「高卒者や大学中退者の就職先におすすめの業種や業界を知りたい」「長く働ける理想的な就職先の選び方を知りたい」と思っている方に向けて、本記事では、高卒者が正社員として就職しやすい業界・職種・年収を紹介します。求人数が多く正社員を目指しやすい業界と主な職種・平均給与・その仕事に向いている人の特徴と、将来的にも安定して働けるおすすめの業界のほか、就活で失敗しないために知っておきたい離職率の高い業界や高い年収を得る方法についても徹底解説していきます。
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最終更新日:2024年7月17日
この記事の監修者
株式会社志木サテライトオフィス・ビジネスセンター
代表取締役社長 柴田 郁夫
早稲田大学院理工学研究科修士課程建設工学修了、一般社団法人地域連携プラットフォーム共同代表理事、株式会社志木サテライトオフィス・ビジネスセンター代表取締役社長。1級・2級キャリアコンサルティング技能士、国家資格キャリアコンサルタント。
平成9年より10年間、青森大学に研究室を持ち「コミュニティビジネス論」「eビジネス論」等を担当。経営学部助教授、准教授、客員教授を務める。平成19年度、日本テレワーク学会の第4代代表理事(初代学会長)を務め、現在同学会顧問。一般社団法人地域連携プラットフォーム共同代表理事。公共機関と協働して「創業スクール」を継続して開講。「職育」をテーマとして始めたキッズステーション(民間学童保育)を提供する株式会社アーク教育社代表取締役社長。NPO法人東上まちづくりフォーラムでは設立時から2017年7月まで約15年間理事長を歴任。現在、キャリアコンサルタントの養成講習を行っており、累計で800名を超える国家資格者を輩出。
目次
建設業界は、建物やインフラなどの構造物を造る業界で、土木と建築の二つの分野に大別されます。この業界では、慢性的に人手不足が続いており、特に体力のある若者の需要が高まっています。
■ 高卒者におすすめの職種と仕事内容は?
• 施工管理
建築現場で指揮を執りながら進行を管理し、安全かつ効率的に作業が進められるように工事全体を監督をすることが主な仕事です。
• 設計職
建築物の設計図をCADというソフトを使用して作成し、建築物やプロジェクト管理、モノづくりや品質管理に必要な図面を設計する仕事です。
2024年度における設計職の平均年収は、次のとおりです。
・機械設計技術者
20代:約320万円~447万円程度
30代:約450万円~600万円程度
・CADオペレーター
20代:約260万円~328万円程度
30代:約364万円~500万円程度
出典:施工管理求人サーチ
・建築士
20代:391.7万円~504.4万円
30代:643.3万円~663.8万円
インターネットやコンピューターを活用した情報技術をユーザーに提供するIT業界は、需要が高まり続けている一方で、慢性的な人材不足に悩まされています。詳細については、以下の記事で解説しているので参考にしてみましょう。
■ 高卒者におすすめの職種と仕事内容は?
• システムエンジニア
一般的にSEと称されるシステムエンジニアは、主にソフトウェアやシステムの開発や設計を行う職種です。プログラマーとして経験を積んだあと、キャリアアップしてSEになることが一般的です。
• ヘルプデスク
電話やチャットツールを使用して、顧客からの技術的な問い合わせや、製品の使い方、トラブルなどに関する問い合わせに対応する仕事です。
インフラ業界とは、電力、ガス、水道、通信、交通など、日常生活に欠かせないライフラインを管理・運営する業界で、社会基盤を支える重要な役割を果たします。この業界は、安定した需要があるため、経済情勢に左右されにくく、常に安定した需要があるのが特徴です。
■ 高卒者におすすめの職種と仕事内容は?
• ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークの構築・保守・管理を行う技術者のことで、通信ネットワークの設計や運用を行い、安定したサービス提供を支えます。
• 配管工
水道管や排水管、ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備などの配管工事など、配管工事全般を請け負う事を行い、生活インフラを整備するのが主な仕事です。
製造業界は、モノを作って販売する産業全般を指し、材料や部品を加工・組み立てることで新たな製品を生み出す仕事を担います。一度覚えれば、繰り返しの作業が多いため、未経験から活躍できる場合がほとんどですが、特に技術職では高収入が期待できるでしょう。
■ 高卒者におすすめの職種と仕事内容は?
