システムエンジニアになるにはどうしたらいいの?と疑問に感じている方向けに、SEへの転職に必要な資格や経験を紹介。未経験からシステムエンジニアになるためのステップを解説します。IT業界やITエンジニアの仕事に興味がある方はぜひご覧ください。
なお、未経験からITエンジニアへの就職に興味がある方は、就職率98.3%で受講料無料のプログラミングスクールプログラマカレッジもおすすめです。
最終更新日:2023年4月4日
目次
• システムエンジニアの仕事内容
• システムエンジニアの需要と将来性
• システムエンジニアの年収
システムやソフトウェアの開発は、次の6工程で行われます。
お客様の業務状況や要望をヒアリングし、お客様の予算と作りたい内容を調整して、開発するシステムの範囲を決めます(要件定義)。開発範囲が決まったら、画面などお客様の目に触れる部分を設計します(基本設計・詳細設計)。
プログラム内部を設計した後、実際のプログラミングはプログラマーに依頼する場合もあれば、システムエンジニアがそのまま開発を担当する場合もあります。
またシステムを開発した後、システムが安定稼働するように監視やシステム改善を行う保守を担当する場合もあります。
また、非IT業界でもデジタル事業に対応できる人材の需要が高まっているにも関わらず、量・質ともに満足できるエンジニアやプログラマーを確保できている企業は少ないのが現状です。
システムエンジニアのキャリアパスとされているプロジェクトマネージャーやテックリードといった職種は、さらに多くの企業が「不足している」と感じています。そのため、将来的にそれらの職種で活躍できる可能性があるシステムエンジニアは、将来性が高い職業だといえるでしょう。
出典:システムエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス
求人ボックスによると、正社員のシステムエンジニアの平均年収は517万円です。令和3年分民間給与実態統計調査では、正社員の平均年収は508万円とされているので、システムエンジニアの年収は平均よりやや高いといえます。
ただし、システムエンジニアの給与幅は333〜946万円と差があります。この差が生じる理由は、スキルや担当業務に差があるためです。また、派遣社員やアルバイト・パートなど雇用形態が異なる場合にも、年収に差が生じます。
IT系の学校出身でない人や、文系出身の人でも、未経験からシステムエンジニアを目指すことは可能です。その場合、次のような方法があります。
それぞれの方法について、以下で詳しく解説します。
これから学生として学ぶ環境があるなら、IT系の学部や学科がある大学・専門学校でITに関する技術を学びシステムエンジニアとして就職する方法がおすすめです。
新卒で未経験からシステムエンジニアとして就職する人は珍しくありません。その中で、大学や専門学校でITに関する知識やスキルを身につけていれば、有利に就職活動を進められます。
また、未経験者の場合には「ポテンシャル採用」を行う企業も珍しくありません。ポテンシャル採用とは、入社後のスキル習得や伸びしろを期待して採用する方法です。ポテンシャル採用を行っている企業であれば、システムエンジニアとしては十分なスキルがない状態でも、採用される可能性があります。
システムエンジニアは、ITの基礎知識やプログラミングスキルが欠かせない職業です。また、論理的思考力も必要です。まずは、これらのスキルを身につけられるよう、学習やトレーニングを進めましょう。
「ITパスポート」や「基本情報技術者」などの資格取得を目指して学習するのもおすすめです。資格取得を目指して学習することで、基礎的な知識を網羅的に学べます。また、資格を取得しておけば、スキルや知識の客観的な証明となるため、就職活動でも役立ちます。
何から始めれば良いかわからない場合には、まず資格取得を目指してみましょう。
新卒や第二新卒であれば、未経験でもシステムエンジニアとして採用されるケースもあります。しかしそれ以外の場合には、まずプログラマーとして経験を積んでから、システムエンジニアへのキャリアアップを目指してみると良いでしょう。
プログラマーは、システムエンジニアの下流工程を担当する仕事です。要件定義や設計など、システムエンジニアが行った仕事をもとにプログラミングを行います。つまり、プログラマーの仕事をしながら、システムエンジニアの仕事とはどのようなものかが学べる環境です。
また、システムエンジニアはプログラマーに指示を出すことが多い仕事でもあります。そのため、プログラマーの仕事を知っていれば、システムエンジニアの仕事をスムーズに進められます。
