を展開しているNSGカレッジリーグの調査では、中退した理由として「学びがいが感じられなかったから」「自身のレベルに合わなかったから」といった項目が挙げられています。
出典:大学中退理由、3割以上が「学びがいが感じられなかった」38.4%が「進路活動時に専門学校も検討しておけばよかった」と回答|PRTIMES
中退の理由として経済的事情や家庭問題を挙げる人もいます。大学に通うためには高額な授業料がかかります。最低4年間、学部によってはそれ以上通う場合もあり、経済的な問題は大きいといえるでしょう。
また、大学を卒業するために必要な授業数は多いため、平日日中はほとんどの時間を大学に費やさなければならないケースが一般的です。家庭の事情が変わり、大学に通う時間を確保することが難しいために中退を余儀なくされるケースもあります。
専門的な知識を身につけ、就職につなげるために大学に進学する人もいます。実際に、大学進学の理由として1位に挙がっているのは「専門的な知識を学べると思ったから」です。
しかし、中退する理由の中には「就職に繋がらないと感じたから」「専門的な知識が身につかなかったから」という項目が挙げられています。
参照:大学中退理由、3割以上が「学びがいが感じられなかった」38.4%が「進路活動時に専門学校も検討しておけばよかった」と回答|PRTIMES
大学生になると、それまでに比べて活動の幅が大きく広がることも珍しくありません。成人する年齢でもあるため、行動の自由度も上がります。
サークルや部活、バイトに熱中するうちに、学業がおろそかになり大学中退の理由となってしまうケースもあります。また、バイトやサークル活動の中で、他にやりたいことを見つける人も少なくありません。
大学卒業のためには多くの時間を勉強に費やさなければならないため、他にやりたいことが見つかるとなかなか両立は難しく、中退を選択する人もいます。
病気やケガなど、体調不良が理由で大学を中退する人もいます。まず第一に健康が大切ですから、療養に専念するためにはやむを得ない場合もあるでしょう。
ほとんどの大学には休学制度がありますが、大学によっては休学期間中も「在籍費」「休学費」といった費用が発生する場合があります。また、休学期間にも制限があり、無制限に休学を続けられるわけではありません。
そのため、長期の療養が必要な場合には、休学でなく退学を選択する人もいます。
大学 (大学院生含む) |
R3年度 (4月~3月) |
R2年度 (4月~3月) |
R元年度 (4月~3月) |
---|---|---|---|
中退者数 | 57,875人 (2,738人) |
57,913人 (2,024人) |
74,129人 |
学生数に占める中退者数の割合 | 1.95% (0.09%) |
1.95% (0.07%) |
2.50% |
出典:大学等における令和4年度前期の授業の実施方針等に関する調査及び学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査|文部科学省
上記で紹介した理由の他に、令和2年度からはコロナを理由とした退学も発生しています。
令和3年度の中退者数は令和2年度と変化はなく、コロナ前の令和元年より低い数値となっています。ただし、令和3年度の中退者のうち、コロナを理由とした中退者数の割合は、令和2年度と比べて若干増加しています。
それぞれ、詳しく解説します。
大学を辞めてから、周囲の友人と自分の立場を比べて「劣っている」と感じてしまうことがあります。また、家族や親族をはじめとした周囲の人から、否定的な言葉をかけられて辛い気持ちになってしまうこともあるでしょう。
大学を中退してしまうと、最終学歴は高卒となります。
「実力があれば学歴など関係ない」と考える人もいるかもしれませんが、学歴は客観的にわかりやすい指標であるため、多くの場面で活用されています。大学を卒業していないと応募すらできない求人があるのも事実です。
学歴不問の場面であっても、大卒の人と争うこととなった場合に学歴を比較されると不利になってしまうでしょう。あくまでも平均の話ではありますが、大卒者と高卒者は給与額にも差があります。
大学を辞めてしまうと、履歴書に空白期間が生じてしまいます。大学を卒業した後アルバイトだけ続けるというケースも多いかと思いますが、アルバイトは一般的に職歴としてカウントしません。
空白期間が生じること自体は大きな問題とならない場合も多いのですが、就職活動の面接ではほぼ確実に空白期間に何をしていたか問われます。このとき、きちんと説明できないとマイナスの印象を与えてしまうでしょう。