• 生産技術
生産技術は、製造業において製品や部品を効率的に量産するための生産ラインを構築する職種です。具体的には、既存の生産工程の見直しや改善を行うのが主な仕事です。
• 品質管理
品質を安定的に維持するため、製品の企画から生産体制の構築、作業工程の設計・改善を行うなど、製造現場を管理し、製品を検品しながら、一定の基準を満たしているかを確認する仕事です。
また、どの業界においても、学歴に関係なく就職がしやすい職種は営業職です。
2024年度における営業職の平均年収は、次のとおりです。
20代:約387万円
30代:約514万円
成果報酬を主とするこの職種では、実力次第で高収入を得やすい傾向にあるので、上記に挙げた業界以外で正社員としてのキャリアを目指す場合は、営業職を目指してみても良いでしょう。
このように考えながら、就職を成功させたいと考えている方もきっと多いかもしれません。
就職活動を有利に進めるためには、自分に適正のある職種についても知る必要がありますが、まずは業界ごとの求人数を大まかに把握しておくことをおすすめします。なぜなら、求人数が多い業界ほど応募できる求人の幅が広がりますし、自ずと内定を獲得できる確率も高まるからです。
※横スクロールしてご覧下さい。
出典
*1:令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(令和6年3月末現在)|厚生労働省
高卒者の求人数が最も多い業界の1位は製造業ですが、これは、製造業が伝統的に高卒者を採用する傾向が強いためです。特に、技術を継承する必要がある職種では、若い世代の採用が積極的に行われています。また、工業高校などで専門的な技術を学んだ高卒者が多いことも、製造業の求人が多い理由です。
2位の建設業も、高卒者の採用が盛んな業界です。建設業界では、現場での作業が中心となるため、若くて体力のある高卒者が好まれます。また、専門的なスキルを持つ高卒者が即戦力として活躍できることも、求人の数が多い理由であると言えるでしょう。
また、接客や販売などの仕事が中心の卸売業・小売業は3位でしたが、特に高度な専門知識を必要としない職種が多いため、高卒者の求人数が多いことがその理由として挙げられます。
【どんな業界?】
取り扱う素材は金属や繊維、紙、ガラス、ゴム、食品など多岐に渡り、製品は電子機器・自動車・医薬品などさまざまです。仕事内容は職種によって大きく異なり、製造現場での仕事としては素材を加工する鍛造や旋盤、加工されたものを形にする組み立て・塗装、製品を販売するための検査・梱包などがあります。
製造業は学歴不問のケースが多いため、高卒からの就職も十分可能だと言えるでしょう。
なお、令和5年7月(令和6年1月時点での最新統計結果)の調査によると、製造業の中でも求人数が多いTOP3は以下の産業です。
• 1位:輸送用機械器具製造業:24,739件
• 2位:食料品製造業:20,537件
• 3位:金属製品製造業:13,754件
【主な職種】
製造業は、こんな人におすすめです。
• 形として残る製品を生産・販売したい人
• 自動車や電子機器の製造に関わってみたい人
• 現場仕事から管理職まで幅広く経験したい人
• 継続的な学習と自己成長を求める人
• チームワークを重視し、協力して働くことを好む人
【どんな業界?】
マンション、一軒家といった住宅やビルのほか、学校・病院といった施設など、あらゆるインフラを含む建築物や設備を造るのが建設業ですが、一方で土木は、道路やトンネル、橋、ダム、空港などのインフラ設備を作ります。その他に、建物や設備の管理・補修・解体なども行うため、法律を含む幅広い知識が必要となるでしょう。
また、建設業は少子高齢化などの影響により働き手が減っている業界でもあるため、学歴不問としている企業も増えてきているようです。
【主な職種】
建設業は、こんな人におすすめです。
• 人々の生活に必要な建物や設備を作りたい人
• 人と話すことが好きな人、体を動かすことが好きな人
• もの作りが好きな人、ひとつのことを長期間続けられる人
• チームワークを重視し、協力して働くことを好む人
• 問題解決を楽しむことができ、予期せぬ問題に対処する能力がある人
【どんな業界?】
一方で卸売業は、小売業者や企業・法人などに対して商品を販売する業務のことです。
つまりは、客先が業者の場合は卸売業、そして顧客が一般の消費者であれば小売業に分類されますが、小売業と卸売業とでは販売先の顧客の種類だけでなく取り扱う商品も異なるため、この業種へ就職したい場合はその違いについても把握しておきましょう。
また、「学歴不問」「業界未経験可」といった求人も比較的多く存在するので、他の業界に比べると正社員として就職できる確率がより高い傾向にあるでしょう。
