職業訓練校は、さまざまなスキルを無料で身につけられる施設です。IT系のコースを受講すれば、エンジニアを目指せるスキルが身につきます。この記事では、IT分野の職業訓練に関する基礎知識や、職業訓練を利用するメリット・デメリットを解説しています。職業訓練を受けたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
なおIT系の職種やプログラミングに興味があるという方には、無料のプログラミングスクール「プログラマカレッジ」もおすすめです。
最終更新日:2023年6月8日
目次
職業訓練は、民間の教育訓練機関や職業能力開発校、職業能力開発促進センターなど、全国各地での受講が可能です。
詳細は、公式サイトでご確認ください。
▶ 公式サイト:ハロートレーニングとは|厚生労働省
IT系の職業訓練について、以下で基本的な情報を紹介します。
IT系の職業訓練校では、プログラミングをはじめとしたITの知識やスキルを学べます。コースは幅広く展開されており、以下のようなコースの中から自分の目指すキャリアに合わせて学習内容を選びます。
テキスト代などの実費は必要ですが、それ以外の費用はかからず無料で受講可能です。1人1台パソコンが用意されているため、自宅に学習環境がない人も心配ありません。
基礎から学習できるため、初心者や未経験者・他業種からの転職を目指す人でも受講できます。また、資格取得も目指せます。
プログラミングを主に学べるのは、求職者支援訓練です。求職者支援訓練には、基礎コースと実践コースがあります。基礎コースは、パソコンの使い方の基礎を学習するためのコースです。キーボードやマウスの使い方、表計算ソフトの使用方法などを学びます。
実践コースは、より高度なスキルを身につけるためのコースです。ITエンジニアやプログラマーを目指せるコースの例は次の通りです。
コース名 | 学べる内容 | 受講期間 |
---|---|---|
基礎から学ぶJava+Python・スマホアプリ開発技術者養成科 | アプリケーション開発 アルゴリズム基礎知識 データベース構築 など |
6ヶ月 |
WEBプログラマー養成科 | Webサイト制作に関する基本知識 Webアプリケーションの開発 など |
6ヶ月 |
初歩からはじめるJavaプログラマー実践科 | コンピューターの基礎知識 Javaの習得 データベース構築 など |
4ヶ月 |
自分に合った求職者支援訓練のコースを見つけるためには「ハローワークインターネットサービス」を利用しましょう。「ハロートレーニングコース情報検索」のページにアクセスすると、ハローワークが斡旋している職業訓練を検索できます。
コース種別や想定する分野のほか、エリアや訓練機関も指定して検索可能。通える範囲で、受講したいIT分野のコースが開講されているか、どの程度の期間受講すれば良いのかがわかります。ハローワークの求職者マイページがなくても検索できるため、まずは通いやすい地域の求職者支援訓練を確認してみてください。
また、IT分野実践コースの職業訓練の就職実績は58.7%です。職業訓練を受けた人のうち、約半数の人は就職できています。ただし、逆に言えば4割以上の人は就職できていません。職業訓練に通えば就職できると安易に考えるのは危険だと言えるでしょう。
それぞれ、詳しく解説します。
プログラミングスクールに通うと、数十万円の費用がかかることも少なくありません。しかし、職業訓練であれば、受講料無料でスキルを習得できます。教科書代は支払わなければならないため完全に無料ではありませんが、高額なプログラミングスクールと比較すると非常に安い費用で受講できます。
公共職業訓練や求職者支援訓練に通うと、給付金や手当を受け取れます。雇用保険の対象となっているかいないかで、受け取れる給付金や手当に違いがあります。受け取れる給付金や手当の違いは、次の通りです。
雇用保険の対象となっている場合 | 基本手当:離職前の賃金に応じて支給額が異なる 受講手当:日額500円 通所手当:通所方法によって支給額が異なる |
---|---|
雇用保険の対象となっていない場合 | 職業訓練受講給付金:月額10万円 通所手当:通所方法によって支給額が異なる |
受講手当と通所手当には上限があります。求職中は給与がゼロになってしまうため、生活費や先行きを心配して、出費を抑えたいと考える人もいるでしょう。職業訓練を受けている場合、雇用保険の給付が訓練終了まで延長されます(最長2年間)。また、雇用保険の対象となっていない場合でも、条件を満たせば職業訓練受講給付金を受け取れます。
給付金や手当についての詳細は、公式サイトで確認してください。
▶ 公式サイト:就職支援・給付金などについて知る|厚生労働省
未経験OKと書かれた求人を見たことがある人もいるかもしれませんが、未経験OKとは業界で働いた経験がなくても良いという意味で、まったくスキルがなくても良いという意味ではありません。
今まで学んだことがない分野は、いくら未経験OKとなっていても、採用されるのは難しいでしょう。しかし、職業訓練でスキルを身につければ、他業種からの転職も目指せる可能性があります。
職業訓練校は、ハローワークと連携して在校生に就職先の紹介を実施しています。そのため、スキルを身につけたものの、どのように就職活動を進めればよいかわからずなかなか就職できない、といった事態は避けられます。
とはいえ未経験分野の場合、職業訓練校で就職先を紹介してもらっても、簡単に就職できるわけではありません。また、就職率を見てわかる通り、必ずしも訓練校に通っている間に就職が決まるとは限りません。訓練校によっても就職率は異なり、少ないケースでは1クラスで数人程度しか就職が決まらない場合もあります。
IT業界では、資格があればスキルの証明として利用できます。特に未経験者の場合は実績がないため、就職活動前に資格を取得してスキルを示すのが有効です。
職業訓練校に通って目指せる資格の例は次の通りです。
仕事をしている間は規則正しいリズムで生活できている人でも、会社に行かなければならないという強制力がないと、生活リズムが乱れてしまうことも少なくありません。
