「Webエンジニアになるために資格は必要?」「持っていた方が有利?」「どんな資格がおすすめなの?」といった疑問にお答えします!HTML5プロフェッショナル認定試験や基本情報技術者など、プログラミングに必要なスキルを身につけられる資格やその勉強方法も解説。キャリアアドバイザー直伝のコメントは未経験者必見です。ぜひ参考にしてみてください。
最終更新日:2023年3月17日
目次
Webエンジニアとは、主にWeb上で利用されるサービスに携わる技術職のこと。
スマホやWebサイトなどで利用されるシステムやアプリの開発や設計、プログラミングなどが主な仕事内容です。
◆ フロントエンドエンジニア
ユーザが目にする表の部分(フロントエンド)を、HTMLやCSSを駆使して作るWebエンジニア。
▶ 参考:フロントエンドエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
◆ バックエンドエンジニア
情報が格納された「データベース」から情報を取得し、フロントの裏側で動くロジックを開発するWebエンジニア。
▶ 参考:サーバーサイドエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
◆ インフラエンジニア
Webシステムを動かすためのインフラ(基盤)を設計、構築、運用するWebエンジニア。
▶ 参考:インフラエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
✓さらにくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
資格を保有していると、採用担当者に知識・技術を満遍なく学習したことを証明することができます。
プログラミングスクール卒業などの経歴は、スクールによってレベルに差が出てしまいがちなため、評価に繋がりにくいケースもあります。
その点、資格取得は合格していることで一定の基準を満たしていることを証明しやすく、採用担当者にスキルを有していることをアピールしやすいのです。
IT業界はトレンドの変化が早く、就職や転職をしたあとも継続的に学習することが求められる業界です。
資格を取得していると、スキルの証明とともに、目標の達成に向けて地道に学習をコツコツ続けられる能力があることを示すことが可能に。
採用の場では、資格の難易度よりも資格取得までの一連のプロセスを評価してもらえることも多いため、資格取得は転職にとても有効なのです。
そもそも資格取得のための学びは、Webエンジニアに必要とされる知識の習得に繋がっているため、スキルを体系的に身につけられるというメリットがあります。
実務経験ゼロからWebエンジニアを目指すのであれば、基礎的な技術や知識をしっかり身につけることができるでしょう。
WebやITに関する技術を示す資格はたくさんあります。その中からおすすめの資格を選定するにあたり、どんなことを基準としたかを下記にてご紹介します。
おすすめした資格以外の受験を検討する際も、下記の基準を参考に資格の内容を確認すると、自分にとって有益かどうか判断しやすくなりますよ。
資格取得は、すでに確立されたスタンダードな知識を学ぶため、中長期的に役立つスタンダードな知識を身につけることができるものを選定しましょう。
IT業界はトレンドの変化が早く、特にAIやブロックチェーン、VRなどの分野ではデファクトスタンダードと言える技術が必ずしも確立されていません。そのため、市場環境や開発環境の変化が激しい傾向があります。
TensorFlowを活用した機械学習や、イーサリアムにおけるスマートコントラクト開発に関心があるならば、資格取得よりもまずはコードに触れて簡単なアウトプットを作ることを目指すと良いでしょう。
企業によっては、資格を取得することで資格手当が支給される場合があります。
資格手当とは、企業が指定した資格を持っている人に対して、毎月の給料にプラスして支払われる金銭のことです。
例えば、応用情報技術者試験の合格者には企業から資格手当が出るケースがあります。企業は資格手当を支給することで従業員に学習を促すとともに、たくさんの資格所有者がいる企業として、信頼感を得られるメリットがあります。
資格手当が支払われるということは、企業がその資格を持っている人を求めていることの現れでもありますから、採用段階で企業の推進する資格を有していると、就職や転職に有利になるでしょう。
出典:試験区分一覧|IPA
IT関連の試験は、大きく分けて「ITを利活用する人向けの試験」「情報処理技術者向けの試験」「サイバーセキュリティを推進する人材向けの試験」という3種類があります。