2024年度における卸売業・小売業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:213,500円
20~24歳:256,400円
25~29歳:273,600円
【主な職種】
卸売業・小売業は、こんな人におすすめです。
• 商品の販売に興味がある人
• コミュニケーション力に自信がある人
• 最新の動向やトレンドに敏感な人
• 組織力があり、物流の管理が得意な人
• マルチタスクが得意で、柔軟な対応ができる人
【どんな業界?】
近年のコロナ禍や高齢化社会などの影響だけでなく、また厚生労働省の調査によると、22022年から24年にかけて団塊の世代が75歳になるだけでなく、85歳人口は75歳人口を上回る勢いで増加するとのこと。また、外来患者数は2025年頃、入院患者数は2040年頃、在宅患者数は2040年以降に最も多くなると言われていることからも、医療・福祉業界は、今後さらに需要が高くなる業界であると言えるでしょう。
専門知識や資格を持っていないと対応できない業務が多いものの、高齢者向けの福祉施設などに勤務する介護職などの場合は、特別な資格がなくても採用されることがあります。
2024年度における医療・福祉の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:195,500円
20~24歳:220,900円
25~29歳:239,300円
【主な職種】
医療・福祉は、こんな人におすすめです。
• 専門職に興味がある人
• 人と関わることが好きな人
• 臨機応変な対応ができる人
• 共感力が高く、患者さんの気持ちに寄り添える人
• チームワークを重視し、協力して働くことを好む人
【どんな業界?】
一方、郵便業とは、郵便物などの引受け・収集・配達を行う事業のことです。
どちらも、中心となる仕事は自動車などの運転となるため、運輸業・郵便業で働きたい場合は運搬車両を運転するための知識やスキル知識を身に付ける必要があります。
近年では、Amazonやメルカリなどのフリマアプリをはじめとする「小口配送」が急激に増えていることから、ドライバーの人材不足問題が深刻化しています。また、2024年4月には、時間外労働の上限規制が施行されることで、ドライバーの労働時間が制限され、物流業界における人手不足がさらに懸念されているため、高卒者や未経験者を積極的に受け入れる企業も増えているようです。
2024年度における運輸業・郵便業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:228,300円
20~24歳:267,100円
25~29歳:299,500円
【主な職種】
運輸業・郵便業は、こんな人におすすめです。
• 運転が好きで体力に自信がある人
• 落ち着いて冷静に仕事ができる人
• 正確な作業に自信がある人
• 時間管理が得意な人
• 地理的な知識が豊富な人
【どんな業界?】
• 個人向け:宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉業
• 法人向け:情報通信業、学術研究、専門・技術サービス業
これらのほか、サービス業には、人材業や広告業、コンサルティング業といった幅広い業種も含まれており、またどのサービスを扱うにしても顧客との対話が重要となるため、コミュニケーション力やホスピタリティといった高い対人スキルが求められるでしょう。
2024年度におけるサービス業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:209,800円
20~24歳:245,800円
25~29歳:263,600円
【主な職種】
サービス業は、こんな人におすすめです。
• 人と接することが好きな人
• コミュニケーション能力に自信がある人
• トレンドや顧客ニーズの変化に敏感な人
• 柔軟性があり、変化に対応できる人
• 創造性があり、新しいアイデアを生み出せる人
【どんな業界?】
主な勤務先としては、旅館やホテル、リゾート施設、レストラン、食堂、専門料理店、喫茶店などがあり、コロナ禍により需要が高まった持ち帰り・配達飲食サービス業も、飲食サービス業に含まれます。
宿泊業で働くには、マナーや礼儀作法、ホスピタリティ・コミュニケーション力といった接客スキルのほかに、英語などの外国語を習得しておくと就活が有利に進みます。また、飲食サービス業へ就職したい場合には、細やかな気配りほかに調理や片付けなどを手際よくこなす能力が求められるでしょう。
