IT業界への就職や転職に興味があるものの、プログラマーとエンジニア、どちらになりたいか迷っている方も多いでしょう。この記事では、SEとプログラマーの違いを、仕事内容や求められるスキル・キャリアパス・年収などを軸に解説します。SEやプログラマーの将来性についても解説していますので、ぜひご覧ください。
なお、未経験からITエンジニアへの就職に興味がある方は、就職率98.3%で受講料無料のプログラミングスクールプログラマカレッジもおすすめです。
最終更新日:2024年2月22日
目次
エンジニアとは、専門的な知識やスキルを持った人材のことを指す言葉です。IT業界では、ITの専門的な知識やスキルを活かして仕事をする職業のことを指します。そのため、広義にはプログラマーもエンジニアの一種です。
エンジニアは、専門分野ごとに複数の分野に分けられます。IT業界でもっとも一般的なのは、システム開発の現場で活躍する「システムエンジニア(SE)」です。そのためこの記事では、プログラマーとシステムエンジニアの違いを解説します。
プログラマーとエンジニアの違いを簡単にまとめると、次の通りです。
平均年収出典:令和元年 賃金構造基本統計調査
ただし、プログラマーとエンジニアの境目は企業によって異なり、あいまいなこともあります。上記の画像のように明確に業務を分けているケースもありますが、プログラマーとエンジニアを兼任して業務を進めている場合や、参画するプロジェクトによって立場が変わる場合も少なくありません。
ここからは、プログラマーとエンジニアの仕事内容の違いを詳しく紹介します。
プログラマーとは、エンジニアが作成した設計書に基づいてプログラミングを行う仕事です。
また、プログラマーは作成したシステムが正しく動くかどうかのチェックも行います。
設計書とは、どのようなプログラムを作成すべきかが書かれた書類です。プログラマーは、この設計書に基づいてプログラミングを行い、実際にプログラムを組み上げます。クライアントから直接話を聞いて動くことはほとんどなく、チームリーダーやプロジェクトリーダーなど同じ案件に参画しているリーダーから指示を受けて仕事をします。
プログラムを組むのが仕事であるため、プログラマーにはプログラミングスキルが欠かせません。必要な言語は、案件によって異なります。長時間集中してプログラムが組める集中力や忍耐力が求められる一方で、困った時には周囲に相談できるコミュニケーションスキルも必要です。
システムが正常に動くかどうか、納品前にテストをするのもプログラマーの役割です。想定通りに動かない箇所やバグが見つかった場合には、修正もしなければなりません。設計書通りのプログラムを作り上げるまで、テストと修正を繰り返します。
テストには、単体テストと結合テストの2種類があります。単体テストとは、1つのプログラムを正常に動かせるか確認するものです。プログラム同士を組み合わせ、複数で動かしたときに不具合が出ないか確認するのが結合テストです。
プログラムの不具合をなくし、納品できる状態に仕上げます。
エンジニアは、クライアントへのヒアリングを行い要望を引き出します。さらに、その要望を叶えるためのシステムを設計し、設計書を作成するのがエンジニアの仕事です。
エンジニアは、まずクライアントの要望を引き出します。現在どのようなことに困っているのか、どのような問題を解決したいのかを聞き出すとともに、業務の状況も把握しておく必要があります。
クライアントに合わせたシステムを作成するためには、抱えている問題やどのように解決したいかを適切に把握しなければなりません。また、予算の確認も重要です。ヒアリングを行い、システム開発に必要な情報やクライアントの要望を引き出すのがエンジニアの仕事です。
クライアントの要望を引き出すとともに、どのような形でシステム化するか考える工程は「要件定義」と呼ばれます。
要件定義に基づいて、設計を行うのもエンジニアの仕事です。システムにどのような機能を搭載するか、さらに搭載する機能をどのように組み立てるかを考えるのが「設計」の工程です。
設計ができたら、それを実際に組み立てるための設計図を作ります。この設計図のことを、システム開発の現場では「設計書」と呼びます。仕様に基づいてシステム開発を進めるため、わかりやすく具体的に書かれたものでなければなりません。設計書内に矛盾が生じていないかも、確認する必要があります。
ここで紹介した資格やスキルは、すべてが必須なわけではありません。特に資格は、ひとつも持っていなくてもプログラマーやエンジニアとして働けます。
しかし、未経験からプログラマーやエンジニアを目指す場合、資格を持っていると就職や転職の際に有利になります。また、プログラマーからエンジニアにステップアップする際には、応用情報技術者やオラクルマスターなどの資格を持っているとスキルの裏付けとなるケースもあるのです。
評価につながる資格は職種によっても異なるため、まずは自分が目指すキャリアに必要なものから取得を目指すとよいでしょう。
【プログラマーに必要なスキル】
プログラマーに必要なスキルには次のスキルがあります。
◆ プログラミングスキル