そのためまずは、プログラマーを目指してみるのも良いでしょう。
就職支援や転職エージェントなどのサービスを活用して、システムエンジニアを目指す方法もあります。未経験者の場合、自分のスキルが客観的にどの程度なのか判断に迷うこともあるでしょう。また、業界知識も乏しいため、希望した企業が本当に自分に合っているのかわからないこともあります。
就職支援や転職エージェントなどのサービスを活用すれば、自分のスキルに見合った企業の紹介を受けられます。また、自分の希望に合う企業かも、事前に確認可能です。
スキルや熱意を伝えるためには、適切な言葉選びやアピールも欠かせません。就職支援や転職エージェントを活用すれば、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などのサポートも受けられます。
• プログラミングスキル
• システム全体を俯瞰できる技術的なスキル
• プロジェクト管理能力
• コミュニケーション能力
• 文章作成のスキル
詳細を以下で解説します。
システムやソフトウェアは、プログラミングを駆使して作ります。プログラミングの知識がなければ、システムの要件定義や設計はできません。また、プログラマーへ指示を出すこともできないでしょう。プロジェクトの進行状況によっては、システムエンジニアがプログラミングを行うこともあります。
そのため、システムエンジニアにプログラミングスキルは欠かせません。志望する企業が決まっているのであれば、その企業で求められているプログラミング言語を学びましょう。
決まっていない場合には、人気の言語を学んでおくのがおすすめです。人気の言語を学んでおけば、就職活動で応募できる企業の幅が広がります。また、ひとつプログラミング言語を習得すれば、基本的な考え方(プログラミング的思考)は身についた状態になるため、次の言語の習得は簡単になります。
以下の記事では、プログラマーに必要なスキルを紹介していますので、あわせてご覧ください。
システムエンジニアは、システム開発の上流工程※ を担当します。上流工程を担当するには、システム全体を俯瞰して見られるスキルがなければなりません。各工程で使う知識を幅広く習得しておく必要があります。具体的に必要な知識の例は次の通りです。
• アルゴリズムの知識
• 開発ツールの知識
• OSやミドルウェアの知識
• ネットワークの知識
• データベースの知識
また、顧客の問題を解決するためにどのような機能が必要か、その機能を実装するにはどのようなプログラムを組めば良いか、なども考えなければなりません。
※上流工程とは、主にウォーターフォール型開発の要件定義、基本設計、詳細設計の部分を指します。また下流工程とは、主に開発、単体テスト、結合テストの部分を指します。
納期を守り、品質の高いシステムを納品するためには、プロジェクト管理の能力も必要です。プロジェクトマネージャーが管理を行う場合もありますが、それでも自分の担当範囲において、納期までに要求された作業を終わらせるためには、いつまでにどれだけ仕事を進めるか知っておかなければなりません。
上流工程を担当するシステムエンジニアの仕事が終わらなければ、下流工程を担当するプログラマーも仕事を始められません。要件定義や設計の遅れは、全体のスケジュール遅延につながります。
そのためシステムエンジニアは、プロジェクト管理能力を身につけておく必要があります。
システムエンジニアは、顧客やチームメンバーとのコミュニケーションが必要な仕事です。ヒアリングで相手が伝えたい内容を正確に理解するとともに、文章や言葉で自分の考えを伝えられなければなりません。
また、現場での作業を円滑に進めるためには、チームメンバーがコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作っておく必要があります。
エンジニアというともくもくとパソコンに向かって仕事をするイメージを持っている方もいるかもしれませんが、スムーズに仕事をするためにはコミュニケーション能力が欠かせないのです。
要件定義書、設計書、仕様書、進捗報告やトラブル報告書など、システム開発では、文書作成の機会が多くあります。ドキュメントがあれば、クライアントとの認識の違いによるトラブルを減らせます。また、ドキュメントに記録が残っていれば、担当者が変わる際にもスムーズな引き継ぎが可能です。
文書の目的や対象者によって、適切な情報の整理を行い、分かりやすく文書を作成するスキルが求められます。
以下で、未経験者・初心者が取るべき資格と、システムエンジニアにおすすめの資格を紹介します。
未経験者・初心者がまず最初に取るべき資格は、以下の2つです。
