「ITエンジニアの登竜門」として知られる国家試験、情報処理技術者試験がいま、大きな転換期を迎えています。2026年度から応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験がCBT方式へ移行し、2027年度には新試験制度への見直しが予定されています。これからIT業界を目指す方にとって、「どのタイミングで、どの試験を受けるのがよいか」は重要な戦略です。
本記事では、経済産業省およびIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表した最新の見直し案に基づき、2027年に向けた変更ポイントを解説します。
※なお、ここで示されている内容は現時点での案であり、今後変更される可能性があります。
最終更新日:2026年4月27日
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生成AIの急速な普及により、AIを「利活用するスキル」だけでなく、AIを高度なフィッシングに悪用するなどサイバー攻撃への防御策などが、企業だけでなく、その従業員、また個々人にも問われる時代になりました。つまり情報処理技術者試験は、こうした劇的な技術環境の変化に対応することを目的に、生成AIの普及を前提とした試験内容に刷新されると言えるでしょう。
すでに多くの業界でデジタル化が進んでいますが、今後は単なるシステムの導入(IT化)から、蓄積されたデータをいかにビジネス価値や社会課題の解決につなげるかという深化が問われています。そのため、非IT部門を含む全層に、より実践的なデータ活用の基礎知識が求められています。
2026年度から、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験はCBT方式に移行します。これにより、従来のペーパー方式の試験も含め、全試験区分をCBT方式で受験できるようになります。

現在の応用情報技術者試験と高度試験を再編し、「マネジメント領域」「データ・AI領域」「システム領域」の3区分に分ける案が示されています。なお、これは確定ではなく、今後さらに調整される可能性があります。

ITパスポートの次のステップとして、非エンジニアも含む幅広い層を対象とした「データの整備・管理」に特化した試験が新設される案です。

| 区分 | 2027年以降の方向性 |
|---|---|
| ITパスポート | 「ビジネス」「テクノロジ」「セキュリティ・倫理」に再整理され、DXで求められるマインド・スタンスやデータマネジメントの基礎に関する内容が追加・強化される方向です。 |
| 基本情報技術者 | 体系の見直しが進み、出題構成がより現在の学習内容に即した形へ整理される方向です。 |
| 応用・高度(新試験) | 専門性を維持しつつ、マネジメント、データ・AI、システムの3領域で横断的な知識も評価する案です。 |

2026年度から、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験もCBT方式に移行します。これにより、多くの区分で「決まった日に一斉受験」から、期間内で「都合の良い日程を選んで受験」するスタイルへの柔軟性が高まることが期待されています。
刷新案では、AIを業務にどう安全かつ適切に活用するかという視点が強まっています。具体例として、AIが生成したアウトプットの妥当性確認、著作権や倫理への配慮、誤情報(ハルシネーション)への対策など、実務で直面する課題が重視される方向です。
これまで専門資格に委ねられがちだったセキュリティ知識が、全ての試験区分の「土台」として再定義されます。



今回の刷新案では「AI・データ活用」や「倫理」の強化が方針として掲げられています。今後、IPAから正式な新シラバス(試験細目)が公開された際に、どのような具体的項目が追加されるかを注視し、その時点での最新情報を反映した教材を選ぶことが重要になります。
2026年度から「筆記(記述式)」を伴うペーパー試験からCBT方式へ完全に切り替わるため、解答の仕方が根本から変わります。
手書きで文章を埋める従来の対策から、PC画面上で複雑な事例を素早く読み解き、適切な選択肢を選び取る、あるいは入力する形式に即した「思考の瞬発力」を養っておくことが不可欠です。
2027年度以降は「3つの領域」へと再編が進むため、自分の専門分野だけに閉じこもらず、クラウドやデータ利活用といった周辺領域の知識もあわせて押さえておくことが、新試験へのスムーズな適応につながります。

理由は以下の通りです。
❶ 普遍的な基礎知識
ネットワーク、データベース、アルゴリズム等の根幹知識は、制度が変わっても価値は変わりません。
❷ 新制度直後のリスク回避
刷新直後は過去問や対策教材が不足し、傾向が読みにくくなります。確立された対策がある今のうちに取得するメリットは大きいです。
❸ キャリアへの影響
制度変更を待つ1〜2年の間に、資格を活かして実務経験を積む方がキャリア形成には有利です。

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