上記の画像で紹介されている資格はいずれも国家試験または国家資格であり、合格することで高度IT人材として客観的な評価を得られます。
また、公共機関のIT関連職種や警察機関のサイバー犯罪関連職種などの人材募集では、応募資格の1つとして扱われるケースも。
そのため、国家資格レベルでの高度IT人材としての評価を得たい場合や、公共機関のIT職種に申し込みたい方は取得しておくとよいでしょう。
国家試験となっているIT関連の試験はたくさんありますが、本記事では主な資格である「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」をご紹介します。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアのスタート地点とも言えるような試験で、ITについて幅広く学ぶことができるためおすすめです。
期待される技術水準としては、試験対象となる業種や業務に関する基本的な事項を理解した上で担当業務に活用できることや、上位者の指導の下にソフトウェアを設計し、方針を理解したうえで自らソフトウェアを開発できることなどが求められています。
情報処理試験の中ではレベル2に該当する試験で、情報系未経験者にとってはやや難しいものの、独学で合格できる難易度となっています。
科目A試験 | 科目B試験 | |
---|---|---|
試験時間 | 90分 | 100分 |
問題数 | 60問 | 20問 |
出題形式 | 多肢選択式 | |
受験日程 | 通年(任意の日程で受験可能) | |
受験料 | 7,500円(税込) |
応用情報技術者試験は、かつてあった「ソフトウェア開発技術者」の後継資格であり、「AP」と表示されることもあります。
期待されるスキルとしては、情報技術を活用した戦略立案に関して、経営戦略・情報戦略の評価に関して定められたモニタリング指標に基づいて差異分析などを行えること、運用管理チームやオペレーションチーム、サービスデスクチームなどのメンバーとして担当分野におけるサービス提供と安定稼働の確保が行えることなどが挙げられます。
情報処理試験の中では、基本情報技術者試験より1つ上のレベル3に該当する試験です。
レベル4以上は分野別の試験となっているので、IT技術の総合力を問う試験の中では最高難度の試験でもあります。
午前 | 午後 | |
---|---|---|
試験時間 | 9:30~12:00(150分) | 13:00~15:30(150分) |
問題数 | 出題数:80問 解答数:80問 |
出題数:11問 解答数:5問 |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 |
申し込み受付日程 | 春期:1月半ば~2月半ば 秋期:7月半ば~8月半ば |
|
試験日程 | 春期:4月第3日曜日 秋期:10月第3日曜日 |
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受験料 | 5700円 |
▶ 参考記事:
• 応用情報技術者試験の合格率は?難易度と勉強時間の目安まとめ【2018年版】|プロエンジニア
• 就職・転職に有利な資格?応用情報技術者試験とは【2018年版】|プロエンジニア
HTML5プロフェッショナル認定試験は、「Level1」と「Level2」の2種類にわかれています。
Level1ではWebコンテンツ制作における基礎が、Level2ではシステム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計ができる知識と技術が求められます。
どちらも認定の有意性の期限は5年で、Level2に認定されるためには優位なLevel1認定を保有していることが条件です。
Level1 | Level2 | |
---|---|---|
試験時間 | 90分 | 90分 |
問題数 | 60問 | 40~45問 |
出題形式 | マウスによる選択方式とキーボード入力問題 | |
申し込み受付日程 | 随時受付 | |
試験日程 | 随時受験可能(日程は会場により異なる) | |
受験料 | 14,630円(税込) |
出典:HTML5プロフェッショナル認定試験|LPI-Japan
Oracle認定Javaプログラマ(Oracle Certified Java Programmer:OCJP)とは、日本オラクル社が主催するJavaプログラマ向けのベンダー資格*1。Javaのバージョンアップに合わせて、数年ごとに認定試験のバージョンも改定されるのが特徴です。
業界標準に準ずる高度なスキルを証明できるので、未経験からWebエンジニアを目指している方やスキルアップ転職を目指す方にとってメリットのある資格です。