大学に通っている場合、大学の就職課や教授のサポートを受けながら就職活動を進められます。しかし、中退してしまった場合にはそうしたサポートを受けられません。周囲に適切なアドバイスをしてくれる人がいなければ、手探りで就職活動を進めなければならない場合も多いでしょう。
また、面接では空白期間について問われるのと同様に中退理由についても問われるケースがほとんどです。「つまらなかったから」「環境になじめなかったから」といった理由では、印象が悪くなってしまう可能性があります。
大学を中退すると、大学生の肩書きがなくなります。大学生でいる間はあまり意識しないかもしれませんが、肩書きがないとさまざまな場面で不利益を被る可能性があります。
たとえば、学生ではないため学割は利用できません。また「何もしていない人」への評価は厳しくなる傾向があります。実家で暮らしていれば家族から「就職しろ」と頻繁に言われてしまうこともあるでしょう。
以下で詳しく解説します。
「大学を辞めたい」と思っている人にとっては、大学を辞めることで大学生活の悩みがなくなります。悩みを抱えている状態では、どうしてもそのことばかり考えてしまい、ほかのことがおろそかになってしまうことも少なくありません。また、ネガティブな考え方になってしまうこともあります。
大学生活の悩みが無くなることで、それまであらゆることをネガティブに捉えていた人でも、前向きに行動できるようになる可能性があります。また、悩みごとで頭がいっぱいの状態から解放されれば、周囲の状況がより見えやすくなり、視野が広がることもあるでしょう。
大学生の場合、授業やゼミ、テストのために多くの時間を費やさなければなりません。だからこそ得られるものも多いのですが、他にやりたいことが見つかった場合、大学に長い時間を費やすのが苦痛に感じられてしまうこともあるでしょう。
大学の学費は安いものではありません。比較的授業料が安い国立大学であっても、標準額として定められている授業料の年額は53万5,800円です。私立大学なら、さらに多くの学費を支払っている場合もあるでしょう。授業料以外に、施設利用料などが必要な場合もあります。
大学を辞めれば、上記のように大きな金額の支払いが不要となります。奨学金を借りている場合、大学を辞めると奨学金の給付も受けられなくなってしまいますが、将来返済すべき奨学金の額を減らせる点はメリットです。
参照:国立大学等の授業料その他の費用に関する省令|e-Gov法令検索
大学卒業のタイミングを待たずに就職すれば、同世代よりも早く実務経験を積むことができます。その分得られる経験が増え、スキルアップも早くなる可能性があります。自分の力で稼げるようになるため、早いうちから自立が可能です。
それぞれ、詳しく解説します。
1人で退学を決めてしまわず、必ず親や家族、第三者などに相談しましょう。悩んでいるときはどうしても視野が狭くなりがちですが、誰かに相談することで別の選択肢が見つかる可能性があります。
また、周囲の人だけでなく大学の学生課などにも相談してみましょう。悩みによっては、大学側が用意している救済措置などを受けられる可能性があります。そうした救済措置は、自分で調べるだけではなく相談しなければなかなかわかりません。
大学には、休学の制度もあります。迷っているのであれば、一度休学してみるのもよいでしょう。大学から離れて自分の時間を過ごすことで、大学生活を続けるべきか辞めるべきか、冷静に考えることができます。
また、休学して自分のやりたいことに専念してみることで、ある程度のめどが立つ場合もあります。実際に始めてみたら、大学生活と並行しながらやりたいこともできると思えるかもしれません。
本当にやりたいことであれば、在学中にチャレンジしてみるのもよいでしょう。大学に在籍している間だからこそ、失敗してもやり直しが効く場合もあります。
例えば起業をしたいと考えている場合、大学在学中であれば万が一失敗してしまっても卒業時にそのまま就職するのは難しいことではありません。起業に挑戦したことも、ひとつの経験として就職活動の際にアピールできます。
しかし、大学を辞めてしまった場合、上述の通りサポートを受けずに就職活動をしなければならないため就職活動が難航することがあります。また、起業に取り組んでいる間は会社員などとして働いているわけではないため、ブランクと見なされることもあるでしょう。
それぞれ、詳しく解説します。
大学を一度辞めてしまったからといって、他の場所で学べないわけではありません。大学での勉強が理想と違った場合には、他の大学や専門学校で学び直すことも可能です。