それぞれの資格について、詳しく紹介します。
ITパスポートは、IT未経験者や初心者向けの試験です。国家試験の中では一番簡単なレベル1に該当する試験で、ITエンジニアに限らずIT業界で働きたい人、ITに関する一般的な知識を身につけたいと考えている人が対象です。
ITパスポートを取得することでITに関する幅広い分野の知識を身につけられ、事務系職種に応募する場合でもパソコンの基礎スキルを証明できるのがメリットです。
試験はコンピューターを利用するCBTという方式で行われます。出題分野はストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野に分かれ、いずれも基礎的な内容を理解しているかが問われます。
合格までの勉強時間は50~100時間程度が目安です。
対象者 | ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生 |
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ITスキル標準(ITSS) | レベル1 |
合格率 | 社会人(IT系):59.7%、社会人(非IT系):55.6%、大学生:48.9% ※2022年4月度~2023年2月度 |
問題形式 | CBT(選択問題) |
問題数 | 100問 |
試験時間 | 120分 |
合格ライン | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること |
受験日程 | 全国各地のプロメトリック認定会場で随時実施 |
受験料金 | 7,500円(税込) |
勉強時間の目安 | 情報処理の知識がある場合、約30時間程度(1日3~4時間で2週間程度) 情報処理の知識がない場合、約180時間程度(1日2時間で約3ヶ月ほど) |
参照:ITパスポート|IPA
ただいまプログラマカレッジでは、期間限定でITパスポート試験の資格取得キャンペーンを実施中。詳細は下記バナーからご参照ください。
なお、現在は新型コロナウイルスの影響により、試験会場で検温が実施されています。発熱が確認された場合受験できず、受験料の返還も受けられないため注意してください。なお、試験日の3日前までであれば試験日の変更が可能です。
また感染状況に応じて試験が中止される可能性もあります。情報はホームページに掲載されるほか、登録したメールアドレスにも送られてくるので必ず確認しましょう。詳細については、公式HPをご確認ください。
▶ 公式サイト:ITパスポート|IPA
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とも言われている王道資格。そのため、IT業界に転職したい、ITに関する基本的な知識を身につけたいと思っている人にも最適な試験です。
出題分野はITパスポートと同じくストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野ですが、テクノロジ系では考え方を理解するだけでなく、実際にプログラミング言語の習得を求められるなど、どの分野においてもITパスポートよりも難易度は高め。
またITパスポートが「ITを利活用するすべての人向けの試験」であるのに対して、基本情報技術者試験は「IT業界で働くための基礎知識を問う試験」なので、未経験からITエンジニアになりたい方は、ぜひこの資格からトライしてみましょう。
試験は科目A試験と科目B試験に分かれており、両方の対策が必要です。
対象者 | 高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身につけたい者 |
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ITスキル標準(ITSS) | レベル2 |
合格率 | 35.6%(2022年下期実績) |
問題形式 | 多肢選択式 |
問題数 | 科目A試験:60問 科目B試験:20問 |
試験時間 | 科目A試験:90分 科目B試験:100分 |
受験日程 | 通年(任意の日程で受験可能) |
合格ライン | 60% |
受験料金 | 7,500円(税込) |
勉強時間の目安 | 情報処理の知識がある場合、50時間程度(1日3~4時間で2週間程度) 情報処理の知識がない場合、100~200時間程度(1日5~6時間を週3~4日で2ヶ月程度) |
令和5年度の基本情報技術者試験は、CBT方式で実施されます。
詳細は公式サイトでご確認ください。
▶ 公式サイト:基本情報技術者試験|IPA