初学者向けのBronze(ブロンズ)から、初級のSilver(シルバー)、中級~上級向けのGold(ゴールド)と難易度別にグレードが分かれていることも特徴的。
下記にWebエンジニアを志すみなさんにおすすめのBronzeとSilverの試験概要を明記します。
*1:ベンダー資格とは、コンピュータやソフトウェア、ネットワーク機器といったIT関連製品を製造・販売する企業が、自社で開発した製品をユーザーが適切な知識や技術で扱えるかどうかを評価するための民間資格のこと
Bronze | Silver | |
---|---|---|
試験時間 | 65分 | 180分 |
問題数 | 60問 | 80問 |
出題形式 | CBT形式の選択問題 | |
申し込み受付日程 | 随時受付 | |
試験日程 | 随時(受験方法によって異なる) | |
受験料 | 14,630円(税込) | 37,730円(税込) |
出典:Java SE 11 認定資格|Oracle University
Ruby技術者認定試験は、Ruby技術者としての技術力を問う試験です。
SilverとGoldの2段階にわかれていて、SliverではRubyのクラスとオブジェクト、ライブラリの知識について基本的な技術レベルが、GoldではSilverで求められる範囲をさらに掘り下げた知識に加えて標準添付ライブラリ知識やアプリケーション設計に必要となるクラスやオブジェクトに関する知識が求められます。
Sliver | Gold | |
---|---|---|
試験時間 | 90分 | 90分 |
問題数 | 50問 | 50問 |
出題形式 | 選択式 | |
申し込み受付日程 | 随時受付 | |
試験日程 | 随時受験可能(日程は会場により異なる) | |
受験料 | 16,500円 | 16,200円 |
出典:Ruby技術者認定試験|Ruby Association
▶ 参考記事:
Ruby技術者認定試験とはどんな資格?難易度から受験方法までまとめました|プロエンジニア
PHP技術者認定試験は、一般的な試験であるPHP5初級試験、PHP7初級試験、PHP5上級試験に加えて、研究論文またはコードを提出して他の有資格者から審査を受けるスタイルの「認定ウィザード」があります。
また、PHP5上級試験で5割以上7割未満の点数を取得すると準上級試験合格として扱われます。
PHP5初級試験とPHP7初級試験は、どちらもPHPプログラミングの基本知識が問われます。
ITスキル標準ではレベル1に該当します。
PHP5上級試験ではPHPの言語仕様から実用的なプログラミングテクニックまでの知識が問われます。
ITスキル標準では、準上級がレベル2、上級がレベル3に該当します。
PHP5・PHP7初級試験 | PHP5上級試験 | |
---|---|---|
試験時間 | 1時間 | 2時間 |
問題数 | 40問 | 60問 |
出題形式 | 選択式 | |
申し込み受付日程 | 随時受付 | |
試験日程 | 随時受験可能(日程は会場により異なる) | |
受験料 | 13,200円(税込) | 16,500円(税込) |
▶ 参考記事:
【PHP資格】PHP技術者認定試験の難易度と勉強時間の目安|プロエンジニア
資格そのものが医師や弁護士のように必須ではない職業のため、資格を有していることよりも、実際に現場で使えるスキルを身につけることが求められます。
まずはプログラミング言語をしっかりマスターし、スキルアップや経験を積んでからでも資格取得は遅くありません。Webサイトやアプリの制作にチャンレンジするなど、まずはプログラミングを自分のものにすることを優先させるとよいでしょう。
✓ どんなプログラミング言語から学習をはじめたら良いか分からない方は、以下の記事も参考にしてみてください。
プログラミングスキルは面接で話をしただけではわかりにくいものですが、ポートフォリオがあれば過去の実績やコードの品質を正確に評価できます。特に、採用担当者が重視するポイントを踏まえたポートフォリオは選考の際に高く評価されます。
✓高い評価を得るためのポートフォリオの例は以下の記事をご覧ください。
たくさんの資格をご紹介しましたが、プログラミング初心者や未経験者が最初に学習しようと思った時にはどの資格取得を目指せば良いのでしょうか。
目指したい業界や関心のある分野別に、おすすめの試験をご紹介します。どんな資格試験にチャレンジしたいのか、自分の希望も考えながらチェックしてみてください。