2024年度における宿泊業・飲食サービス業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:197,600円
20~24歳:221,900円
25~29歳:244,800円
【主な職種】
宿泊業・飲食サービス業は、こんな人におすすめです。
• 体を動かすことや人と関わるのが好きな人
• チームプレイができる人、食べることや料理が好きな人
• 語学や海外の文化が好きな人、国際交流が好きな人
• 細部に注意を払い、丁寧なサービスを提供できる人
• ストレス耐性があり、忙しい環境でも冷静に対応できる人
【どんな業界?】
• 生活関連サービス業:クリーニング、理容店・美容院・エステ、公衆浴場、家事代行、衣服裁縫、冠婚葬祭業、観光業
• 娯楽業:映画館、劇場、競輪・競馬場、スポーツ施設、カラオケボックス、ゲームセンター、演芸・スポーツ等の興行団
一般的にこれらは「サービス業」に分類されますが、どの仕事でもその業界に関する興味や知識のほかに、コミュニケーション力や対人マナーをはじめとする基本的な接客スキルが必要となるでしょう。
2024年度における生活関連サービス業・娯楽業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:198,900円
20~24歳:221,500円
25~29歳:240,500円
【主な職種】
生活関連サービス業・娯楽業は、こんな人におすすめです。
• 趣味や好きなことを仕事にしたい人
• 得意なスキルを人に教えたい人、人と話すことがが好きな人
• 気配りのできる人、体力に自信のある人
• 創造性があり、新しいアイデアを生み出せる
• 柔軟性があり、変化に対応できる人
【どんな業界?】
• 学術的研究や試験、開発研究などを行う事業
• デザイン・文芸・芸術作品の創作、法律や財務、会計などに関する事務や相談、経営戦略など専門的な知識サービスを提供する事業
• 広告に関する総合的なサービスを提供する事業
• 獣医、土木建築に関する設計や相談、商品検査、計量、証明写真制作といった専門的な技術サービスを提供する事業
どの業務をこなすにしても専門的な資格だけでなくその分野においての知識や技術が求められますが、特に著述・芸術家業やデザイン業はセンスやスキルが重視されている分、学歴は不問としている企業もあります。
2024年度における学術研究・専門/技術サービス業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:199,600円
20~24歳:236,700円
25~29歳:275,000円
【主な職種】
学術研究・専門/技術サービス業は、こんな人におすすめです。
• 専門分野で手に職をつけたい人
• 長期間ひとつのことに打ち込める人
• 専門的な知識や技術を活かして顧客のニーズを満たしたい人
• 継続的な学習と自己成長を求める人
• 論理的思考が得意で、複雑な問題を解決できる人
【どんな業界?】
一方で物品賃貸業は、産業用機械器具や事務用機械器具、自動車、スポーツ・娯楽用品などの物品を賃貸する事業を指します。基本的に接客業務を行うため、主にコミュニケーションスキルが求められるでしょう。
2024年度における不動産業・物品賃貸業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:190,100円
20~24歳:225,300円
25~29歳:262,600円
【主な職種】
不動産業・物品賃貸業は、こんな人におすすめです。
• コミュニケーションや交渉が得意な人
• 向上心や新しいことを学ぼうとする意欲が高い人
• 細かいデータや情報を扱うことが得意な人
• 組織力があり、複数のタスクを同時に管理できる人
• 市場動向を理解し、分析できる人
【どんな業界?】
• 銀行窓口業務
• 銀行窓口業務保険窓口業務
• 郵便事業
• 信用事業
• 共済事業
• 購買事業
• 厚生事業
就職するには、各業務についての専門知識や対人スキルなどが求められるでしょう。
2024年度における複合サービス事業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:183,500円
20~24歳:210,800円
25~29歳:241,400円
【主な職種】
複合サービス事業は、こんな人におすすめです。
• 接客に興味がある人
• コミュニケーション力に自信がある人
• 専門的な知識を学ぶことに抵抗がない人
• 柔軟性があり、変化に対応できる人
• マルチタスクが得意で、効率的に作業を進められる人