システム開発の目的に応じて様々なプログラミング言語を身に付ける必要があります。書けるプログラミング言語が多いほど、プログラマーとして活躍の幅を広げることが可能です。
◆ デバッグスキル
作成したプログラムに不具合が生じたときに、原因を調査し修正していくスキルが必要です。デバックスキルには物事を整理する力やわからないことと向き合う忍耐力が求められます。
◆ コミュニケーションスキル
開発はチームで行うことがほとんどです。開発チームのメンバーと円滑にコミュニケーションを取る技術が仕事を進める上で非常に重要となります。
◆ アルゴリズムスキル
アルゴリズムとは、プログラムを作るときに使う、問題を解決するための手順、計算方法です。プログラマーの仕事は、プログラミングという手段を使って、お客様の問題を解決することなので、アルゴリズムを考えるスキルが求められます。
【プログラマーにおすすめの資格】
IT技術の基礎知識を問う資格やプログラミング言語の資格を取得すると、採用に有利です。特に基本情報技術者試験を取得すると、IT技術を一定程度理解していると採用企業に評価してもらえるでしょう。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門とも言われている王道資格。未経験からプログラマーになりたい方は、ぜひこの資格からトライしてみましょう。取得に向けて勉強をすると、ITに関する知識を浅く広く、体系的に基礎を身につけられるので、IT業界でキャリアをスタートさせる人にも最適です。試験は科目A試験と科目B試験に分かれており、両方の対策が必要です。
対象者 | 高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身につけたい者 |
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ITスキル標準(ITSS) | レベル2 |
合格率 | 48.4%(2023年4~12月) |
問題形式 | 科目A:多肢選択式(四肢択一) 科目B:多肢選択式 |
問題数 | 科目A試験:60問 科目B試験:20問 |
試験時間 | 科目A試験:90分 科目B試験:100分 |
受験日程 | 通年(任意の日程で受験可能) |
合格ライン | 60% |
受験料金 | 7,500円(税込) |
勉強時間の目安 | 情報処理の知識がある場合、50時間程度(1日3~4時間で2週間程度) 情報処理の知識がない場合、100~200時間程度(1日5~6時間を週3~4日で2ヶ月程度) |
公式サイト:基本情報技術者試験|独立行政法人情報処理推進機構
【エンジニアに必要なスキル】
エンジニアに必要なスキルには次のスキルがあります。
◆ コミュニケーションスキル
お客様の状況を正確にヒアリングし、円滑に提案するには、コミュニケーションスキルが不可欠です。
◆ システム全体を俯瞰できる技術的なスキル
設計から実現可能性の検証、運用・保守などのシステム開発に関わる仕事を舵取りするため、システム全体を俯瞰できる技術的なスキルが求められます。
◆ プロジェクト管理能力
進捗の把握を行い、トラブルなどで進捗に遅れが出そうであれば、クライアントや他部署と連絡を取り調整を図るなど、プロジェクトを管理できるスキルが必要となります。
◆ 文章作成のスキル
要件定義書、設計書、進捗報告やトラブル報告書など、システム開発では、文書作成の機会が多くあります。文書の目的や対象者によって、適切な情報の整理を行い、分かりやすく文書を作成するスキルが求められます。
【エンジニアにおすすめの資格】
システム全体を俯瞰できる技術的なスキルが求められるため、応用的な技術の資格を取得することがおすすめです。いずれの資格も応用知識を問う資格のため、まずは技術の基礎知識を問う「基本情報技術者試験」の取得を目指し、その後にチャレンジすると、効率がいいでしょう。
エンジニアを目指す方には、応用情報技術者試験がおすすめです。技術から管理、経営まで、幅広い知識と応用力が身につくだけでなく、システム開発やIT基盤構築などの局面に対応するだけの力を培うことが可能。ITエンジニアとしてのレベルアップを図りながら、高いパフォーマンスを発揮して活躍したい方は、ぜひトライしてみましょう。
対象者 | 高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立したい者 |
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ITスキル標準(ITSS) | レベル3 |
合格率 | 23.2%(令和5年度秋期) |
問題形式 | 午前試験:多肢選択式(四肢択一) 午後試験:記述式 |
問題数 | 午前試験:80問 午後試験:11問(必要解答数5問) |
試験時間 | 午前試験:150分 午後試験:150分 |
合格ライン | 60% |
受験日程 | 春期試験(4月)と秋期試験(10月)の年2回 |
受験料金 | 7,500円(税込) |
勉強時間の目安 | IT初心者の場合、500時間以上(1日2時間で7ヶ月程度) 基本情報者試験に合格した人は、200時間(1日2時間で3ヶ月程度) |