公的機関や金融機関など、インフラに近い開発案件や、大手企業での開発では、応募資格に基本情報技術者試験や応用情報技術者試験への合格が定められているケースがあります。
こうした案件に興味がある、求人に応募したいと考えている方は、まず基本情報技術者試験または応用情報技術者試験を受験しましょう。
公的機関や大手への就職や転職にこだわりがなく、スピード感を持った開発や新規事業の立ち上げに関心がある方で、資格取得に興味があるのならばHTML5プロフェッショナル認定試験の受験がおすすめです。
HTML5プロフェッショナル試験の内容はそれぞれ以下の通りです。
◆ Level1
◆ Level2
HTML・CSS・JavaScriptはWeb開発の基礎的な技術ですが、ブラウザの性能向上やHTML、JavaScriptでリッチな開発ができるようになってきたこともあってSPAが人気になり始めています。
SPAとはSingle Page Applicationの略で、HTMLやCSS、JavaScriptを使ってWebアプリケーションのような操作性を実現する技術のことです。
既存のweb技術だけで、デスクトップアプリケーションのようなリッチなアプリ開発が可能になっているため、モダンな開発現場の視点から見ても、HTML・CSS・JavaScriptを網羅的かつ深く学ぶ意味が大きくなっています。
JavaScriptを深く理解することは、サーバーサイドの学習を始めるきっかけにもなります。
JavaScriptは通常クライアントサイドで動かすものですが、Node.jsの登場によってサーバーサイドのコードもJavaScriptで書くことが可能になりました。
Node.jsとは、JavaScriptをサーバーサイドで動かすことを可能にしたもので、HTTPサーバーやファイルサーバーなどの作成にも使われます。
一般的なプログラミング学習では、HTML・CSS・JavaScriptなどのフロントエンドを覚えた後でサーバーサイドの学習に移ってJavaやPHPを覚え直すという工数が発生しますが、Node.jsはサーバーサイドをJavaScriptで書けるため別言語を覚え直す工数が削れます。
Node.jsは同期通信を行いやすいという特徴があり、チャットアプリ開発などに向いている技術です。
HTML5プロフェッショナル認定試験の公式サイトには、HTML5道場と呼ばれる初心者のための基本がまとめられたページや、サンプル問題が掲載されています。まずは、これらを使って学習を始めてみると良いでしょう。
同時に、例題解説やHTML5関連ニュースが配信される公式のメールマガジンに登録するのもおすすめです。
Webコンテンツの作成やプログラミングの経験がない方は、イベントやセミナーに参加したり、スクールに通ったりするとより理解が深まりやすくなります。経験があれば、認定教材や過去に開催された講義資料による独学でも合格は可能です。
参照:HTML5プロフェッショナル認定試験|LPI-Japan
プログラミングスクールでは、プログラミングの基本的な知識からスキルアップ・即戦力に繋がる内容まで、あなたをしっかりサポートしてくれます。
プログラマカレッジのような就職支援付きのスクールを選択すれば、プログラミングスキルを身につけると同時に、就活サポートもしてもらうことが可能です。資格取得も推進しているため、在学中に資格試験の相談をすることもでき、資格取得も同時に目指したい方にぴったりです。
未経験者を採用するIT企業も多くありますが、プログラミングスキルがある人材は企業にとっても研修などの手間を減らせるため、採用されやすくなります。
自身が目指すキャリアに必要な知識が学べ、なおかつ資格取得の勉強もできるスクールを選ぶようにしましょう。
私たちが運営するプログラマカレッジでは、プログラミングだけではなく、IT業界の話をお伝えしたり、ひとりひとりに合わせた転職のサポートを心がけております。是非一緒に学びましょう。
Webエンジニアを目指す未経験者にとって資格取得はとても有効です。資格取得にはある程度の受講料も必要とされますが、それだけ本気でエンジニアを目指しているという現れにもなります。
あなたがもしも「プログラミングも未経験」ということであれば、まずはプログラミングスキルの習得を最優先に学んでいくことをおすすめします。プログラミングスクールを利用して計画的に学習すれば、即戦力としてのスキルを身につけることはもちろん、資格取得の勉強も合わせて進めることができるでしょう。
自分にあったプログラミングスクールを選び、効率良く最短ルートで資格取得を目指し、Webエンジニアへの転職を成功させてください。応援しています。
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