【どんな業界?】
そして林業は、森林を保全しながら木材を生産する事業です。木材だけではなく、山菜や木炭の生産・販売も行います。漁業は、海や河川で魚などを養殖したり獲ったりする仕事のことです。さらに、魚の加工・販売なども行います。
どの業界も高齢化や人手不足などが問題視されているため、多くの求人は学歴不問で就職することが可能です。
2024年度における農業・林業・漁業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:194,100円
20~24歳:212,100円
25~29歳:238,900円
【主な職種】
農業・林業・漁業は、こんな人におすすめです。
• 自然が好きな人、一次産業に関わってみたい人
• オフィス以外で働きたい人、体力や忍耐力に自信がある人
• 地道な作業が苦にならない人
• 環境保全に関心がある人
• 独立して仕事を進める能力がある人
【どんな業界?】
• ソフトウェア業
• 情報処理・提供サービス業
• インターネット附随サービス業
近年、情報通信業界の人材が大幅に不足しているといわれており、「学歴不問」「未経験可」といった求人が増加しています。また、インターネットやスマートフォンなどの普及によりIT系サービスの需要が増大しているため、将来性のある業界といえるでしょう。
2024年度における情報通信業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:196,600円
20~24歳:246,100円
25~29歳:304,900円
【主な職種】
情報通信産業は、こんな人におすすめです。
• 手に職をつけたい人
• 将来性のある業界で働きたい人
• 技術を身に付けることが好きな人
• 問題解決能力が高い人
• コミュニケーション能力に自信がある人
• 継続的な学習を楽しむ人
未経験からIT業界を目指したい方には、ITパスポート試験の資格取得もおすすめです。
【どんな業界?】
銀行業やクレジットカード業、資金取引の仲介機関などが金融業にあたります。一方で保険業は、生命保険や損害保険、共済事業・少額短期保険などの提供・代理業務などを行う事業です。
顧客や取引先企業とのやり取りが多く発生するため、営業力やコミュニケーション力、金融に関する幅広い知識が必要となるでしょう。
2024年度における金融業・保険業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:172,300円
20~24歳:205,700円
25~29歳:252,300円
【主な職種】
金融業・保険業は、こんな人におすすめです。
• 数字やお金などを扱うことに抵抗がない人
• 銀行や証券会社、保険会社などで働きたい人
• 忍耐力や学ぶ意欲がある人
• 分析的思考が得意な人
• コミュニケーション能力に自信がある人
• 倫理観が強く、プロフェッショナルな対応ができる人
【どんな業界?】
人々の生活に欠かせないものを提供しているため安定性があり、平均年収も高い傾向にあるため、就職希望者からの人気が高い業界となっています。「未経験可」「学歴不問」といった求人もありますが、エネルギー業界に関する用語などの知識が最低限必要となるでしょう。
2024年度における電気・ガス・熱供給・水道業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:209,400円
20~24歳:264,600円
25~29歳:329,800円
【主な職種】
電気・ガス・熱供給・水道業は、こんな人におすすめです。
• 人々のインフラを支える仕事がしたい人
• 安定性のある業界・企業で働きたい人
• 粘り強さや忍耐力に自信がある人
• 技術的なスキルや専門知識を持っている人
• チームワークを重視し、協力して働くことを好む人
【どんな業界?】
ただし、小学校・中学校に勤務するには大学で指定の単位を取得し、教員採用試験に合格して「小学校教諭」や「中学校教諭」などの免許を取得する必要がありますが、事務職などは学歴不問で募集している場合もあります。
また学習支援業とは、学校教育の支援活動を行う事業のこと。
具体的には学習塾や通信教育、図書館などがこれに当てはまり、音楽教室や英会話教室、スポーツクラブなどのほか、公民館、博物館や美術館、動物園・水族館・植物園なども含まれるので、人の成長や喜びの瞬間に関わることができるやりがいのある業界と言えるでしょう。
2024年度における教育・学習支援業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:186,000円