公式サイト:応用情報技術者試験|独立行政法人情報処理推進機構
応用情報技術者について詳しくはITエンジニア専門フリーランスエージェント「プロエンジニア」のキャリアアドバイザーや編集部員が担当する以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
▶ 参考記事:
就職・転職に有利な資格?応用情報技術者試験とは【2022年版】|プロエンジニア
プログラマーとエンジニアでは、適性やキャリアパスも異なります。次の項目に沿って、プログラマーとエンジニアの違いを詳しく解説します。
【プログラマーに向いている人】
プログラマーは、プログラミングをする時間が非常に長い職業です。そのため「プログラミングが好き!楽しい!」と思える人がプログラマーに向いています。具体的に、プログラマーに向いているのは次のような人です。
エンジニアからプログラマーに転職した人の体験談には、次のようなものがありました。
手を動かすことが好きな人はプログラマーはいいと思う。自分が作ったものが動いて、誰かの役に立つのはすごいやりがい。
— 田舎に住むスワン (@shmb1) December 15, 2019
出典:X
プログラマカレッジ(無料プログラミングスクール)の講師やキャリアアドバイザー、編集部員が担当する以下の記事も参考にしてください。
【エンジニアに向いている人】
エンジニアはクライアントからヒアリングした内容を基にシステムを設計する仕事です。 そのため、コミュニケーションスキルが優れている人に向いています。
クライアントだけでなく、プログラマーなどほかの工程を担当するメンバーや、複数の部門を束ねて開発を進めていくため、社内の人との円滑なコミュニケーションスキルやマネジメントスキルも求められます。
さらに、システムをトータルで見る力や提案する能力も求められるため、このような働き方に対する対応能力や成長意欲が高い人に向いているといえるでしょう。
エンジニアの仕事にやりがいを感じている人の体験談には、次のようなものがありました。
クライアントに案を提示して、仕様を決めて行く。その際に起こりうる、弊害となりうる事項に関しても考慮していく。人にわかりやすく伝える…難しいけど、仕事にやりがいがある。
— mr.taashiba (@zeitaku_bitou) June 11, 2013
出典:X
プログラマーとエンジニアは、キャリアパスにも違いがあります。
また、各キャリアパスでは企業で会社員として働くだけでなく、フリーランスとして独立する働き方も可能です。
プログラマー、エンジニアのキャリアパスについて、それぞれ詳しく解説します。
プログラマーの一般的なキャリアパスは、エンジニア(SE)です。他にも様々なプログラミング言語やインフラスキルを身に付け、フルスタックエンジニアを目指すキャリアパスやフリーランスを目指すといったキャリアパスもあります。
◆ エンジニア(SE)
もっとも一般的なキャリアパスです。プログラマーとして何年か働いた後、エンジニア(SE)の仕事を任されることが多いです。
▶ 参考:オープン系SE・プログラマフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
◆ フルスタックエンジニア
システム開発の設計から開発・運用、インフラ整備までシステム開発に関わる技術を複数持つエンジニアです。企業の規模や社風にもよりますが、フルスタックエンジニアになるには自ら様々な業務を担当する積極性が必要とされます。
▶ 参考:フルスタックエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
エンジニアの一般的なキャリアパスは、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーといったマネジメント系のキャリアパスです。他にもITアーキテクトと呼ばれるシステムの企画・立案を専門にしたスペシャリストを目指すキャリアパスもあります。
上流工程に関わっているため、キャリアパスの幅も広がり、マネジメント系からスペシャリスト系まで幅広いキャリアパスを選べます。
◆ プロジェクトリーダー
内部的なプロジェクトの管理・運営を行う職種です。プロジェクトメンバーへの指示やプロジェクト内の課題解決などプロジェクトメンバーに対して働きがけをするのが主な仕事です。
◆ プロジェクトマネージャー
プロジェクト全体を統括する職種です。予算管理から顧客折衝・人員の確保など、プロジェクト外の人と調整するのが主な仕事です。
▶ 参考:プロジェクトマネージャーフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
◆ ITアーキテクト
お客様の状況をヒアリングし、お客様の課題を解決するようなシステムを企画・立案する職種です。
IT系ベンチャー企業でのエンジニアからフリーランスエンジニアに転身した人は、次のように話しています。
