世の中には「自分は高卒者だからお給料が上がらないのか?」と悩む方もいるようですが、日々どれだけ頑張っても昇給しづらいのは大卒者も変わらないのが現実です。本記事では、どんなに成果を出しても給料が上がらない理由や大卒者の平均年収が高卒者よりも高い理由について図解付きで解説。高卒者のお給料が高い職種やと将来性のある仕事と業界のほか、高卒者がお給料を上げる方法や手堅く昇給を狙う方法についてもお伝えします。
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最終更新日:2023年8月2日
目次
「先月あんなに働いたのに、今月のお給料はたったこれだけ…」
「正社員になれば高いお給料がもらえると思っていたのに、意外と少ない…」
「入社して結構経つのに、年収が300万円前後のまま一向に上がる気配がない…」
こんなふうに思っているのは、高卒者も大卒者も同じですが、「なぜお給料が上がらないんだろう?」と考えても、なかなか答えが見つからない方も多いのではないでしょうか?
働くことに関する問題、とりわけ「お給料」に関する問題については、人を雇う側の企業と雇われる側の従業者とではまったく考え方が異なりますが、どれだけ働いてもお給料が上がらない主たる理由は、日本で20年以上続いている「デフレ」が原因です。
デフレとは「デフレーション(英: Deflation)」の略で、物価が持続的に下落していく経済現象のこと。
モノが売れなくなると物価が下がり、その結果、企業の収益が減少し働く人たちのお給料が下がる。
この図のような経済の悪循環を「デフレスパイラル」と呼びますが、もしかしたらみなさんも昔、学校の授業で耳にした記憶があるかもしれませんね。
もちろん理由はこれだけではありませんが、特にいまはコロナの影響で生活費も下がり続け、それにともなって労働力の価値も下がり続けているため、結果、高卒・大卒といった学歴に関係なく、社会全体において平均給料が下がっているのです。
では、日本国内で働く人たちのお給料は、この30年間でどれだけ下がってしまったのでしょうか?
国税庁の民間給与実態統計調査結果をもとに、各年代の平均年収を算出したところ、以下ような結果に。
平均年収 | 1990年代 | 2000年代 | 2010年代 |
---|---|---|---|
約455万円 | 約439万円 | 約420万円 |
参考:民間給与実態統計調査結果(平成9年~令和元年)|国税庁
10年間ごとの平均年収を比較すると、1990年代から2000年代の10年間で約16万円、2000年代~2010年代で約19万円も下がっています。
参考:民間給与実態統計調査結果(平成9年~令和元年)|国税庁
さらにくわしい推移をグラフ化してみると、平均年収のピークは1997年の467万円。そして2008年9月のリーマン・ショックで急激に下がり、その後一時的には回復したものの、ここ30年の間に民間の平均年収はおよそ35万円も減っているのです。
この金額を月収に換算すると、30年間で日本人の給料は1ヶ月あたり約3万円も減収しているということに。
また昨年末、日本労働組合総連合会が全国の18歳~65歳の被雇用者1,000名を対象にリサーチ*1 したところ、「コロナ禍の影響で、今年の賃金総額が減る見通しである」と答えた人は29.9%。
さらに帝国データバンクが2021年度に実施した企業の意識調査*2 によると、「賃金改善はない・わからない」と答えた企業は58%で、そのうち7割が「新型コロナウイルスによる自社の業績低迷」を理由に挙げています。
とはいえ、賃金改善を見込む企業も42%ほどあるので、昇級を見込める可能性もゼロではないですが、こうした社会情勢からも、日本の経済が再び活性化し、誰もが満足するお給料を手にできる日がくるのは、もう少し先の未来となるかもしれません。
*1:コロナ禍における雇用に関する調査2020|日本労働組合総連合会
*2:帝国データバンク「2021年の景気見通しに対する企業の意識調査」|PR TIMES
さて、年功序列制度にかわって成果主義が人事制度に導入されつつある、と言われてしばらく経ちますが、
「こんなに成果を上げたのに昇給する気配がない」
「あんなに実績を出したのに給料が1円も上がらない」
「もしかしたら、自分が高卒者だから評価されないんじゃないか?」
…と考えながら、日々モヤモヤした気持ちで働いている人も多いのではないでしょうか?