20~24歳:214,500円
25~29歳:238,000円
【主な職種】
教育・学習支援業は、こんな人におすすめです。
• 子供やお年寄りまで幅広い世代の人と交流することが好きな人
• 人の成長を支援したい人、コミュニケーション能力に自信がある人
• 物ごとに対して根気強く取り組める人
• 創造性があり、新しい教育方法を考え出せる人
• 組織力があり、複数のタスクを同時に管理できる人
【どんな業界?】
主に岩石・砂利などの採取や運搬を行うため、体を動かしたりダンプといった重機を扱うことに抵抗がない人に合っているでしょう。
2024年度における鉱業・採石業・砂利採取業の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:219,300円
20~24歳:254,700円
25~29歳:279,700円
【主な職種】
鉱業・採石業・砂利採取業は、こんな人におすすめです。
• 体力に自信がある人
• 重機の扱いに興味がある人
• 慎重に作業することが得意な人
• 環境保護に関心がある人
• チームワークを重視する人
【どんな業界?】
公務員の職に就くには公務員試験を受ける必要があり、試験は原則として学歴不問となっているため、高卒からでも挑戦することができます。ただし、筆記試験のボリュームが多いため、しっかりと対策する必要があるでしょう。
2024年度における公務・その他の平均給料は、次のとおりです。
~19歳:154,545円
20~24歳:158,334円~163,214円
25~29歳:173,731円
【主な職種】
公務・その他は、こんな人におすすめです。
• 地域や国に貢献したい強い人
• 地道な仕事が苦にならない人
• 安定した環境で働きたい人
• コミュニケーション能力に自信がある人
• 倫理観が強く、公正な判断ができる人
• 組織力があり、複数のタスクを同時に管理できる人
ここまで、求人数ランキングに沿ってさまざまな業界について紹介しましたが、高卒男女の就職先におすすめな業界と職種は次の9つです。
✔【IT/通信】プログラマー・テクニカルサポート・ヘルプデスク
✔【ゲーム/動画】プログラマー・ゲームクリエイター・映像制作
✔【ネット通販】ECサイト運営・受注出荷管理・顧客対応・事務
✔【ドラッグストア】商品管理・経営企画・薬剤師・接客・経理・事務
それぞれの特徴や具体的な仕事内容、どんな人におすすめかについては以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
目標とする職種に就くためにはさまざまなキャリアパスがありますが、高卒で就職する方は、大卒者に比べて早く働き始める分、実務経験がものを言う専門職が向いていると言われています。また、大学進学が一般的な選択とされがちですが、高卒での就職には大卒にはないメリットがたくさんあるのです。
この章では、高卒で就職をした場合のメリットと強みを解説します。同時に、高卒で就職した場合のデメリットと注意点についても見ていきましょう。
高卒で就職する最大のメリットは、先ほどもお伝えしたとおり、実務経験を早くから積むことができるという点です。実際の職場で働きながらスキルを磨き、キャリアを形成することで、学費や時間の節約にもなるでしょう。また、大学に進学せずに働き始めることで、学費の負担を避け、収入を得ながら自立を目指すことも可能です。
高卒者を積極的に採用する企業においては、新人や未経験者に対して、手厚いOJTを実施している企業も数多くあります。さらに、高卒での就職する場合は、技術職や公務員など、高校卒業資格があれば十分に活躍できる職種を選ぶと、学歴を問われることなく高収入を得ることができるでしょう。
高卒で就職した場合のデメリットを挙げるとするならば、キャリアの選択肢が限られる可能性があるということです。特に専門的な知識や技術が求められる職種では、大学や専門学校の卒業資格が必要とされることが多い傾向にあります。
また、業種や職種によっては、昇進を望む場合やキャリアアップを希望する際に、学歴が影響することがあるかもしれません。そのため、高卒で就職する際には、将来的にも長く働ける職種かどうか、また学歴を問われることなく高年収が見込める仕事かどうかを十分に吟味して選び、その職種に必要な資格やスキルを身に付けるための計画も同時に立てておくと安心でしょう。
これから就活をしようと思っている人の中には、「せっかく正社員になるのなら、離職率が高い会社に応募するのは避けて長く働きたい」と考えている方も多いかもしれません。では、離職率が最も高いのはどの業界なのでしょうか?
