PHP技術者認定試験とは、PHP技術者のスキルを客観的に示して「認定者の雇用機会」や「認定者が所属する会社のビジネスチャンス」を拡大したいという目的で始まった試験です。今回は、そんなPHP技術者認定試験の合格率・難易度・勉強方法などを、詳しくご紹介していきたいと思います。
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最終更新日:2021年8月13日
PHP技術者認定試験とは、2011年2月に設立された「一般社団法人 PHP技術者認定機構」が運営する民間資格です。多くのPHPプログラマがいますが、個々の技術力の差が開いており、大きな課題となっていました。この課題を解決するために、PHP技術者個々のスキルと品質向上のために立ち上げられたのがこのPHP技術者認定試験です。
今回は、PHP技術者認定試験の
• PHP技術者認定試験の種類
• PHP技術者認定試験の合格率・難易度
• 勉強方法
について、それぞれ見ていきたいと思います。
PHP技術者認定試験は全部で3種類あります。
• 初級試験
• 上級試験(準上級試験)
• PHP技術者認定ウィザード
初級試験はPHP技術者認定試験のうちで最も簡単な試験であり、PHPプログラミングの基本知識が問われる試験です。学生や社会人1~2年目の方を想定した試験内容となっています。
上級試験は、PHPの言語仕様から始まり実用的なプログラミングテクニックまで、詳細かつ実践に関わる知識が問われる試験です。受験者としては、実務経験5年程度のプログラマが想定されています。
この上級試験は正答率が70%以上で合格となりますが、もし70%未満となっても、50%以上であれば「準上級試験合格」というステータスを受けることができます。この準上級試験に合格することで、準上級の認定証と認定カードが発行されます。
PHP技術者認定試験の最上位資格です。通常の試験とは異なり、研究論文またはコードを提出して他の有資格者から審査を受け、合否が決定されます。
なお2020年3月よりPHP技術者認定ウィザード試験が再開されており、応募条件も刷新されました。
応募資格は以下の通りです。
• 応募時点で実施しているPHP技術者認定上級試験で90点もしくは90%以上を獲得すること
• 所定の文章(500文字以上)を提出すること(PHP認定ウィザードに関する所信表明、PHPが好きなところ、将来の夢・展望、PHPコミュニティ活動や、勉強法など)
• 公開審査を行うためにPHP技術者認定機構に論文の譲渡権を付与すること
PHP技術者認定試験の難易度を知るために、情報系試験と比較してみました。
経済産業省が定める「ITスキル標準(ITSS)※」によると、PHP技術者認定試験の認定レベルと、各レベルで人気の試験は、次のような段階に設定されています。
※ITスキル標準とは:経済産業省が定めるIT関連能力を体系化したスキル指標
ITSSの認定レベル | 同レベルの主な試験 | |
---|---|---|
初級 | エントリレベル(レベル1) | ITパスポート試験、Ruby技術者認定試験 Silver、ORACLE MASTER Bronze など |
準上級 | エントリレベル(レベル2) | 基本情報技術者試験、Ruby技術者認定試験 Gold、ORACLE MASTER Silver など |
上級 | ミドルレベル(レベル3) | 応用情報技術者試験、ORACLE MASTER Gold など |
このようにPHP技術者認定試験の各レベルは、それぞれ情報技術者試験のITパスポート、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験までと同等レベルの難易度とされています。初級試験については合格率が50%程度であるITパスポートと同等であることから、比較的入門者向けの試験となっているようです。
上級試験については、IT関係資格の中でも難関資格とされている応用情報技術者試験と同等レベルという設定です。より実践的な内容を問われることからも、実務経験、もしくは個人での開発経験を積んでからの受験がおすすめです。
またPHPと同じようなスクリプト言語に分類されるRubyの技術者認定試験と比較した場合、Rubyの最上位資格であるGoldと同等レベルの理解度が必要とされているのは、PHPでは準上級試験とされています。
PHP初心者の方であれば、まずPHP技術者認定試験の「初級」を目指してみましょう。
初級試験に合格することで得られるメリットは以下の通りです。
• PHPの知識を獲得できる
• 未経験から就職する場合に有利になる
• 経験者であっても社内の昇給対象になったり、自分のスキルの証明になる
PHPの勉強を始めたばかりという方にとっては、PHP技術者認定の試験勉強を行うことで、より体系的に言語に対する理解を深めることができます。さらにこの試験は現役のPHPプログラマを対象に想定しているため、内容が実務寄りです。独学で勉強する場合には分かりにくい「実務で重視されていること」を、この試験を通して知ることができるというメリットもあります。
なお実務経験者であっても、現場により知識のかたよりが発生している場合があります。そこでこの試験を受けることによって、自分の知識を整理して、不足している点がないかの確認を行うことができるというメリットがあります。
未経験からプログラマとして就職したいという希望がある場合、PHP技術者認定試験に合格することは大きなメリットになります。
未経験の場合、転職や就職の場面で、ITスキルを持っていることを客観的に証明するのが難しいという問題があります。そのため資格を所持していることで、「やる気がある」や「資格を習得できるだけの知識がある」ということを、企業にアピールすることができるのです。
ある程度の年数をPHPプログラマとして働いている方にとって、初級試験は物足りないかもしれません。ですが会社によっては資格取得に対して手当を支給したり、評価・昇進対象としている所もありますので、確認してみることがおすすめです。中には「資格手当は出ないけど受験料には補助金を出す」という企業もあります。
