大学を中退しても公務員になれるのだろうかと不安に感じている方向けに、大学中退者が公務員を目指すコツを紹介。さらに、大学中退者が公務員を目指すメリットやデメリットも紹介します。
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最終更新日:2024年8月6日
目次
公務員試験は、学歴不問で受けられる試験です。
「大卒程度」「高卒程度」という試験の区分はありますが、あくまでもそれに準ずる学力を持っているかを確認する試験であるため、大卒でなければ受験できないわけではありません。
学歴フィルターもないため、一般的に「良い大学」といわれている大学を出ても、公務員試験に有利になることはありません。逆に、大学中退であっても試験で不利になることはないとされています。
また、大学中退後時間が経っていてブランクが長い場合でも、公務員試験の場合には影響はないとされています。
そのため、公務員は大学中退からでも目指しやすい安定した職業だといえるでしょう。実際に、高卒の人材も多く公務員として働いています。
公務員試験を受けるのに学歴は必要ありませんが、受験資格が設けられています。その受験資格を満たしていなければ、公務員試験は受けられません。
大学中退者が特に注意しなければならないのは年齢制限です。年齢制限は試験の種類によって異なり、多くの場合30歳前後です。
ただし、中には年齢制限を20代に設定している試験もありますし、40代まで受けられるものもあります。公務員を目指すのであれば、自分が受けたい試験の年齢制限を事前に確認しておきましょう。
公務員試験の多くは学歴不問で受けられますが、一部大卒でなければ受験できないものもあります。
例えば、国家公務員の総合職を目指す場合には、大卒の資格が求められます。さらに、大学卒業後2年以内でなければ受験できません。
また、地方公務員試験は各自治体が受験資格を設定しているため、中には大卒資格がなければ受験できないものもあります。
どうしても大卒資格が必要な試験を受けたい場合には、他の大学への編入や、学費の安い通信制大学を卒業するなどの方法も可能です。
公務員の仕事は、比較的安定した収入を得られる点がメリットです。
民間企業と違い財政破綻してしまう可能性は非常に低く、また、業績悪化を理由とした減給やリストラも行われません。
そのため、求められる仕事をしていれば、安定した収入を得られやすい仕事だといえます。
社会的な信用を得られやすい点も公務員のメリットです。
公務員は業績を理由とした減給やリストラが行われないため、支払い能力のある人物だと判断されやすく、社会的な地位を確立しやすいのです。
住宅や車、スマートフォンなどを購入する際には、社会的な信用を元に審査が行われます。公務員は社会的な信用を得られやすいため、ローンの審査をはじめとした社会的信用が必要なシーンで不便を感じにくいのです。
公務員は福利厚生が充実している傾向にあります。
具体的な福利厚生の内容は自治体によって異なりますが、例えば住居手当や各種見舞金、祝い金などを受け取れる可能性があるのです。
公務員を目指すのであれば、給与の額面だけでなく目指す自治体の福利厚生についても調べておくと良いでしょう。
公務員には多くのメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。
それぞれ、詳しく解説します。
公務員の給料は安定している一方で、民間企業より低い可能性があります。
総務省の「令和4年 地方公務員給与の実態」によると、地方公務員の一般行政職に就いている、大学中退者を含む高卒者の経験年数と平均月給は次の通りです。
経験年数 | 平均月給 |
---|---|
5年未満 | 16万5,393円 |
5年以上10年未満 | 20万229円 |
10年以上15年未満 | 23万7,340円 |
15年以上20年未満 | 28万61円 |
20年以上25年未満 | 32万3,959円 |
一方で、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、民間企業も含む高卒者の年齢と平均月給は次の通りです。
年齢 | 平均月給 |
---|---|
20~24歳 | 21万6,200円 |
25~29歳 | 24万700円 |
30~34歳 | 25万8,500円 |
35~39歳 | 27万6,800円 |
40~44歳 | 29万3,400円 |
民間企業の場合は、企業規模や業種によっても給料に差が出ます。
また、民間企業の場合には企業やその年の業績によってボーナスの金額が異なるのです。一方で、公務員の場合には民間企業のボーナス支給額によって変動します。
公務員の場合には、民間企業で求められるマーケティングや商品開発、セールスのスキルはあまり必要とされていません。そのため、業務の中でこれらのスキルを身につけるのは難しいといえるでしょう。