高卒者・大卒者が新卒で就職した後、3年以内の離職率が高い業界のTOP5は、以下の通りです。
高卒者 | 大卒者 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 宿泊業・飲食サービス業 | 62.6% | 宿泊業・飲食サービス業 | 51.4% | ||||
2位 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 57.0% | 生活関連サービス業・娯楽業 | 48.0% | ||||
3位 | 小売業 | 48.3% | 教育・学習支援業 | 46.0% | ||||
4位 | 教育・学習支援業 | 48.1% | 医療・福祉 | 38.8% | ||||
5位 | 医療・福祉 | 46.4% | 小売業 | 38.5% |
出典:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します:令和5年10月20日|厚生労働省
厚生労働省の調べによると、最も離職率が高いのは、高卒者・大卒者ともに「宿泊業・飲食サービス業」という結果に。次いで、「生活関連サービス業・娯楽業」の離職率が高い数値となっています。
離職率が高い原因として、サービス業は人との関わりが多い分、人間関係によるストレスがかかりやすいことが考えられます。また、働く会社によっては休日や深夜の勤務が発生したり、人手不足の穴を埋めるために長時間労働となったりするケースもあるため、それを負担に感じて辞めてしまう人もいるでしょう。
また、生活関連サービス業・娯楽業は、「労働時間が長い」「販売のノルマが厳しい」「同じ仕事の繰り返しでキャリアアップが見込めない」といった理由で退職する人も多いようです。
では、これらの人々は実際にどのような理由で離職しているのでしょうか?高卒者の離職別理由を男女別にランキング形式で比較した表は、次の通りです。
離職理由 | 男女計 | 男 | 女 | |
---|---|---|---|---|
1位 | 仕事が合わない | 401 | 239 | 162 |
2位 | その他 | 209 | 118 | 91 |
3位 | 傷病等健康上の理由 | 179 | 76 | 103 |
4位 | 就労意欲が乏しい | 97 | 64 | 33 |
5位 | 家庭の事情 | 90 | 51 | 39 |
6位 | 他からの働きかけによる転職 | 88 | 49 | 39 |
7位 | 人間関係がうまくいかない | 60 | 29 | 31 |
7位 | 進学等のため | 60 | 40 | 20 |
9位 | ホームシック | 47 | 21 | 26 |
10位 | 職場環境が合わない | 38 | 18 | 20 |
11位 | 希望条件と労働条件の違い | 25 | 15 | 10 |
一番の理由として挙げられているのが、「仕事が合わない」という意見です。入社後にミスマッチを起こさないためには、業界や企業の研究を入念に行い、自分に合った仕事かどうかを調査しておくとよいでしょう。
高校を出てすぐに働く方ややむを得ない理由により大学を中退した方にとっては、大卒者より早く社会人になる分、「できるだけ早いうちから高年収を稼げるようになりたい」と思う方もきっと多いでしょう。
ここでは、高卒で就職した人が年収を上げるための方法を4つほど解説します。
就活前に読んでおきたいおすすめの本も紹介するので、これから就職する方も現在転職を考えている方も、ぜひ参考にしてください。
まず1つ目は、専門スキルを身に付けて自分の市場価値を高めることです。
ここで言う市場価値とは、ビジネスの場において、どれだけ必要とされている人材なのかということ。
会社の仕事とは、一般的に「需要」と「供給」の関係で成り立っているので、自分が勤めたい業界の動向をしっかり見極めてスキルを積んでいくことも、自らの市場価値を高めるためには必須です。
また専門的なスキルが高い人になればなるほど、その人にしかできない仕事が多くなり、結果として貴重な経験を得られる機会も増えていきます。
こうした体験は仕事の実績だけでなく自分の自信にもつながるので、専門スキルが高い人ほど将来的にも会社の組織や景気に左右されない自由な働き方を選べる傾向にあります。
とはいうものの、いきなり「自分の市場価値を高めろ」と言われても、これから目指す方向性が決まっていない方であれば「何をどう高めたらいいの?」と思うかもしれません。
もしまだ働いてみたい業界に出会っていないのであれば、未経験から手に職を付けて働けるIT業界がおすすめです。「でもどうやって目指せばいいのだろうか?」と思われた方は、ぜひ一度IT業界の就職専門家に相談してみましょう。
高卒で就職を目指す女子にとって、就活が有利になる人気の資格については、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
学歴を問わず、自分に合った業界の企業への就職は重要です。コロナ禍を経ても、高卒者の採用を増やしている企業は数多く存在しますが、業界によっては大卒者を優遇する傾向がまだ残っています。
また、自分に合った業界を見極めずに就職活動を行うと、内定を得ることが難しくなるだけでなく、適切でない業界に入社してしまうと、たとえあなたがどれほど優秀でポテンシャルが高かったとしても、将来的に年収を上げることも困難になる可能性があるでしょう。
そのため、就職活動を始める前には、冷静に「自分にはどんな業界が適しているか」を見極めることが重要です。
