ITコラム

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スキルアップ

2020.09.11

【2020~2021年版】IT業界の将来性。今後の課題と新たなトレンドを探る!

新型コロナウイルス蔓延による世界的な不況、オリンピック開催延期など、さまざまな出来事があった2020年。IT業界の今後や将来性は一体どうなるの?と不安を抱えている人に向けて、ウィズコロナ・アフターコロナの時代をIT業界はどう乗り越えていくのかをまとめました。市場動向やITトレンドをいち早くキャッチしたいという方も必見です。ぜひご覧ください。

最終更新日:2020年11月2日

目次

1. IT業界の基礎知識
 1-1. 【IT業界の現状】市場規模
 1-2. 【IT業界の現状】労働者数
 1-3. 【IT業界の現状】市場全体は比較的堅調に推移
2. 【ポイント】2020年~2021年のIT業界の今後・トレンド
 2-1. 新型コロナウイルスの影響・課題
 2-2. テレワーク・リモートワークの定着
 2-3. 5Gの普及・本格展開に遅れ
 2-4. 中国発アプリ・クラウドの排除が世界的に進む
 2-5. 「DARQ」が技術トレンドを推進
3. 【市場環境編】2021年以降のIT業界の動向・課題を予測
 3-1. コロナによる巣ごもり需要の増加
 3-2. マイナポイント事業によるキャッシュレスのさらなる普及
 3-3. 越境ECのBtoB利用の増加
 3-4. セキュリティ投資の増加
 3-5. 広告モデルに依存するメディアやサービスの苦戦
4. 【テクノロジー編】2021年以降のIT業界の動向・課題を予測
 4-1. 量子コンピュータの普及開始
 4-2. 2030年までに没入型エクスペリエンスが主流に
 4-3. ローカル5Gの法人利用の推進
 4-4. 衛星インターネットの実現による情報格差解消
 4-5. リモートでDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できる仕組みに期待
5. 【2020年~2021年】IT業界で有望な職種
 5-1. クラウドエンジニア
 5-2. 情報セキュリティマネジメントスペシャリスト
 5-3. AIエンジニア
6. まとめ

1. IT業界の基礎知識

まずはIT業界の現状を基礎知識として知っていきましょう。今を知ることは将来を見据えた働き方を考える上でとても大切です。

1-1. 【IT業界の現状】市場規模

出典:国内企業のIT投資に関する調査を実施(2019年)|矢野経済研究所

国内民間企業の2018年度IT市場規模は、前年度比2.9%増の12兆5050億円。IT投資に対する前向きな流れは、今後も続くと言われています(矢野経済研究所「国内民間IT市場規模推移と予測」を参照)。デジタルを活用して企業やビジネスに新しい価値をもたらせる『デジタルトランスフォーメーション(DX)』への取り組みが進んでいることが背景にあると言われており、今後もIT市場規模は広がりを見せていくことでしょう。

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1-2. 【IT業界の現状】労働者数

出典:IT人材需給に関する調査(概要)|経済産業省

国勢調査による2015年の調査では、IT人材数は約99.4万人。2010年の調査と比較すると、7.5万人程労働者数が増加しています。その後も増加傾向が続いており、コロナ不況となる2020年以前の予測では、2030年まで増加が見込まれると言われていました。

参照:IT人材需給に関する調査(概要)|経済産業省
参照:ITエンジニアは人材不足?2020年問題って何?人材不足の理由や原因は?|ARMASEARCH


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1-3. 【IT業界の現状】市場全体は比較的堅調に推移

業界動向サーチ「IT業界の現状と動向(2019年版)」によりますと、マイナンバーの導入や金融機関のシステム更新など、大型案件の需要が堅調に伸び、IT業界は成長傾向です。景気が良くなりしばらくすると需要が増えるなど、IT業界は若干の遅行性をもって景気の動向に左右される側面があります。そのため、コロナ禍においての影響は現段階では堅調に推移していますが、のちに影響が及ぶ可能性も今後はあると考えてよいでしょう。