さらに経験者の場合は、上級試験や認定ウィザードを目指してみるのもおすすめです。特に認定ウィザードは2012年から開始したにも関わらず2015年にようやく2人認定されたという、超難関試験です。腕に自信のある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
PHP技術者認定の試験対策には、大きく分けて次の3つの方法があります。
• 参考書を読む
• ある程度知識が身に着いたら、公式問題集を解く
• 独学が難しければ認定スクールを検討する
IT系資格試験の効果的な勉強法としては、まずざっと一通り参考書を読んでから、次に過去問や問題集を解いていくという方法が挙げられます。間違えた場合にはその都度解答や解説を確認し、弱点を集中的に繰り返し勉強していくという方法です。
この試験の対策に向いている本として、PHP7に対応した4種類の参考書をご紹介します。なお現在のPHPの最新バージョンはPHP8となっていますが、PHP技術者認定試験の試験範囲はPHP7までの対応となっています。
▸著者:大重 美幸
▸出版日:2016/12/20
▸価格:3114円
▸口コミ
本書で一通りPHPについて勉強することができます。
プログラミング、Webの知識、DBとこの1冊でその全てが習得できるため、教科書として使おうと思います。
出典:Amazon
2015年からPHP7に移行した最新バージョンのPHPに対応した参考書です。プログラマとしての道をスタートしようという人、他のプログラミング言語の経験はあるがPHPはきちんと学んだことがないという人を対象にしており、図解を使い分かりやすく解説しています。
▸著者:谷藤 賢一
▸出版日:2017/2/18
▸価格:2970円
▸口コミ
この本ではECサイトを作りながらPHPを学ぶ形になるのですが、ECサイトの制作でPHPの実践的な使用方法は一通り学べます。
出典:Amazon
PHPの入門書を卒業した方や、多少プログラミング経験のある方向けの参考書です。ECサイトを制作しながら、PHPを用いてシステム開発の基本を学んでいきます。
▸著者:たにぐちまこと
▸出版日:2018/4/26
▸価格:2728円
▸口コミ
基礎からTtwitter的なサービス開発まで広く学べたと思います。
プログラミング初心者にはやや厳しい内容かもしれません。あくまでプログラミングをある程度わかっていてPHPが初めてという人向けです。
出典:Amazon
PHPを初めて学ぶ人でも読みやすい入門書であると同時に、仕事で使うような実用に近いプログラムまで学習することができます。PHPの基礎から、メモの管理ができるWebアプリ、最終的にはTwitterのようなひとこと掲示板などのサービスを、この参考書の学習を通して作成していくという流れになっています。
▸著者:永田 順伸
▸出版日:2018/1/30
▸価格:3124円
▸口コミ
会員管理システムを作るという目標を立ててそれに沿って書いているので他の入門書と違って実践的な内容が学べます。
出典:Amazon
PHPとMariaDB/MySQLの基本とWebアプリケーションの構築法について実践的に学習できます。さらに学習環境としても、Windows、macOS、Linuxによる操作を解説しているのでOS環境を気にせず学ぶことができます。
参考書である程度PHPの知識を習得したら、実際に公式問題集を使ってアウトプットを図ってみることがおすすめです。
▸著者:棚橋 英之、内山 洋恵
▸出版日:2019/7/22
▸価格:3080円
▸口コミ:
これを使って無事に合格しました。ただ、問題を覚えるだけでは絶対ダメです。
この1冊での学習でPHP7技術者認定[初級]取得できました。
出典:Amazon
この公式問題集は、最新バージョンのPHP7に対応しており、経験豊富な講師陣による選定された173の問題を収録しています。巻末には模擬試験1回分を収録しているので、試験直前の腕試し・仕上げもサポートしています。
独学が難しいという場合は、認定スクールに通って合格を目指すという方法があります。
PHP技術者認定機構では、「ゴールド認定スクール」と「シルバー認定スクール」の2つのプログラムを用意しています。ゴールド認定スクールでは、年間10万円の費用がかかりますが、認定スクール専用の教材を使用しており、きめ細やかなサポートを受けることができます。
独学での学習が難しい、講師に教わりながら効率的な学習がしたいという方は、認定スクールも検討してみることがおすすめです。
詳しくはPHP技術者認定機構の公式サイトを参考にしてください。
また、これからPHPを学んでWebプログラマーとして就職・転職したいという希望のある方には、無料のプログラミングスクールで学ぶという方法もあります。「プログラマカレッジ」は、本気でプログラマを目指す方のための受講料無料の研修所です。PHPの基礎から実践演習まで行う豊富なカリキュラムで、IT初心者からWebプログラマとして就職するまで、プロが完全にサポートします。本気でプログラマとして就職・転職したいという方は、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
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PHP技術者認定試験の種類・難易度・勉強方法などを解説しましたがいかがだったでしょうか。実務に即した内容で作られているPHP技術者認定試験を受験することで、就職や転職に有利になるだけでなく、これまで培ってきた自分の知識の確認や整理にもつながります。初心者の方も経験者の方も、一度過去問などチェックしてみてはいかがでしょうか。
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