高卒男女の就職先としてもおすすめな将来性のある職種や職業については、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
そして3つ目に重要なのは、自分の価値観をしっかりと持ち、自らの考えでオリジナルの答えを導き出す習慣を身に付けることです。
10代や20代の若者だけでなく、30代や40代といった年齢層の人々も、仕事や生き方の方向性に迷いがちですが、その多くは、若い頃から他人との比較を生活の中心に据えてきたため、成長しても自分軸を確立できていないことが一因となっています。
「どのような状態でいると自分は幸せを感じるのか?」
「将来、どのような自分でいたいのか?」
「そのために今、何を始めるべきか?」
このような問いかけに対する明確なイメージや気持ちを自分自身で理解していなければ、具体的な仕事の目標を設定することはもちろん、将来的なキャリアプランを立てることも難しくなるでしょう。
現在、コロナウイルスの影響は徐々に薄れつつあり、日常生活が新しい形で毎日目まぐるしい速さで進行しています。このような状況だからこそ、自分軸を見つけるためには、自問自答を通じて自分自身と向き合うことが不可欠です。
特に今は、自分の興味や情熱を追求することが、仕事に直結しやすい時代です。そのため、まずは自分軸をしっかりと確立し、自分だけのオリジナルストーリーを描いてみましょう。
「でも自分が何をやりたいのかなんて、全然思い付かない…」
「自分軸については何となくわかったけど、それを仕事に活かす方法がわからない…」
という方も意外と多いかもしれません。そんな方は、職業人生の設計方法がわかる本を読んでみるのもおすすめです。なかでもYouTubeやAmazonでも評価が高い書籍は、こちらです。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
▸北野 唯我(著)
▸内容(「BOOK」データベースより)
転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」である。一生食えて、心から納得のいく仕事を見つける方法。
▸単行本(ソフトカバー):260ページ
▸出版社:ダイヤモンド社(2018/6/21)
▸発売日:2018/6/21
出典:Amazon
本のタイトルには「転職の思考法」とありますが、これから新社会人となるみなさんが就活する前に知っておくと有益な情報がたくさん載っています。
気になる口コミは、以下のとおり。
- 「もし可能ならば『キャリアがスタートするタイミング』において全ての人にこの本を手に取ってほしい。この本で説明されている内容を理解しているか否かで人生が180度変わる事だってあり得ると思うから」(20代男性・学生)
- 「企業という組織の体勢、出世構造、マーケットバリューのつくりかた。1つ1つが構造化されて、文系脳でも手に取るように分かりやすく説明されています。転職した人も、これから社会に出る若者にも読んでほしい」(20代女性・メーカー)
- 「小説形式だからとても読みやすかったです!『上司ではなくマーケットを見て働く』という部分、まさに! と思いました」(30代女性・3児の母として専業主婦→HRベンチャー)
この書籍によると、”人間には「何をするか」に重きをおくto do型の人間と、「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視するbeing型の人間がいる” とのこと。
そのうち99%の人間がbeing型であるため、”「心からやりたいこと」がなくても悲観する必要はまったくない” と語られています。
そんなbeing型の人間が仕事を楽しむための2つの条件は、自分の市場価値を高めることと、迷ったら自分を嫌いにならない選択肢を選ぶこと。
さらに具体的な市場価値の高め方や「一生食える」仕事を確保するためのステップのほか、心から納得のいく仕事の見つけ方も解説しているので、就職や転職で悩んでいる方は、新たな視点で考えるための思わぬヒントがきっと見つかるかもしれません。
※小数点第二位以下の四捨五入は切り上げ
出典:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
こちらは、高校卒業後に正社員として働く男女の給料を男女別・年齢別に比較したグラフです。
10代のうちは、男女の差が1万8,900円、20代前半では3万4,500円、20代後半では5万8,600円と、年齢を追うごとに開きが見られます。
そして、40代になると11万4,900円もの差が広がりますが、最近では在宅ワークや副業による副収入を得ている女性も増えているため、複数の仕事を掛け持つなど働き方を工夫したり、プログラミングなど「手に職」を付けるためのスキルアップを図りながら、専門職への転職を検討すれば、女性でも月収アップは見込めるでしょう。
男女問わず、学歴を問われることなく高収入が見込めるのは、実力やセンス、ポテンシャルや才能で勝負できる技術職がおすすめです。未経験からITエンジニアを目指したい方は、一度IT業界の専門家に相談してみても良いでしょう。
年収についての詳細は、以下の記事も参考にしてください。
高卒で就職した人が高い収入を得るためには、まず専門的なスキルを身に付けて自分の市場価値を高めるとともに、学歴不問で働ける自分に適した業界の企業に就職するのが有効です。そして未経験からスキルを習得して学歴不問の求人を見つけたいなら、IT業界がおすすめです。
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