なお基本情報技術者試験は、2023年4月より試験制度の大幅改訂が予定されています。
2023年度以降の受験については、次の記事をご覧ください。
基本情報技術者試験に合格したら、さらに難易度が高い資格にも挑戦してみましょう。基本情報技術者試験の後にチャレンジするなら、次の4つの資格がおすすめです。
• 応用情報技術者試験
• システムアーキテクト試験
• ORACLE MASTER
• Linux技術者認定試験
それぞれ、詳しく紹介します。
応用情報技術者試験は、ITに関する応用的な知識を身につけたいと考えている人向けの試験です。
出題分野は上記2つの試験と同じくストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系ですが、基本情報技術者試験よりもさらに高いレベルの知識や技術が求められるため、合格すればITエンジニアとしての就職・転職する際の面接でも高く評価されるでしょう。
ただし応用情報技術者試験に合格すると資格手当が出る会社もあるくらい難易度も高いため、ITエンジニアとして実務経験を積んでから合格を目指しても遅すぎることはありません。
対象者 | 高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立したい者 |
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ITスキル標準(ITSS) | レベル3 |
合格率 | 24.3%(2022年春期実績) |
問題形式 | 午前試験:多肢選択式 午後試験:記述式 |
問題数 | 午前試験:80問 午後試験:11問中5問回答 |
試験時間 | 午前試験:150分 午後試験:150分 |
合格ライン | 60% |
受験日程 | 春期試験(4月)と秋期試験(10月)の年2回 |
受験料金 | 7,500円(税込) |
勉強時間の目安 | IT初心者の場合、500時間以上(1日2時間で7ヶ月程度) 基本情報者試験に合格した人は、200時間(1日2時間で3ヶ月程度) |
現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、試験の中止や実施内容、試験地などが変更になる可能性があります。受験の際には公式サイトで最新の情報を確認してください。
▶ 公式サイト:応用情報技術者試験|IPA
▶ 参考記事:応用情報技術者試験の合格率は?難易度と勉強時間の目安まとめ【2022年版】|プロエンジニア
システムアーキテクト試験とは、システム開発の上流工程を主導する、上級エンジニアを目指す人向けの試験です。情報処理技術者試験の中で最難関の「高度区分試験」のひとつとして位置づけられています。受験資格は特に設定されていませんが、難易度は高く合格率は15%前後です。
▶ 参考記事:システムアーキテクト試験とは?取得のメリットや難易度を解説します|プロエンジニア
オラクルマスターは、日本オラクル社が公式に運営する「Oracle Database」シリーズを扱う技術力を認定する資格です。4種類のランクがあり、一番易しい「ORACLE MASTER Bronze DBA」でも、未経験者でデータベースを構築できる環境がない場合、取得までに半年以上の時間がかかることがあります。
▶ 参考記事:オラクルマスターとはどんな資格?難易度から受験料までまとめました|プロエンジニア
LinuCは、Linux技術者に求められる技術力を証明できる認定資格です。3種類のランクがあり、一番易しい「LinuC-1」はITパスポートと、「LinuC-2」は基本情報技術者試験と、「LinuC-3」は応用情報技術者試験とそれぞれ同等の難易度です。
▶ 参考記事:「LinuC」とは?日本市場向けのLinux技術者認定試験|プロエンジニア
IT業界への転職が有利になる資格をもっと知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
各学習方法の詳細は、以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
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この記事では、システムエンジニアになるにはどうすればよいのか解説しました。
未経験の方であれば、まずプログラマーを目指しましょう。そこから、経験を積んでシステムエンジニアにキャリアアップするのがおすすめです。
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