自己解決力が上がりました。適度なプレッシャーがかかることで、正社員時代よりも格段にスキルアップする速度も早くなったと感じています
出典:独立を夢見て事務職からエンジニアに転職、実務経験2年でフリーランスへ。信頼できるキャリアコンサルタントに出会い、理想の案件にスピード成約|プロエンジニア
プログラマーとエンジニアでは、年収や将来性にも差があります。以下の項目にそって、プログラマーとエンジニアの違いについて解説します。
プログラマーとエンジニアの平均年収は、それぞれ次の通りです。
※算出方法:きまって支給する現金給与額×12ヵ月 + 年間賞与その他特別給与額
(企業規模計10人以上/小数点以下四捨五入)
平均年収は、プログラマーよりエンジニアの方が高くなっています。理由としては、上流工程を担当していること、プロジェクトを管理する立場であり業務の範囲が広いこと、プログラマーの年齢層が若いこと、などが挙げられます。
プログラマーの年収について、詳しくはプログラマカレッジ(無料プログラミングスクール)の講師やキャリアアドバイザー、編集部員が担当する次の記事で解説していますのであわせてご覧ください。
IT業界は、慢性的に人手不足となっている業界です。『DX白書2023』では、調査対象となったIT関連企業のうち9割近い企業が、DXを推進する人材が不足していると回答しています。
つまり、エンジニアもプログラマーも需要が高い職業であり、どちらも将来性は高いと言えます。
出典:DX白書2023|IPA
どちらを目指すか迷うなら、ご自身の適性に合う方を選びましょう。システムの構築だけでなく、プロジェクト全体がどのように進んでいるか把握しながらマネジメントするような仕事が得意なら、エンジニアとしてキャリアアップするのがおすすめです。
常に新しい技術を学び続けることやプログラミングに集中することが得意なら、プログラマーとしてスキルを磨き、エキスパートを目指すとよいでしょう。
プログラマーは、エンジニアが設計したシステムをプログラムとして実装する役割を担います。そのため、プログラミング言語やフレームワークの技術を用いて、効率的で品質の高いコードを書くスキルが求められます。
未経験からスキルを身につけるためには、次の3つの方法があります。
それぞれの詳細は、プログラマカレッジ(無料プログラミングスクール)の講師やキャリアアドバイザー、編集部員が担当する以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
エンジニアは、どのようにシステムを組み立てるかを考える役割を担います。そのため、システム開発のプロセスや手法、ツールなどに関する知識をもち、効率よくシステムを構築するスキルが求められます。エンジニアを目指すのであれば、システム開発の基礎知識や、設計・要件定義の方法論を学ばなければなりません。
「ITパスポート」や「基本情報技術者」などの資格取得を目指して学習するのもおすすめです。資格取得を目指して学習することで、基礎的な知識を網羅的に学べます。また、資格を取得しておけば、スキルや知識の客観的な証明となるため、就職活動でも役立ちます。
何から始めれば良いかわからない場合には、まず資格取得を目指してみましょう。
未経験からエンジニアを目指すためには、次の4つの方法があります。
詳細はプログラマカレッジ(無料プログラミングスクール)の講師やキャリアアドバイザー、編集部員が担当する以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
プログラミングにはさまざまな学習方法があります。しかし、独学では挫折してしまう人も多く、独学で習得するのは簡単ではありません。未経験からプログラマーを目指すなら、プログラミングスクールを活用するのがおすすめです。
未経験の場合、転職活動も簡単ではありません。スムーズに転職するためには、IT業界への転職経験者や、業界に関する知識を持った人のサポートを受けるのが理想です。
プログラマカレッジは、無料で受講できるプログラミングスクールです。基本的なプログラミングスキルはもちろん、ドキュメントの読み方やチーム開発など、実際に現場で必要な技術を学べます。
さらに、アドバイザーがマンツーマンで転職活動をサポートします。各個人にあった面接対策やビジネスマナー研修などを行い、就職率は98.3%の実績があります。
以下では実際に受講した卒業生の声をご紹介しますので、是非参考にしてみてくださいね!
【卒業生の声:和山さん】
【卒業生の声:荒山さん】
エンジニアの主な仕事は、顧客からのヒアリングをもとに設計書を作成することです。プログラマーは設計書を元にプログラムを組み、実際にシステムを構築します。両者は仕事内容が異なるため、求められるスキルやおすすめの資格も異なります。
プログラマーとエンジニアは、どちらも魅力的な職業です。自分の適性や目指すキャリアに合わせて、プログラマーかエンジニア、どちらを目指すか決めるとよいでしょう。この記事が、エンジニアやプログラマーを目指す方の参考になれば幸いです。
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