参照:IT業界|業界動向サーチ


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2. 【ポイント】2020年~2021年のIT業界の今後・トレンド


次に2020年~2021年のIT業界の今後・トレンドをみていきましょう。

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2-1. 新型コロナウイルスの影響・課題

何と言っても2020年は 新型コロナウイルスの影響を大きく受けた年でありました。IT業界はコロナ禍において、どのような影響を受け、どのような問題が起きているのかを下記にまとめました。
 

◆ 新型コロナウイルスのIT業界全体への影響・課題

チャットプラスの「新型コロナウイルスによる各業界への影響調査」(2020年7月調べ)によると、影響を強く受けた業界トップ3は『IT・通信(含むゲーム)』『小売(含む店舗系、アパレル、百貨店、飲食、コンビニ)』『製造・メーカー』。IT業界は残念ながら1位にランクインしています。

ウィズコロナのサービスを扱う事業が伸びている反面、SI事業者やSES、小規模なフリーランスなどが打撃を受け、二極化が進んでいる状態です。

ウィズコロナのサービス事業に関しては伸びていると言われる一方で、メディア事業や広告事業は減益となっているケースもあり、一概にプラスであるとは言い切れません。特にメディア事業は、自粛期間に人びとのメディア接触時間が増え、ユーザー数やページビュー数は増加しているにもかかわらず、広告単価(ユーザーあたりの売上やページビュー単価)が落ちる傾向に陥っています。

参照:【IT業界、実は廃業も多かった】新型コロナウイルスで倒産・廃業している業界と、使われた補助金を徹底調査!プラスの影響を受けているIT業界は、実は廃業も多かった!?|PR TIMES



 

◆ 新型コロナウイルスのGAFAMへの影響・課題

GAFAMとは、IT業界を代表するグーグル(G)、アップル(A)、フェイスブック(F)、アマゾン(A)、マイクロソフト(M)のことを表します。世界的に影響力と知名度を持つGAFAMも、コロナ禍において影響が出ました。

4~6月期決算で「増収増益」となったのは、アマゾン、アップル、フェイスブックの3社。

マイクロソフトは「増収減益」で、グーグルを子会社にもつAlphabet Inc.のみ2004年の上場以来初めての「減収減益」となりました。新型コロナウイルス感染症の影響で同社収益のほとんどを占める広告の市場が衰退したことが要因とされています。

参照:【3分グラフ】GAFAM決算の明暗を分けた「広告」By谷口健|NewsPicks
参照:Alphabet決算、Google上場以来初の減収 コロナ禍による広告減で|ITmedia NEWS



 

◆ IT業界への本格的な影響はこれからか

出典:新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年3月)|帝国データバンク

前述したように、IT業界は景気変動が遅れて現れる業界です。IT業界への本格的な影響はこれからではないかと予測されています。

帝国データバンクが公表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年3月)」によると、情報サービス業の506社のうち43.9%が業績に”今後マイナスの影響がある” との回答結果が出ました。

2020年夏時点では、減収減益だったにも関わらず業績を堅調に確保できたとサイバーエージェントが発言するなど、まだまだ影響が少ないようですが、徐々にIT業界でも影響が広がっていくことが予想されます。

サイバーエージェントは2020年4~6月期の連結決算が売上高1128億円(前年同期比0.7%減)、営業利益82億円(同12.3%減)と減収減益だったにも関わらず、”巣ごもり需要” によりメディア事業のWAU(週当たりのユーザー数)が増加。緊急事態宣言の解除後も好調に推移し、業績を堅調に確保

参照:新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年3月)|帝国データバンク
参照:新型コロナ不況がIT技術者を襲う、新人の稼働率と求められる人材像が様変わり|日経 xTECH
参照:サイバーエージェント、コロナ禍の3Qは「思ったより堅調」 「ABEMA」は宣言解除後もユーザー増|ITmedia NEWS