そのため、上記のようなスキルを求められる仕事への転職は苦戦する可能性があります。
また、大学を中退している場合、短期間で公務員を辞めて転職しようとすると「すぐに辞めてしまう人なのではないか」という印象をもたれる可能性もあるでしょう。
大学中退で公務員を目指す場合には、その後のキャリアアップや転職についても考えておかなければなりません。
公務員試験は学歴不問で受けられますが、実際に公務員として働いている人の学歴を見ると、高学歴な人が多いのも事実です。
例えば、地方公務員の部長職では約9割が大卒です。また、教育職では、教員免許を取得するために大学卒業が条件となっていることもあり、大卒者の割合は9割を超えています。
高学歴な人が多い理由として、ひとつは公務員が安定して魅力的な職業であることが挙げられます。公務員試験の難易度が高いこともあり、倍率が高まると結果として高学歴の人が多く採用される傾向があるのです。
参考 • 職種別、学歴別職員構成|総務省
• 統計表|総務省
公務員は定時で帰宅しやすく、有給休暇も自由な日程で取得しやすいというイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、公務員であっても部署や時期によっては激務となり、多くの残業が発生する可能性があります。
自分の希望する仕事に従事している人はどのような働き方をしているのか、事前に調べておくのがおすすめです。
ここでは、国家公務員と地方公務員の違いを簡単に紹介します。
国家公務員は、国の運営に関わる仕事をします。中央省庁や国会、裁判所などで働いており、政策や税、法務、外交など国を運営するために必要な任務や、その任務に関わる事務作業などを行うのが主な仕事です。
国家公務員の仕事に関する概要は次の通りです。
国家公務員は、日本国内のみならず、海外での仕事の可能性もあります。
地域住民の生活の土台を支える仕事です。県庁や市役所などで働いており、生活に密着したゴミ処理や福祉、戸籍などの行政サービスを提供しています。
地方公務員の仕事に関する概要は次の通りです。
公務員試験に合格するためには、対策が欠かせません。大学中退者が公務員試験に合格する可能性を高めるためには、次のような対策をしておくのがおすすめです。
それぞれ、詳しく解説します。
公務員試験は、大きく分けて国家公務員試験と地方公務員試験の2種類があります。さらに、それぞれ職種によっても受けるべき試験が異なります。
まずは、自分が目指す職種にはどの試験を受けたら良いのか把握しましょう。また、試験の内容を確認しておくことも重要です。
公務員試験は、一夜漬けで合格できるような試験ではありません。コツコツと計画的に学習を進める必要があります。
合格までに必要な学習時間は人によって異なりますが、一般的には1,000〜1,500時間程度必要とされています。自信がない場合には、もう少し多くの学習時間を確保するなど、自分に合わせた調整も必要となるでしょう。
公務員試験の日程から逆算して、学習時間を確保できるようスケジュールを立ててみてください。
また、公務員試験に必要なのは筆記試験だけではありません。論文試験や面接の対策も必要なため、それらの準備もスケジュールに組み込みましょう。
公務員試験の筆記試験は、大きく分けて択一試験と記述試験の2種類に分けられます。さらに、それぞれ教養と専門の2種類があります。
択一試験とは、複数の選択肢の中から正答を選ぶタイプの試験で、出題形式はマークシートです。記述試験は、テーマに対して記述式で回答を記載します。
すべての試験が行われるわけではなく、受ける公務員試験の種類によって受けるべき試験は異なります。
受験する試験の種類を把握し、問題演習を繰り返すなどの方法で対策を徹底しておきましょう。
筆記試験のうち、記述試験では論文の作成が必要です。
時事や社会問題、自分自身の経験や行政に対する考え方など、ある程度決まったテーマの中から出題されるため、まずは事前に傾向を調べておくと良いでしょう。読書をして文章力を鍛えておくことも重要です。
文章の作成には慣れも必要なため、論文を書く練習をした後は周囲の人に読んでもらうのも有効です。
公務員試験の準備では、面接対策も欠かせません。
面接では、聞かれた内容に対して誠実に答えることが重要です。さらにその中で、自分自身をポジティブにアピールできるよう準備しておきましょう。アピールにつながるようなエピソードも用意しておくと、相手にイメージしてもらいやすくなります。
公務員試験の面接では、一般的な就職面接で聞かれる自己PRや志望動機の他に、公務員の仕事をどれだけ理解しているかを確認するような質問がなされることも少なくありません。
模擬面接などを行い、口頭で質問に答えることに慣れておくと良いでしょう。
公務員試験対策では、独学で勉強するほかに予備校に通って勉強する方法もあります。
独学は、コストを抑えて学習できる点がメリットです。参考書や問題集を購入する費用は必要ですが、それ以外に大きな出費はありません。
