「IT業界がどんな業界なのかを知りたい」「IT業界への転職で役に立つ情報を知っておきたい」と思っている方に向けて、本記事では業界の概要やトレンドワード、求められる人物像などを解説します。また、就活前に業界の知識を身につけておくことの重要性を説明するとともに、業界の研究に役立つ本も紹介します。
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最終更新日:2023年6月8日
目次
IT業界とは、簡単に言うと、インターネットやコンピューターを活用した情報技術(Information Technology)をユーザーに提供する業界のこと。
別名「情報通信産業」とも呼ばれるIT業界は職種の種類やサービスの幅が広いため、この図のようによく地図にして例えられますが、大まかには以下の5つの業界に分けられます。
分類 | 業種 | 国内の企業数 |
---|---|---|
ソフトウェア業 | 受託開発ソフトウェア業 | 3047 |
組込みソフトウェア業 | ||
パッケージソフトウェア業 | ||
ゲームソフトウェア業 | ||
情報処理・提供サービス業 | 情報処理サービス業 | 2019 |
情報提供サービス業 | ||
市場調査・世論調査・社会調査業 | ||
その他の情報処理・提供サービス業 | ||
インターネット附随サービス業 | ポータルサイト・サーバ運営業 | 733 |
アプリケーション・サービス・コンテンツ・プロバイダ | ||
インターネット利用サポート業 |
出典:日本標準産業分類(平成25年10月改定)|総務省/情報通信業基本調査|総務省
もっとも企業数が多いのは、ゲームや組込みシステム、パソコンにインストールするソフトなどを開発する「ソフトウェア業」です。次いで「情報処理・提供サービス業」の企業が多く、その次に「インターネット附随サービス業」となっています。
近年はスマートフォンやパソコン機器などの普及が進んでいるため、それらをより便利にするためのものを作るソフトウェア業の会社が増えていると考えられます。
IDC Japanの調べによると、2022年度における国内のIT市場は20兆962億円。携帯電話の通信料金の値下げによるスマートフォンの買い替え需要や、通信インフラの増強により2021年の19兆2363億から4.5%増となっていますが、こうした背景からもIT業界に対する前向きな流れは今後も続くと言われています。
参照:
・新型コロナウイルス感染症/ロシア・ウクライナ戦争の2022年3月末時点での影響を考慮した国内IT市場予測を発表
・2022年第2四半期国内携帯電話/スマートフォン市場実績値を発表
また、新しい技術が絶え間なく生まれる大変刺激的な業界だけに現在も人材の需要が高いIT業界ですが、平成30年に経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足する可能性があるとも言われており、今後はさらに人材不足が深刻化していくと予想されています。
続いては、業種ごとの市場規模に目を向けてみましょう。
同じく、最も高いシェアを占めるはソフトウェア業。
市場規模が大きいということは、それだけ企業における売上も好調であることが考えられますし、その分高い年収も期待できます。そのため「IT業界の中でも年収の高い分野で働きたい」と考えている方は、ソフトウェア業の会社を選ぶとよいかもしれません。
IT業界に憧れや興味は持ったりしているものの、「具体的にどんな業界かは分からない」「どんな人が向いているの?」「IT業界の魅力ってどんなこと?」といったように悩んでいる就活生の方もいるのではないでしょうか?