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2-2. テレワーク・リモートワークの定着


全業種でテレワーク・リモートワークが定着したことは、ウィズコロナの生活様式における大きな変化のひとつではないでしょうか。緊急事態宣言前後からテレワーク・リモートワークを取り入れる企業が急増し、半年も経たない間に一挙にビデオ会議ツールやクラウドを活用したリモートワークが定着しました。

緊急事態宣言解除後も、西村康稔・経済再生担当大臣が「社員のテレワーク率70%達成」をあらためて目指すよう、経済界に要請する考えを明らかにしています。

Zoomの日本法人であるZVCジャパンも、テレワーク・リモートワークの需要拡大を見越して2021年末に従業員数を20年7月下旬時点比約3.6倍の160人に増員する見通しです。

今後も引き続きテレワーク・リモートワークはウィズコロナ時代の生活様式として浸透していくことでしょう。
 
また、テレワーク・リモートワークの定着は、人びとの住まいに対する考えにも変化をもたらしています。

総務省公表の5月の人口移動報告(外国人含む)では、東京都は転出が転入を1069人上回り、人口流出に当たる「転出超過」となりました。

テレワークの常態化により、「都内に住まなくても働ける」「家で仕事をするのであれば自然環境を重視した場所に家を構えたい」という考えを持つ人が増えたことが一因と思われます。コロナによるテレワーク・リモートワークの定着が、これからの働き方や住まいに対する考え方を見直すきっかけとなっているようです。

参照:コロナによって東京都の人口減少が早まる? テレワークなら都心やその近郊に住む必要性は|ITmedia NEWS
参照:「Zoom」需要は止まらない。日本法人が人員3倍に、営業・サポート大幅拡充|ニュースイッチ
参照:「テレワーク率」を中央省庁に総直撃!民間には7割要請も…|FLASH


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2-3. 5Gの普及・本格展開に遅れ

コロナによる外出自粛の影響を受け、2020年3月に商用利用がスタートした5Gの普及と本格展開に遅れが生じ、4Gからの移行が通信各社の想定通りに進まない状態となっています。携帯電話大手企業によるスマートフォンなどの端末販売は、2020年4~6月期は前年同期比1~3割減となりました。

移行に遅れが生じているものの、総務省が公表した情報通信白書では、今後新型コロナウイルス流行の影響でデジタル技術の普及が加速すると予測。リモートワーク・テレワークの普及によりデジタル化が推進され、超高速通信ができる5Gは不可欠になるのではないかと指摘しています。
ソフトバンクは2023年までに6割の普及を目指すといいます。

華やかなスタートにはなりませんでしたが、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えて、5Gはじわじわと普及を進めていくことになるでしょう。

参照:2020年に向けた社会全体のICT化推進|総務省
参照:5Gスマホ、コロナ禍で売れず 割安端末などで商戦転換|ITmedia NEWS
参照:新型コロナでデジタル化加速 5G普及を予測―情報通信白書|時事ドットコムニュース
参照:「スマホ3000万契約」「5G比率6割」―ソフトバンク宮内社長が2023年度までの目標を示す 達成は今後のiPhone次第?|ITmedia


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2-4. 中国発アプリ・クラウドの排除が世界的に進む

出典:TikTok

安全保障上のリスクを危惧して、TikTokやWeChat、ファーウェイなど、中国発のアプリやクラウド、通信機器の排除が世界的に進んでいます。

中国では、米国企業が開発したアプリも規制されている背景から、WeChatやAlipayが手がける日常生活のあらゆる場面で活用できる統合的なアプリ「スーパーアプリ」が国内で普及するようになりました。

出典:WeChat

スーパーアプリとは、メッセージングやソーシャルメディア、決済、送金、タクシー配車、飛行機やホテルの予約、Eコマースまで、スマホで一般的に行われるサービスがすべて詰まっている非常に利便性の高いアプリです。他国でもスーパーアプリの開発に取りかかる企業が増えており、日本ではLINEがヤフーとの経営統合によって、日本版のスーパーアプリを目指しています。