ただし、独学の場合には強制力がないため、自分自身で立てた計画に沿ってサボらずに学習を進める力が求められます。また、適切な教材を見極める力も必要となるでしょう。
予備校は費用がかかるものの、効率良く学習を進められます。また、面接対策のサポートが受けられるのもメリットです。
それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、自分に合った方法を選びましょう。
公務員試験の対策には、長い時間がかかります。その間、モチベーションを維持して学習を継続しなければなりません。
モチベーションを維持するためには、まず大きな目標を設定しましょう。さらに、目標を達成するためのステップを細かく分けて、それぞれいつまでに達成するか小さな目標を立ててみてください。
ひとつひとつ目標をクリアしながら学習を進めることで、モチベーションを維持しやすくなります。
都道府県庁や市町村の役場で働く職員です。
行政サービスに関する事務作業や、役場を訪れた人の窓口対応を行います。
都道府県立もしくは市区町村立の学校で働く職員です。
学校内で発生する事務作業を担当します。
警察署や交番、消防署などで勤務します。
地域に密着し、有事の際の対応や救助などを行います。
中央省庁やその出先機関で働きます。
総合職のサポートをはじめとした、事務作業を担当します。
裁判所で働く職員です。
裁判所で発生する事務作業を担当します。裁判に直接関わることはありません。
地域の税務署や国税局で働く職員です。
申告内容の調査や、滞納の際の督促・徴収などの業務を行います。
刑務所や少年院、留置場などで働く職員です。
日常生活の指導や教育、更生のサポート、施設の管理などの業務を行います。
空港や出入国管理局などで働く職員です。
入国する外国人のパスポートやビザを確認し、入国の可否を判断します。
次のような大学中退者の方には、公務員がおすすめです。
それぞれ、詳しく解説します。
明確に公務員を目指す理由を持っている人は、公務員を目指すのが良いでしょう。
仕事に対して熱意を持っていると、採用試験にも通りやすくなります。また、就職後も前向きに仕事に取り組めるでしょう。
公務員試験が不安で民間を目指すかどうか迷っている方もいるかもしれませんが、公務員を目指す明確な理由があれば、高いモチベーションを維持しながら学習を続けられるはずです。
公務員は、社会的な信頼が高い仕事です。
住宅や車を購入する際のローンなど、社会的な信頼が必要になる場面は多くあります。民間企業に就職しても社会的信頼は得られますが、公務員は民間企業の社員に比べて失職する可能性が低い仕事です。
失職の心配をせずに、安定した仕事を得たいという方には、公務員が向いているといえるでしょう。
公務員は、勤務時間や休日が固定されていることが多く、ライフワークバランスを充実させやすい職業です。
仕事だけでなく実生活も充実させたい、趣味や学習の時間を確保したいという人は、公務員を目指すのがおすすめです。
ただし、公務員でも激務で残業が多くなりがちな仕事や、勤務時間が不規則な仕事もあります。ライフワークバランスを重視するのであれば、事前に仕事について詳しく調べておくことも重要です。
地方公務員は、地域の行政や活性化、安全などに関わることが多い仕事です。
そのため、地域密着で仕事がしたい、地域に貢献したいという人は、地方公務員を目指すと良いでしょう。
地域の人と関わることでやりがいを感じられるという人にも、地方公務員が向いています。
次のような大学中退者の方には、民間企業への就職がおすすめです。
それぞれ、詳しく解説します。
公務員の仕事は、主に事務職や専門職などの分野に該当するものです。また、事務職で採用された人は事務職、専門職で採用された人は専門職と、採用時点で担当する仕事がある程度決まってしまう場合も少なくありません。
そのため、民間企業に比べると身につくスキルの幅が限定されてしまう可能性があります。
民間企業であれば幅広い選択肢の中から自分に合ったスキルや業務を選んでチャレンジすることが可能な場合も多くあります。
さまざまなスキルを身につけて、キャリアアップしながら働きたいという人には、民間企業への就職が向いているといえるでしょう。
公務員は、基本的に副業が禁止されています。
今すぐに副業をする予定がなくても、今後副業も視野に入れながらキャリアを考えたいという場合には、民間企業に就職した方が良いでしょう。
ただし、民間企業の中にも副業を禁止している企業は多くあります。副業に興味がある場合には、就職前に副業の可否を調べておきましょう。
将来的に転職や独立を考えている場合には、民間企業への就職をおすすめします。
公務員の場合、民間の企業に比べてチャレンジできる業務の幅が狭い傾向にあります。また、民間企業で求められることが多いマーケティングやセールスなどのスキルが身につきにくいため、転職の際に選べる企業の幅が狭まってしまう可能性があるのです。