まずは、この業界に漠然と興味を持っている就活生に向けて、IT業界の魅力について紹介していきます。
あなたが今こうして記事を読んでいる間にも、新しい技術の開発が現在進行形でどんどん進んでいます。
IT業界は、今までになかったものをITの力で実現していくことがビジネスの根底となってるため、常に時代の最先端を追いかける業界です。技術の変化が激しく、その都度学習していくことが必要ですが、最先端の技術や情報に触れられることは刺激的でもあり、働く上でのモチベーションになる人が多いでしょう。
必ずしも「転職が多い=ネガティブ」というわけではありません。どんな業界でも、短期間で転職を何度も繰り返していては当然マイナス評価になってしまいますが、IT業界、特にITエンジニア職においては、技術職という特性上、転職回数が有利に働くケースも少なくありません。
IT業界で働く技術者にとっての転職は、将来描くキャリアパスを実現したり、スキルを磨くことや、自分の市場価値を上げていくためのひとつの手段。例えば、35歳で1社経験より、35歳で3社経験している方が、複数企業でキャリアアップをしてきたという点からポジティブに評価されることもあるでしょう。
転職サイト「doda」の情報によると、IT/通信業界の平均年収は以下のとおりです。
男性の平均は460万円となっており、IT業界全体の平均年収である433万円を上回っています。女性の平均年収は379万円なので、全体の平均と比べるとやや低めの傾向に。
ただ、年代別の年収を見ると20代で361万円、30代で492万円、40代になると592万円と年齢を重ねるごとに100万円近くアップしていることがわかり、さらに50代以降は722万円と大幅に上がるので、長く働いてキャリアを積むほどに高い年収が期待できる業界である、と言えるでしょう。
ところで、なぜIT業界へ就職するために業界研究をおこなう必要があるのでしょうか?その理由は、次の3つです。
• 説得力のある自己PR文を書くため
• 深掘りすることで志望動機に深みを出すため
• 広く知っておくことで入社後のミスマッチ防ぐため
IT業界に限らず、内定を獲得するには説得力のある自己PR文を用意する必要があります。
そして自己PRに説得力を持たせるには、業界を研究して「求められる人物像・素養」を把握した上で、「自身の特徴・強み」が活かせることを記載しなければなりません。
また、IT業界のビジネスモデルや仕事内容、企業について深掘りしておくことで、より深みのある志望動機を用意できるようになります。
さらに事前に業界の研究をしておけば、入社後に「業務内容がイメージと違った」「やりたいことができない」といったミスマッチを感じることも防げるでしょう。
職務経歴書の書き方や具体的な志望動機例文については、こちらの記事も参考にしてみましょう。
では、IT業界ではどんな人が求められるのでしょうか?その特徴を3つ紹介します。
IT業界では、さまざまなことに前向きにチャレンジできる人が求められます。というのも、IT業界では常に新しい技術やサービスが生み出されており、身につけた技術やノウハウがあっという間に古くなってしまうことがあるからです。
それにプログラマーやエンジニアとして働く場合、担当するプロジェクトによっては新しい技術やプログラミング言語をイチから習得しなければならないこともあります。そのため、新しいものや技術に興味があって積極的に取り入れようとする方は、IT業界に向いているといえるでしょう。
IT業界では、柔軟性や忍耐力といったスキルも求められます。
なぜなら、プログラマやエンジニアの場合、既に持っているスキルに固執せず新しい技術をどんどん取り入れていく柔軟な考え方が重要だからです。また、柔軟性があればコーディング中に起こるトラブルにもフレキシブルに対応でき、仕事をスムーズに進めることができます。
そして、IT業界は働き方改革によって残業時間が減少傾向にあるものの、人材供給が追いついていない業界でもあるため、仕事の量も多く夜遅くまで作業することも珍しくありません。プログラミングの作業はコーディング・テスト・修正を繰り返す地道な工程もあるため、コツコツとした作業を続けられるような体力・忍耐力も重要なのです。
IT業界と言えばパソコンに向かって黙々と作業している様子を思い浮かべるかもしれませんが、意外とコミュニケーション能力も重要視されます。
というのも、多くのプロジェクトでは1人で作業するだけではなく、チーム単位で動くのが一般的だからです。例えば、仕様やコーディングの不明点を設計者に問い合わせたり、メンバーやクライアントと調整をしたりなど、さまざまな場面でコミュニケーション能力が必要とされます。
営業職や接客業ほどのコミュニケーション能力を求められることはないものの、IT業界でもコミュニケーション力が大切なことも知っておきましょう。
ここ数年のコロナ禍を経て、今までとは異なる「新しい生活様式」が定着しました。
IT業界を中心に、デジタル技術を活用したリモートワークやテレワークなどの大変革が起こりましたが、そんななか2022年のIT市場ではどのようなトレンドが生み出されたのでしょうか?