出典:HUAWEI

中国発アプリが規制され、コロナによる世界的不況が広がる状況下でも、中国はすでにGDPがプラスに転じ始めています。スーパーアプリの普及などが功を奏したこと、いち早くコロナを押さえ込めたことが要因となっているのでしょう。Googleなどの大手企業でさえ減収減益に陥るなか、いち早くコロナから立ち直る力が中国のIT市場にはあると伺えます。世界有数のIT大国であるといっても過言ではないでしょう。新型コロナの影響を受け、今後IT業界の勢力図がどう変わっていくのか注目が高まっています。

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2-5. 「DARQ」が技術トレンドを推進

2019年、今後3年間でビジネスに大きな影響をもたらすテクノロジートレンドを予測した年次調査レポート「Accenture Technology Vision 2019」にて、DARQが技術トレンドを推進する「ポストデジタルの時代」が到来すると説明され、話題となりました。

DARQとは

D:分散型台帳(distributed ledgers)
  ビットコインなどの仮想通貨を支える技術

A:人工知能(artificial intelligence)
  AIに関する技術

R: 拡張現実(extended reality)
  現実を拡張するVRやARの技術

Q:量子コンピューティング(quantum computing)
  驚異的な計算スピードのコンピューティング

 
これまでは、SMACと呼ばれる技術群が企業のデジタル変革を推進してきましたが、SNSが浸透し、シニア世代にも携帯が普及。誰もがスマホを使って世の中の動向を検索でき、個人のバックアップにクラウドサービスが当たり前のように使用され、私たちの生活は”SMACが当たり前にある” ものへと変化しました。こうしたSMACの定着を基盤に、DARQは新たなITトレンドとして注目を浴びています。

SMACとは、S:ソーシャルネットワーク(social)、M:モバイル(mobile)、A:アナリティクス(analytics)、C:クラウド(cloud)のこと

参照:【2019年最新テクノロジートレンド】DARQ(ダーク)って何?|おっくぶろぐ
参照:ポストデジタル時代は「DARQ」が差別化要因に–アクセンチュアが技術トレンド|ZDNet Japan


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3. 【市場環境編】2021年以降のIT業界の動向・課題を予測


次に、市場環境の点からIT業界の今後の動向や課題を探っていきましょう。

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3-1. コロナによる巣ごもり需要の増加

新型コロナの影響で、2020年は巣ごもり需要が急増しました。

米Amazon.comはコロナ禍の巣ごもり需要の高まりを受け、第2四半期(4~6月)の決算が、前年同期比40%増の889億1200万ドルの売上高、純利益は100%増(2倍)の52億4300万ドルと発表しました。
国内でもDeNAが第1四半期(4~6月)の連結決算が、最終利益99億200万円(前年同期比304.7%増)と大幅な増益を達成しています。

アマゾンはオンライン販売やアマゾンプライムなどのサブスプリクションサービスが好調。DeNAはゲーム事業やライブストリーミング事業の好調が増収の要因となりました。

WHOが新型コロナウイルスワクチンが「見つからない」可能性もあると警告していることから、今後も新しい生活様式に適したサービスの需要が高まることでしょう。
ECや宅配、ゲーム、ライブストリーミング、動画配信などは引き続き高い需要が集まるとみています。

参照:Amazon決算、コロナ禍の巣ごもり需要で大幅な増収増益 プライムデーはQ4開催と認める|ITmedia NEWS
参照:DeNA、第1四半期の営業益は442%増の125億円…ゲーム事業とライブストーミング事業が好調、SHOWROOM売却益も押し上げ|Social Game Info
参照:新型ウイルスワクチン、「見つからない可能性も」WHOが警告|BBCニュース


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3-2. マイナポイント事業によるキャッシュレスのさらなる普及

出典:マイナポイント|総務省

今後はマイナポイント事業によるキャッシュレスの普及が進むと考えられています。
コロナウイルス感染対策の一環として、 非接触サービスに需要が高まっていることが要因です。