次に入学した学校を卒業すれば、大学の場合は大卒資格が得られます。中退してしまうと就職に不利になりそうなのが心配、大卒資格が必要な職業を目指しているという場合には、別の大学への進学を考えてみましょう。
大学を中退してしまうと、就職できるか心配と感じる人もいるでしょう。そんな人は、就職に有利な専門スキルの習得や、資格の取得にチャレンジしてみるのがおすすめです。
学歴がなくても、スキル重視で採用を行っている業界は数多くあります。IT業界はその代表的な例です。また、これから需要が高まる業界でもあるため、どんなスキルを身につければ良いか迷っている人はプログラミングに挑戦するのもよいでしょう。
会社に就職するのではなく、起業やフリーランスを目指すのもひとつの方法です。特にIT系のプログラマーやエンジニアの仕事の中には、パソコン1つでフリーランスとして働ける仕事もたくさんあります。実際に、フリーランスのエンジニアとして自宅でパソコンに向かって働く人は少なくありません。
とはいえ、誰もが起業やフリーランスとして成功できるわけではありません。「起業したいから大学を中退する」といった行動は避けた方がよいでしょう。
特に身につけたいスキルが思いつかない、続けて学びたい気持ちもないという場合には、就職活動をスタートしましょう。フリーターとしてアルバイトを続ける人も多いのですが、将来的に正社員として働きたいと考えているのであれば、フリーターを続けるよりも早く就職活動を始めた方が有利です。
大学中退者におすすめの業界は次の記事で紹介していますのであわせてご覧ください。
それぞれ詳しく解説します。
中退前から働いているアルバイト先があれば、そこで正社員を目指すのもひとつの方法です。アルバイト先であれば、すでに人柄や仕事上のスキルはよく知られています。
まったくの新人を採用して1から教育する場合と比べると、必要な研修の量も少なく即戦力として仕事を任せられるため、会社側にもメリットがあります。現在のアルバイトが好き、一生の仕事にしてもよいと感じられるなら、社員登用の制度などを調べてみてください。
ハローワークとは、厚生労働省が運営する総合的な雇用サービスです。求人を探せるだけでなく、職業訓練を利用すれば無料で就職に役立つスキルを身につけられます。就職を希望するのであれば、一度は足を運んでみてください。
全国各地に設置されているため、どこに住んでいても利用しやすいのもメリットです。窓口で相談しながら自分に合った仕事を探すことも可能なため、大学での就職サポートを受けられない人にはメリットが大きい施設だといえるでしょう。
ハローワークの職業訓練(IT系)について、詳しくは次の記事で解説していますのでぜひご覧ください。
中退者の場合、就職先を見つけるのが難しい場合があります。中退したことだけが理由ではなく、大学の就職サポートを受けられないため、履歴書の添削や面接対策ができずに就職できる可能性が下がってしまうのです。
就職エージェントを利用すれば、上記のような就職サポートが受けられます。中退理由をどのように伝えればマイナスの印象にならないかなど、個人に合わせたアドバイスも受けられるため、就職成功の確率を高められます。
大学中退の人向けの就職活動については、次の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
プログラマカレッジは、無料で受講できるプログラミングスクールです。ITエンジニアやプログラマーに必要なスキルを身につけられるだけでなく、仲間と一緒に学習を進められます。
ITのプロが丁寧に解説するため、挫折せずにスキルを習得できます。パソコンに関する基本知識から実務に対応できるITリテラシーまで、まったくの未経験からマスターすることが可能です。
さらに、プロのキャリアアドバイザーによるサポートを受けながら就職活動を進められるのも特徴で、就職率は98.3%です。
この記事では、大学中退のメリット・デメリットや中退後の就職活動について解説しました。
大学を中退すると、就職しにくく大学生の肩書きがなくなるといったデメリットがあります。一方で、自由な時間が増え学費の支払いが不要になる点はメリットといえるでしょう。
大学中退後に就職活動を成功させるためには、就職エージェントの活用やスキルの習得が効果的です。もしもあなたがITエンジニアに興味があるなら、就職支援を受けながらスキルを身につけられるプログラミングスクールの活用もおすすめです。
この記事を参考に、大学を中退するメリットとデメリットをふまえて自分の将来を考えてみてください。
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