また、独立の際に必要な人脈や経験も得られにくい傾向にあります。
転職や独立を考えているのであれば、民間企業への就職を検討しましょう。
大学中退後、就職するまでの期間は空白期間となってしまいます。
公務員試験合格までに時間がかかりそうな場合、民間企業への就職を検討した方が良いでしょう。
時間がかかっても公務員試験に合格できた場合には、ブランクがあってもそれほど大きな問題にはなりません。しかし、公務員を目指している途中で民間企業への就職を目指そうと方向転換した場合、ブランクが長いと採用されにくくなってしまいます。
また、試験合格までにお金がかかってしまうと、生活できなくなる恐れもあります。
民間企業に就職し、働きながら公務員試験合格を目指すことも可能なため、試験合格までに時間やお金がかかりそうな場合には、一度民間企業に就職するのがおすすめです。
ITエンジニアは、学歴よりもスキルが重視される傾向にあるため、大学中退者でも就職しやすい傾向にあります。
また、IT業界ではエンジニア不足が深刻な状況となっており、未経験者を育成するための研修が充実している企業も少なくありません。
さらに、ITエンジニアの場合、スキルを極めてエキスパートを目指す、マネジメント職を目指すなどキャリアパスも豊富です。
一度スキルを身につければ転職もしやすく、手に職をつけられる仕事だといえるでしょう。
営業職は非常にニーズが高く、大学中退でも就職しやすい職種です。
どの企業でも営業職を必要としており、営業職が在籍していない企業はほとんどありません。営業のスキルを身につけておくと転職しやすいだけでなく、独立の際にも役立ちます。
コミュニケーション能力が求められる仕事であるため、特に人と関わることが好きな方に向いています。成果を出せば出すほど評価される職種でもあるため、頑張りが評価されることで達成感を得られるタイプの人におすすめです。
販売職も、人手不足で大学中退者が就職しやすい職種のひとつです。
特に、学生時代のアルバイトで接客業を経験した人であれば、非常に就職しやすい職種といえるでしょう。
直接顧客から感謝されることが多いため、人の役に立つことにやりがいを感じる人におすすめです。
大学中退後に民間企業を目指す場合、コツを知っておくことで効率よく就職活動を進められます。特に大学中退者が押さえておくべきポイントは次の3つです。
それぞれ、詳しく解説します。
大学卒業後すぐに就職する場合には「新卒」の枠から求人を選んで就職するのが一般的です。また、大学卒業後にブランクがある場合には「既卒」の枠から求人を選びます。
しかし、大学を中退している場合には、そのどちらにも該当しません。大学中退者が選ぶべき求人は「中途採用」のものです。
中途採用の枠で応募する場合、すでに他の企業で経験を積み転職しようとしている候補者と争わなければなりません。
応募の際には熱意をアピールするとともに、必要なビジネスマナーを学んでおきましょう。
学歴不問や未経験OKの求人は、単純に大学中退者でも応募できるというだけではありません。
こうした求人を出している企業は人手が不足している可能性が高く、就職しやすい企業であるといえます。また、学歴や経歴のみで不採用となる可能性も低いため、大学中退者におすすめです。
大学中退者が民間企業に就職する際には、学歴不問や未経験OKの求人に積極的に応募してみると良いでしょう。
効率よく就職活動を進めるためには、転職支援サービスを活用するのもおすすめです。
転職支援サービスとは、履歴書や職務経歴書の添削、希望に合った求人の紹介、面接対策などのサポートを受けられるサービスです。
適切なサポートを受けながら就職活動を進められるため、初めての就活であってもスムーズに進められる可能性が高まります。
また、企業との交渉や日程調整などを行ってくれる転職支援サービスもあり、手間を減らせる点もメリットといえるでしょう。
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IT業界は幅広いキャリアパスを選べる業界でもあるため、スキルを習得すれば将来の選択肢も広がります。学歴不問・未経験者OKの求人が多い業界でもあるため、ぜひ検討してみてください。
大学を中退しても、公務員を目指すことは可能です。
公務員は大きく国家公務員と地方公務員の2種類に分けられます。さらにその中にはさまざまな職種があり、目指す職種によって受けるべき試験が違います。
公務員を目指すのであれば、自分が目指す職種を決めたうえで、どの試験が必要なのか確認しましょう。
また、人によっては民間企業への就職の方が適している場合もあります。迷うのであれば、転職エージェントを活用して相談してみるのも良いでしょう。
この記事を参考に、公務員と民間企業への就職、どちらを選ぶか検討してみてください。
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