トリップアドバイザーがおこなった調査によると、インバウンド市場で”非接触サービス” の需要が大きくなっているとの結果が出ています。
コロナへの感染を危惧し、イギリスで51%、シンガポールで66%の人々が「旅行先を決める上で”非接触決済の普及” を重視する」と回答しました。
日本では13%とまだ需要は低めですが、今後マイナンバーカードの普及にともない、非接触決済は今以上に普及していくことでしょう。

将来的にはインバウンド需要の復活の材料として、期待できるサービスとなるのではないでしょうか。

マイナポイントとは、マイナンバーカードを使って予約・申込し、キャッシュレス決済サービスで買い物やチャージをすると、利用金額の25%が還元されるポイント制度のこと

参照:マイナポイント|総務省
参照:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する旅行者調査(更新版)|トリップアドバイザー


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3-3. 越境ECのBtoB利用の増加

出典:eBay

新型コロナウイルスの影響で、従来であれば日本に買い付けに来ていた海外のバイヤーに渡航制限がかかり、買い付けができなくなっていることから、世界最大級の越境EC・ネットオークションサイト「eBay」での買い付けが増えています。

このようなBtoB(企業間取引)での越境ECが盛んになったことで、オートパーツやカーアクセサリーなどの大型商品や高単価商材、中古品の取引などが増えているようです。

またBtoCも、買い物で気分をリフレッシュしようとするリテールセラピーの流れから、高単価商材の取引が続いています。

こうした越境ECの需要拡大の中で、日本はオルビスがウェブサイトの多言語対応を実施。コロナからの回復傾向を示している中国市場へ向けて、展開を始めています。

BtoB(Business to Business)とは、企業間取引を意味し、企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取引のこと
BtoC(Business to Consumer)とは、企業が個人に対して商品・サービスを提供する取引のこと

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3-4. セキュリティ投資の増加

テレワークやリモートワークが拡大するなかで、セキュリティへのリスクを感じ、セキュリティ投資に目を向けている企業が増えています。

社内の整備されたセキュリティ環境で業務を行なっていた以前と比べ、テレワークやリモートワークでの業務は、情報漏えいやマルウェア感染などのリスクが高いのがネック。社外にいても安心して作業のできるセキュリティ環境を整えることが、多くの企業の課題となっています。

デル・テクノロジーズが、国内中堅企業を対象として今年6月に実施した「テレワークやBCP(事業継続計画)などに関するIT動向調査」の結果によると、およそ1割の企業がテレワークの継続を断念し、6割の企業が業務システムへのセキュアなアクセス手段が十分に準備されていなかったと回答しています。

テレワーク環境からメール以外の社内システムに接続できない企業が全体の60.7%を占めており、オフィス出勤と同等レベルの業務を継続するために、今後、企業のセキュリティ投資が盛んになっていくでしょう。

参照:デル・テクノロジーズ、約470社の国内中堅企業を対象にした「IT投資動向調査追跡調査」の最新結果と追加支援施策を発表


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3-5. 広告モデルに依存するメディアやサービスの苦戦

ネット広告大手のサイバー・コミュニケーションズ調べによると、企業の6割がコロナウイルスの影響でネット広告費を削減しているといいます。
レジャー業界などのコロナの影響が大きい企業、大型広告主が特に広告費を削減。広告モデルに依存するメディアやサービスは、苦戦を強いられています。

たとえばYouTubeはコロナウイルス感染拡大後、個人や企業、芸能人などの配信者数が物理的に増えたことにより広告を配信できる枠が増えた一方で、出稿を控える広告主が出たため需給バランスが変わり、アドセンス単価が下落する状況に陥っています。

参照:新型コロナ禍における2020年上期インターネット広告市場動向および2020年下期業種別出稿動向予測を発表|CCI


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4. 【テクノロジー編】2021年以降のIT業界の動向・課題を予測


コロナ禍において、テクノロジーにはどんな動向や課題が予測されるのでしょうか。

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4-1. 量子コンピュータの普及開始

東京大学は2020年7月30日、量子コンピューティングをはじめとする量子技術の社会実装を産官学で推進することを目的とした「量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII協議会)」を設立したと発表しました。