一度生活リズムが乱れてしまうと、就職が決まってまた規則正しい生活に戻ったときに、必要以上に負担を感じる可能性があります。また、生活リズムの乱れは心身の不調の原因にもなります。
以下で詳しく解説します。
例えばWeb関連の科目やシステム開発系の科目は、倍率が2倍前後の場合が多く、4倍を超える科目もあります。こうした科目の場合、選考を通過できなければ受講できません。申し込みをしただけで安心しないよう、注意してください。
職業訓練校は、通えば必ず就職できる施設ではありません。就職先の紹介は受けられますが、就職できる保証があるわけではないので、自分自身でも就職活動を進める必要があります。
また、IT系の職業訓練を受けたからといって、必ずしもIT関連の企業や職種に就職できるわけでもありません。スキルがあれば就職できるわけではなく、IT関連企業でもほかの企業と同様に、書類選考や面接などを通過しなければ、就職できないためです。
職業訓練校では、申し込みから受講までの間に時間がかかります。前述の通り選考が行われ、合格発表が行われてからの受講開始となるためです。
受講開始まで数ヶ月程度の時間が必要になることも珍しくないため、いち早くスキルを身につけたい状況では、待ち時間が長いと感じられるでしょう。
訓練校での受講期間は、最低3ヶ月、長期のコースでは2年程度になる場合もあります。その間先述の手当や給付金は受け取れますが、前職の給与よりも受け取れる金額は少なくなります。
ハローワークの求人には、いわゆるブラック企業と言われる求人も多く掲載されています。もちろん、すべてがブラックというわけではありません。しかし、ハローワークは無料で求人情報を掲載できることに加えて、審査も厳しくないため、どんな企業でも求人を掲載しやすいのです。
資金繰りが厳しい企業や、経営が不安定な企業でも、求人広告の費用をかけずに人材を募集できます。ハローワークで就職先を探す際には、いつも以上に注意して応募先を探さなければなりません。
職業訓練校に通っている間は、いくら勉強をしても実務経験としてはカウントされません。また、職業訓練校で学べるスキルはごく基本的なレベルのものです。
そのため、求人を探して応募しても、他に実務経験のある応募者がいると、経歴が見劣りしてしまいます。スキルを習得したとしても、経験者より不利な状況で戦わなければなりません。
訓練校やコースによって、授業の質やレベルには違いがあります。講師の質によっては、多くの受講生が授業だけでは理解できないまま、時間だけが過ぎてしまうこともあります。
また、一緒に学ぶ受講生のスキルレベルも重要です。受講生のスキルレベルが低い場合、理解できる内容で授業を進めようとすると、どうしても難易度が下がってしまいます。
ここでは、就職が決まる半分の人がどんなことに取り組んでいるか紹介します。訓練校に通うだけでなく、積極的に行動することで就職率を高められますよ。
就職率を高めるためには、希望の職種を目指せる受講内容のコースを選びましょう。例えば同じIT系の職種であっても、システムエンジニアを希望しているにも関わらず、Webデザインの基礎を学んだのでは、就職できる確率を高められません。
また、評価の良い訓練校を選ぶことも重要です。評価の良い訓練校では、質の高い授業を受けられる可能性が高いためです。
プログラミング言語には、複数の種類があります。訓練校では、需要が高いプログラミング言語を学びましょう。需要が高いプログラミング言語は、求人件数も多いため就職できる可能性が高まります。
また、需要の低いプログラミング言語は、求人が少ないだけでなく、新しい技術におされて使用頻度が低くなることも考えられます。そのため、訓練校で最初に習得するプログラミング言語は、需要が高いものを選ぶのがおすすめです。
訓練校に通った人のうち半分程度しか就職できないということは、少なくともクラスの上位半分に入っていなければ、就職できる可能性は低いといえます。訓練校で学習しただけで満足するのではなく、自分でも学習を進めましょう。
予習・復習を行えば、訓練校で学習した内容の理解が深まります。また、資格取得に向けて学習するのもおすすめです。
訓練校に通いながら、転職エージェントを併用して就職活動を進めるのも良いでしょう。転職エージェントは、自分の希望やスキルに合わせて適切な企業を紹介してくれます。
また、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などのサービスもあるため、万全の状態で就職活動を進められます。未経験の業界では、知識不足で転職活動が難航してしまうことも珍しくありません。そんなとき、転職エージェントは強い味方になってくれます。
転職エージェントの詳しい解説や、利用するメリットは以下の記事で解説していますのでぜひご覧ください。
プログラマカレッジでは、最短60日間でITエンジニアとしての就職を目指せます。訓練校のように、受講開始まで時間が空いてしまうこともありません。
さらにプログラマカレッジでは、ハローワークでは紹介されない優良企業の求人を豊富に取り扱っています。ハローワークよりも手厚く、転職エージェントと同様の就職サポートを行っており、就職率は98.3%と高いのが特徴です。
プログラマカレッジ卒業生の声
二瓶さん
プログラマカレッジ卒業生の声
松村さん
この記事では、IT関連の職業訓練について解説しました。
職業訓練は無料で受講できますが、就職率が高いわけではありません。また、希望するコースを必ず受講できるとも限りません。職業訓練を利用するなら、自分で学習を進める、転職エージェントを活用するなどの工夫が必要です。
ITエンジニアを目指していて、無料で受講できることに魅力を感じているのであれば、プログラマカレッジの利用もおすすめです。無料で受講できるのはもちろん、転職エージェントと同様の就職サポートも行います。
この記事を参考に、職業訓練の受講について考えてみてください。
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