ここでは、2022年のIT業界におけるトレンドワードを8つピックアップして紹介します。
AI(人工知能)とは、人間のような知能や処理能力を人工的に再現したシステムのことです。膨大なデータからパターンを認識し、人間に似たふるまいや予測をおこないます。
AIの技術水準は年々向上しており、自動運転車やスマートスピーカー、画像認識、チャットボットなどさまざまな製品に活用されています。
DXは、簡単に言うと「デジタルによる変革」を意味する言葉です。具体的には、デジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデル、会社の業務プロセスなどを変革することで、人々の生活を豊かにする活動のことを指します。
近年はさまざまな企業がDXに取り組んでおり、オンラインでの無店舗型DVDレンタル・販売や、ドローンによる郵便物の配達など、幅広いビジネスモデルが誕生していています。
IoTは、「Internet of Things(モノのインターネット)」という言葉の頭文字を取ったもので、建物や車、電子機器、家電製品など、従来インターネットに接続されていなかったモノをインターネットに接続する仕組みを指します。
IoTの技術を活用することで、離れた場所にあるモノ(照明やエアコンなど)をスマートフォンから遠隔で操作したり、モノの状態を把握したりといったことが可能となります。
X-Techとは、AIやIoTをはじめとする最先端のITテクノロジーと、既存の業界のビジネスを結びつけて誕生した新たな製品・サービス、またはその取り組みのことです。
代表例としては、金融業界とテクノロジーをかけ合わせて生まれた「モバイル決済」や「仮想通貨」、医療業界にIT技術を導入して誕生した「オンラインでの診療予約」「電子カルテ」などがあります。
XRとは、現実世界と仮想世界を融合することで、新たな現実・体験を生み出す技術のことです。VRやAR、MRなどの先端技術の総称として使われることもあります。
主にゲームやエンターテインメントなどの分野で注目されており、博物館・展覧会といった場所でも活用されています。
※VR(仮想現実):仮想の世界を現実のように体験できるテクノロジー
※AR(拡張現実):現実世界に仮想の世界を重ね合わせて投影するテクノロジー
※MR(複合現実):現実世界と仮想世界を融合させるテクノロジー
メタバースは「超越(Meta)」と「宇宙(Universe)」を合わせた造語であり、インターネット上に構築された3次元の仮想世界のことを指します。
自分の分身である「アバター」で仮想空間に入り込み、ゲームやイベントを楽しんだり、他者とコミュニケーションをとったりすることが可能です。主にゲームやエンターテインメント、ビジネス、教育などの分野で活用されています。
Starlinkとは、アメリカの民間宇宙企業である「Space Exploration Technologies(SpaceX)」が提供する衛星通信サービスです。高度550kmという低軌道を周回する数千基の衛星を活用し、高速の通信を実現できるとされています。
2022年10月に日本でのサービスが開始されたこともあり、注目度が高まっています。
▶ 参照:SpaceXの衛星通信「Starlink」、日本の一部地域でサービス開始――アジアでは初のサービス提供国に|ケータイ Watch
NFTとは、簡単に言うと代替することが不可能な唯一無二のデジタルデータのことです。NFTによって、画像や動画、音声などさまざまなデジタルファイルに希少価値を付与できるようになりました。
NFTのデータはインターネット上のプラットフォームで売買・取引することが可能で、イーロン・マスク氏がオークションに出品したNFTには、約1億円以上の価値が付いています。
▶ 参照:イーロン・マスク氏のNFT作品、オークションで1億円突破|coindesk JAPAN
コロナ禍によって大変革が訪れたIT業界ですが、2021年から2022年の間で売上高が好調だったのはどのIT企業なのでしょうか?さまざまな業界の分析をおこなう「業界動向サーチ」によると、IT業界の売上高ランキングは以下の通りです。
出典:業界動向サーチ