半導体でない原子を記憶素子として活用する量子コンピュータは、スーパーコンピュータを凌駕する計算能力で、新物質や新薬開発、金融、物流など、幅広い分野で活用が期待される先端未来型コンピュータです。

量子コンピュータが古典コンピュータを超えるのは、一部の応用事例であれば、数年後には起こり得ることでしょう。

参照:東大が量子技術の社会実装に向け協議会設立、トヨタや日立など製造業も参画|MONOist
参照:数年後に古典コンピュータを超える量子コンピュータ、IBMは事業化に舵を切る|MONOist


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4-2. 2030年までに没入型エクスペリエンスが主流に

Ericssonが実施した「10 Hot Consumer Trends 2030」という調査によると、2030年までに没入型エクスペリエンス(XR体験)が主流となり、現実と区別できなくなると考えてしまうような技術が発展すること言われています。

この調査は、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、5G、オートメーションなどの技術によって実現される「internet of senses」(感覚のインターネット)の到来を予測したもの。

既に今現在、アメリカのスタートアップでは高価なヘッドセットがなくてもVR空間でミーティングに参加できる試みが進んでおり、Spatialが完全無料で提供をはじめています。
全く別の場所にいても握手できる環境が、整いつつあるのです。

参照:10 Hot Consumer Trends 2030|Ericsson


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4-3. ローカル5Gの法人利用の推進

前述したように、2020年3月に携帯キャリアが相次いで5Gの商用サービスを開始し、いよいよ国内でも5Gによる通信を誰でも活用できるようになりました。
しかし、コロナによる外出自粛の影響を受け、5Gの普及と本格展開が遅延。多くの人が5Gを活用できるようになるには、しばらくは時間を要するでしょう。

とはいえ、エリア限定で展開する5Gのネットワーク「ローカル5G」においては、既にビジネス活用の分野で大きな盛り上がりを見せています。
従来ビジネスで活用される無線ネットワークといえば、Wi-Fiが多くを占めていました。
しかし、大規模な工場や屋外をカバーするのにWi-Fiは不向き。
その点、5Gはもともと携帯電話向けの通信規格であるため、広範囲をカバーすることに長けており、さらに高速大容量、超低遅延、多数同時接続といった魅力が満載。
Wi-Fiの代わりにローカル5Gを活用しようという企業が増えてきています。

独立したネットワークであることから、災害が発生したり、大きなイベントが開催されたりした際も、外部環境に左右されることなく使用できることが最大のメリットと言われています。

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4-4. 衛星インターネットの実現による情報格差解消

インフラの整っていない国々や地方に暮らす先進国の人びとにも、インターネットを。インターネット回線へのアクセス不可や回線を繋げる際の追加コストから生じる情報格差(デジタルデバイド)を解消する試みとして、衛星インターネットの開発・打ち上げが進んでいます。

衛生インターネットは、設置された衛星アンテナさえあれば、衛星インターネットプロバイダーの人工衛星を経由してインターネットにアクセスが可能。
回線設置の必要性を取り除くことによって、アンテナさえあればどこにいてもインターネットに接続できる環境を実現します。

現在、世界のインターネット普及率は世界人口の59.6%と総人口のおよそ半分強。まだまだ多くの人にインターネットが普及していない状況です。

どんな場所にいてもインターネットが楽しめ、情報格差が解消される日はそう遠くはなさそうです。

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4-5. リモートでDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できる仕組みに期待

新型コロナウイルスの感染拡大は、多くの企業の経理業務がデジタル化に対応できていないという課題を浮き彫りにしました。
また、INDUSTRIAL-X「企業のDX実現に向けた課題とコロナ前後の意向に関する調査」の結果によると、回答者全体の過半数にあたる59%がDX推進に際して、コロナ前の状態にビジネスが戻らないことを懸念しています。

「リモートだと自社の新たなビジネスモデル検討そのものが進まない」「ビジネスモデル実現のための進め方や必要なリソースについて想定ができない」といった課題をクリアし、リモートでもDXを進めるための体制が整えることが、ウィズコロナ・アフターコロナ時代の企業のDX実現には必要となってきています。

DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念

参照:ウィキペディア
参照:「企業のDX実現に向けた課題とコロナ前後の意向に関する調査」を発表~コロナ禍後のDX推進における課題や、新たな検討事項が明らかに~|PR TIMES


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5. 【2020年~2021年】IT業界で有望な職種


ここからは、今後IT業界でどのような職種が有望となってくるかをご紹介します。

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5-1. クラウドエンジニア

クラウドエンジニアとは、AWSやGCP、Azureなどクラウドインフラの設計・構築・保守・運用を専門とするIT技術者です。
自社の中で情報システムを保有・運用するオンプレミスからパブリッククラウドへの移行するケースが増えている昨今、クラウドエンジニアの需要は高まっています。

しかし、コロナでリモートワークが当たり前となった今でも、何か不具合があればマスクをしてオンプレミスサーバを復旧しに出社しているエンジニアがいるのが、残念ながら現状です。
クラウド活用に抵抗感を示し、オンプレミスにこだわるシステム担当者がいるのが原因と言われています。

不具合のために出社を余儀なくされるエンジニアを減らし、リモートでも社員が円滑に働ける環境を整えるには、クラウド活用で企業がコロナ禍という社会情勢に適したITインフラを構築することが求められています。

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5-2. 情報セキュリティマネジメントスペシャリスト

新型コロナウイルスの影響で働き方が急速に変わり、企業活動がオンラインに移行するなかで、「情報セキュリティマネジメントスペシャリスト」という職種に注目が集まっています。
企業・組織における情報セキュリティの確保に組織的・体系的に取り組むスペシャリストのことです。

業務のオンライン化により、今後はより一層サイバー攻撃のリスクへの対応・回避策の重要性が高まるでしょう。
科学捜査分野を中心に、サイバーセキュリティの専門家が活躍する時代がやってくるのではないでしょうか。

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5-3. AIエンジニア

出典:TUNA SCOPE

ウィズコロナの生活様式で非接触や密にならない接客が求められるようになり、AI技術への需要が高まっています。

非接触決済や非接触チェックインなどは、前述したようにインバウンド需要の復活にあたっても重要な項目のひとつであります。
カメラで写した画像を分析し公共スペースの人口密度を解析するなど、既に新しい生活様式にAI技術は取り入れられつつあります。

また、業務効率化のためのAI活用も近年は進んでおり、くら寿司ではAIの画像解析技術で冷凍天然マグロの品質を判定するシステム「TUNA SCOPE」を、キハダマグロの買い付けに導入すると発表しました。
新型コロナウイルス感染拡大にともない、マグロの目利き職人が、国内外の原産地や加工場に足を運べないことを踏まえた取り組みです。数秒で目利きを完了し、結果の約90%が職人の評価と一致するという性能が評価されています。

今後もこのようなAI技術を取り入れたシステムに需要が高まることでしょう。

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6. まとめ

コロナ禍において、IT業界はウィズコロナのサービスを扱う事業が伸びている反面、SI事業者やSES、小規模なフリーランスなどが打撃を受け、二極化が進んでいる状態であることが分かりました。

IT市場は若干の遅行性をもって景気の動向に左右される側面があるため、今後も動向をしっかり把握していく必要があるでしょう。ECや宅配などの巣ごもり需要の増加、企業のセキュリティ投資など、引き続き新しい生活様式に適した需要が高まると思われます。

テクノロジー面においてはさらなる進化に加速がかかっており、国内での量子コンピュータの普及開始、没入型エクスペリエンスの技術の発展、衛星インターネットの実現による情報格差の解消など、明るい話題もたくさんありました。

これからは、日々のニュースから時代を先読みし、どんなエンジニアが必要とされるのかを想像できる人材が、求められていくことでしょう。
ウィズコロナ・アフターコロナに対応できるIT技術とは何か、ぜひこの機会に考えてみてください。

▸参考記事:IT業界未経験でも転職成功!チャレンジ可能な職種と必要なスキルは?

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