でも、残念ながら日本企業のほとんどは、成果や実績を上げればお給料がUPするわけではないのです。
こちらは、企業側が社員の基本給を決めるときに最も重要視する要素を表した図です。
出典:賃金事情等総合調査/令和元年賃金事情等総合調査 令和元年賃金事情調査|政府統計の総合窓口(e-Stat)
このグラフをみると、社員の基本給を決めるにあたって、「業績・成果等」は3.7%しか考慮されないことがわかります。
一方、それよりも重視されているのは「職務内容・職務遂行能力等」。また「総合判断」が47.8%も占めていることから、実際は経験によって培われた能力や、その人の社会人基礎力を考慮したうえで給料が決められていることがわかるでしょう。
「社会人基礎力」とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱したスキルのこと。「前に踏み出す力」・「考え抜く力」・「チームで働く力」の3つの能力で構成され、人生100年時代においては欠かせないスキルと言われています。
したがってこれら3つの能力をバランスよく発揮しながら会社に貢献し、自ら積極的にキャリアを切り開いていけば、年収アップにつながる兆しが見えてくるかもしれません。
そうは言っても、「高卒者と大卒者では、学歴による給料差があるから不公平だ」と考えている方も中にはいることでしょう。
そんな両者の平均年収を20代の男女別に比較してみると、このような結果となりました。
大卒・大学院卒 | 高校卒 | |||
---|---|---|---|---|
年齢 | 20代前半 | 20代後半 | 20代前半 | 20代後半 |
男子 | 229.2万円 | 266.4万円 | 203.0万円 | 233.4万円 |
女子 | 224.8万円 | 249.9万円 | 186.4万円 | 198.3万円 |
20代前半では、大卒男子と高卒男子の平均年収差は、26.2万円。20代後半になると、その差は33万円にもおよびます。
また女子の場合、大卒者と高卒者の平均年収差は、20代前半で38.4万円。
そして20代後半では、51.6万円もの開きがありますが、統計上、学歴別に平均年収の差が出るのは「東京在住の大卒者が多い」ことも大きな理由です。
文部科学省が発表した「令和2年度 学校基本調査」によると、東京23区内に住む大学生の割合は全国の38.4%。また首都圏全体だと、全体の5割近い大学生が都心部に集中していることがわかります。
出典:学校基本調査 / 令和2年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 学校調査 大学・大学院|文部科学省
加えて、大学卒業後は平均賃金の高い関東近県の大手企業に就職するため、首都圏以外の地域でも働く人が多い高卒者と比べて、大卒者の平均年収が高くなるのです。
転職・求人doda(デューダ)が2020年に発表した47都道府県の年収ランキングでも、平均年収が最も高かったのは東京都の444万円。この年収額は全国平均の409万円より35万円も高いことから、データ上では大卒者の年収が自ずと高くなっていることも頷けるでしょう。
大卒者の初任給が高卒者よりも高い理由については、以下の記事で解説しています。
大卒者と高卒者の違いについてさらにくわしく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみましょう。
とはいえ、大卒者の平均年収が高卒者よりも上回っているのは、あくまで統計データ上でのこと。
世の中には、高校卒業後にたった一人で企業を立ち上げて大成功を収めている方もいますし、たとえ大学を卒業しても、あえて正社員として就職せずにフリーターとして働く人だって大勢いるのです。
したがって、業界と職種選びさえ間違わなければ高卒者であっても大卒者に負けない額の高収入を得ることは十分に可能ですが、高卒者のお給料が高い仕事とはいったい何でしょうか?
高卒者の平均年収が高い職種をランキング形式にまとめたところ、以下のような結果となりました。
順位 | 職種 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 営業職 | 418万円 |
2位 | IT系技術職 | 237万円~314万円 |
3位 | 事務職 | 297万円~306万円 |
4位 | 介護士 | 294.8万円 |
5位 | 販売・サービス業 | 274~303万円 |
6位 | 公務員(一般職) | 239万円 |
また、コロナ不況に負けない高卒者の就職先におすすめな将来性のある業界と仕事は、次の8つです。
• 【IT/通信】プログラマー・テクニカルサポート・ヘルプデスク
• 【ゲーム/動画】プログラマー・ゲームクリエイター・映像制作
• 【ネット通販】ECサイト運営・受注/出荷管理・顧客対応・事務
• 【ドラッグストア】商品管理・経営企画・薬剤師・接客・経理・事務
各職種についての詳細は、それぞれのリンク先で確認してみましょう。
でも高校を出てすぐに働くのであれば、大卒者より4年も早く社会人になるぶん、できるだけ早いうちから高収入を稼げるようになったら嬉しいですよね。
ここでは、高卒で就職した人が年収を上げるための方法を4つほど解説します。
就活前に読んでおきたいおすすめの本もご紹介するので、これから就職する方も現在転職を考えている方も、ぜひ参考にしてください。
まず1つ目は、専門スキルを身に付けて自分の市場価値を高めることです。
ここで言う市場価値とは、ビジネスの場において、どれだけ必要とされている人材なのかということ。
会社の仕事とは、一般的に「需要」と「供給」の関係で成り立っているので、自分が勤めたい業界の動向をしっかり見極めてスキルを積んでいくことも、自らの市場価値を高めるためには必須。
また専門的なスキルが高い人になればなるほど、その人にしかできない仕事が多くなり、結果として貴重な経験を得られる機会も増えていきます。