上記を見ると、情報通信サービスの提供や電子機器の製造・販売をおこなう富士通とNECがトップクラスの売上を誇っています。そして3位には、データ通信やシステムの構築事業を展開する企業のNTTデータがランクイン。
そのほかには日立製作所や野村総合研究所など、日本を代表する大手のIT企業が売上を伸ばしています。
インターネットではIT業界についてのさまざまな情報を閲覧できますが、必要な知識を体系的に身につけるなら、一度書籍を読んでみるのもおすすめです。
ここでは、IT業界の研究に役立つ本を5冊紹介します。IT業界への就職を目指している方や、まずどんな知識から学ぶべきかわからないという方は、ぜひご覧ください。
💡 おすすめポイント
IT・通信業界の動向や代表的な企業・職種・仕事の魅力が掲載されているので、全体的な知識を身につけたい方におすすめです。また、IT業界における職場環境や採用実態まで記載されているため、就活生には必読の1冊と言えるでしょう。
業界構造をひと目で確認できる図版や解説もあり、コロナ以降の在宅勤務・ジョブ型採用などについての情報も掲載されています。
💡 おすすめポイント
IT・デジタルの業界に関する知識を0から学べる教科書のような書籍です。教科書とはいうものの、見やすく・わかりやすく学べるような工夫がされています。
デジタル・IT業界の最新トレンドや動向、Google・Apple・MicroSoftといった大手IT企業のビジネスモデルなども取り上げられており、就活をひかえた学生はもちろん、若手の社会人にも役立つ一冊となっています。
💡 おすすめポイント
IT業界に関する基礎がわかりやすく解説されている一冊。
IT事業者のしくみやIT技術の基本といった内容から、システムの設計・開発・導入・運用など実務に近い知識も学ぶことができます。そのため、本格的にIT企業への転職を検討している方や、IT業界でビジネスをしたい方などにおすすめです。
💡 おすすめポイント
コンテンツ業界の知識を学べる書籍であり、業界の実態や課題、最新動向、国の基本方針について豊富な資料とともに掲載されています。
さらに、多様化する業界についての考察やモバイル・Webコンテンツの今後の展開なども学べるので、映画や音楽、アニメ、ゲームなどのコンテンツを扱う企業に就職したい方におすすめです。
💡 おすすめポイント
クラウドやAI、IoT、メタバース、DX、5G、NFTなど、IT業界における最新のトレンドを一挙に学べる一冊です。IT業界のトレンドに加えて、ITの基礎や本質、コロナ禍によって変化した社会のありかたなどについても書かれており、わかりやすい図解もあるため、初心者の方におすすめできます。
掲載されている図版はPowerPointデータでダウンロードでき、ITインフラやシステム開発に関わるキーワードの解説もPDFでダウンロード可能です。
IT業界への就職に向けて、プログラミングを独学で学んでみたい方は、以下の記事も参考にしてください。
業界研究が完了したら「志望動機」を考えてみましょう。志望動機とは、「なぜこの企業で働きたいと思ったのか」という理由のこと。
その企業への熱意や仕事への理解度のほか、ポテンシャルや人柄を伝える志望動機ですが、これらは企業が最も重視するため、業界未経験者は次のポイントに留意してまとめてみましょう。
詳細は各リンク先で解説していますが、就活において、志望動機は「自己PR」と同じくらい重要視される質問事項です。面接は履歴書や職務経歴書に書かれた内容を元に進むので、一貫性を持ってまとめておくと良いでしょう。
以下の記事では、IT業界への志望動機例文とNG例文について専門のキャリアアドバイザーが解説しているので、ぜひ参考にしてください。
今回はIT業界に転職する前に知っておきたいことや未経験からの転職事情、おすすめの職種、向いている人の特徴などについて解説しました。
IT業界は人手不足が深刻化しているので、未経験からでも就職することは可能です。ただし、未経験の場合は若いほど有利になり、年齢を重ねるごとに転職の難易度が上がってしまうので早めに行動することをおすすめします。
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