こうした体験は仕事の実績だけでなく自分の自信にもつながるので、専門スキルが高い人ほど将来的にも会社の組織や景気に左右されない自由な働き方を選べる傾向に。
とはいうものの、いきなり「自分の市場価値を高めろ」と言われても、これから目指す方向性が決まっていない方であれば「何をどう高めたらいいの?」と思いますよね。
もしまだ働いてみたい業界に出会っていないのであれば、未経験から手に職を付けて働けるIT業界がおすすめです。「でもどうやって目指せばいいの?」と思われた方は、ぜひ一度IT業界の就職専門家に相談してみましょう。
高卒で就職を目指す女子にとって、就活が有利になる人気の資格については、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
▶ 参考:
• コーダー/マークアップエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• オープン系SE・プログラマフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• スマホアプリエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
2つ目は、学歴不問で採用している自分に合った業界の企業に就職することです。
業界によっては、大卒者を優遇する企業もまだまだ数多くあります。
また自分に合った業界を見極めずに就活すると内定をもらいにくくなるだけでなく、入社する業界を一歩間違えると、たとえどんなにあなたが優秀であっても、将来的に年収を上げることすら難しくなる可能性も。
そのため、就職活動を始める前には「自分にはどんな業界が適しているか」を冷静に見極めることが重要です。
高卒男女の就職先としてもおすすめな将来性のある職種や職業については、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
そして3つ目は、自分の軸をしっかりと持ち、自らの考えでオリジナルの答えを出す習慣を身に付けることです。
10代や20代だけでなく、30代40代と年を重ねてもなお仕事や生き方の方向性に悩む人のほとんどは、若いうちから他人と比較することを軸にしながら生きてきたため、大人になっても自分軸を持ち合わせていないことも原因のひとつ。
「どのような状態でいると自分は幸せを感じるのか?」
「将来どういう自分でありたいか?」
「そのためにはいま何ができるのか?」
このようなイメージや気持ちをあなた自身が把握していなければ、具体的な仕事の目標だけでなく、将来的なキャリアプランを立てること自体が困難になる可能性もあるでしょう。
とはいえ、今はコロナの影響により自分が思った通りに行動を移せない場合もあるかもしれません。しかしそんな状況だからこそ、” 自分軸を見つける ”ためには、こうして自問自答しながら自分の内面と向き合う行為が必須です。
特にいまは、自分が興味のあることや好きなことをとことん突き詰めていくと、そのまま仕事につながりやすい時代。そのためにもまずは自分軸をしっかりと持ち、あなただけのオリジナルストーリーを描いてみましょう。
「でも自分が何をやりたいのかなんて、全然思い付かない…」
「自分軸については何となくわかったけど、それを仕事に活かす方法がわからない…」
という方も意外と多いかもしれません。そんな方は、職業人生の設計方法がわかる本を読んでみるのもおすすめです。なかでもYouTubeやAmazonでも評価が高い書籍は、こちらの一冊。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
▸北野 唯我(著)
▸内容(「BOOK」データベースより)
転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」である。一生食えて、心から納得のいく仕事を見つける方法。
▸単行本(ソフトカバー):260ページ
▸出版社:ダイヤモンド社 (2018/6/21)
▸発売日:2018/6/21
出典:Amazon
本のタイトルには「転職の思考法」とありますが、これから新社会人となるみなさんが就活する前に知っておくと有益な情報がたくさん載っています。
気になる口コミは、以下のとおり。
- 「もし可能ならば『キャリアがスタートするタイミング』において全ての人にこの本を手に取ってほしい。この本で説明されている内容を理解しているか否かで人生が180度変わる事だってあり得ると思うから」(20代男性・学生)
- 「企業という組織の体勢、出世構造、マーケットバリューのつくりかた。1つ1つが構造化されて、文系脳でも手に取るように分かりやすく説明されています。転職した人も、これから社会に出る若者にも読んでほしい」(20代女性・メーカー)
- 「小説形式だからとても読みやすかったです!『上司ではなくマーケットを見て働く』という部分、まさに! と思いました」(30代女性・3児の母として専業主婦→HRベンチャー)
この書籍によると、”人間には「何をするか」に重きをおくto do型の人間と、「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視するbeing型の人間がいる” とのこと。
そのうち99%の人間がbeing型であるため、”「心からやりたいこと」がなくても悲観する必要はまったくない” と語られています。
そんなbeing型の人間が仕事を楽しむための2つの条件は、自分の市場価値を高めることと、迷ったら自分を嫌いにならない選択肢を選ぶこと。
さらに具体的な市場価値の高め方や「一生食える」仕事を確保するためのステップのほか、心から納得のいく仕事の見つけ方も解説しているので、就職や転職で悩んでいる方は、新たな視点で考えるための思わぬヒントがきっと見つかるはずですよ。
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