バックエンドエンジニアは、バックエンドと呼ばれるユーザーから見えない部分を構築・開発・運用するエンジニアです。今回はバックエンドエンジニアとフロントエンドの違いや仕事内容、必要なスキルを解説します。エンジニアへの転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
最終更新日:2022年12月23日
目次
バックエンドとはWebサイトで「ユーザーから見えない部分」を指します。
バックエンドエンジニアはサーバーサイドエンジニアとも呼ばれ、Webサイトを動かすサーバーの構築・運用、データの保存処理などのアプリケーションの設計・開発などユーザーから見えない部分を担当するエンジニアです。今回はバックエンドエンジニアの仕事内容や、必要なスキルを解説していきます。
バックエンドエンジニアとよく比べられるエンジニア職に、フロントエンドエンジニアという職種があります。フロントエンドエンジニアは「ユーザーから見える部分」を担当するエンジニアです。
Twitterを例にすると、フロントエンドエンジニアはツイートの一覧や投稿画面の見た目などを担当しています。そして、バックエンドエンジニアは、Twitterが稼働するサーバーの運用や、Twitterのログイン処理などの見えない部分の処理の設計・開発を担当しています。
▶ 参考:
• サーバーサイドエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• フロントエンドエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
フロントエンドエンジニアを比較して、バックエンドエンジニアが持つやりがいや魅力を紹介します。
バックエンドエンジニアは、プロジェクトのスタートからリリース後の運用まで幅広い工程に関わることが可能です。プロジェクトをリリースした瞬間の達成感は、大きなやりがいを感じられるでしょう。
Webサイトを動かすサーバーからアプリケーションの開発・運用に携わります。そのため、作業に関わる幅広い分野の知識を習得する機会や、その分野のエンジニアに会う機会が多い職種です。フロントエンドエンジニアよりも学ぶ知識の量や接する人が増えますが、好奇心旺盛な人や、チームプレーが好きな人にとってやりがいを感じる職でしょう。
バックエンドエンジニアには大きく分けて次の3つの仕事内容があります。
実際のプロジェクトでは、3つの仕事内容を複数人で分担して行います。
作業の安全確認の観点からも1人のバックエンドエンジニアが担当するのではなく、作業するエンジニアと作業内容をチェックするエンジニアなど複数人で分担して行うのが基本です。
仕事は、環境に関する要件の整理・決定→設計→構築作業という流れです。
プロジェクトの規模が大きくなると、サーバー環境の設計・構築に特化したインフラエンジニアが担当する場合もあります。その一方で、小さなプロジェクトではバックエンドエンジニアが担当することが多いです。
担当したときに備えて、クラウド環境やサーバ機器、OS、セキュリティソフト、ネットワークなどの知識についても理解しておくことをおすすめします。
ミドルウェアとは、データベースなどのOSとアプリケーションの架け橋になるソフトウェアのこと。Webサイトが稼働するには、データベースやWebサーバー、サーバーサイド言語などのミドルウェアのインストールが不可欠です。
プロジェクトの規模によっては、インフラエンジニアが設計・構築を担当する場合もあります。しかし、ミドルウェアにはアプリケーション固有の設定をすることが多いため、バックエンドエンジニアが担当することが多くなります。
アプリケーションの開発でもミドルウェアは切り離せない重要なソフトウェアなので、バックエンドエンジニアを志すなら、ミドルウェアの知識は身に付けておいて、損はない知識でしょう。
バックエンドエンジニアの主な仕事はアプリケーションの開発と運用です。サーバー環境の構築やミドルウェアの構築は、主な仕事ではありませんが、アプリケーションを動かすために必要な作業です。
Webサイトの開発では、ユーザーから見えないアプリケーションを開発する工程に一番人手がかかります。そのため、バックエンドエンジニアの大半は、アプリケーションの開発をメインに担当しています。
また、アプリケーションのリリース後は、一般的にWebサイトが安定して稼働できるよう、不具合改修、障害対応などを担当する専門のバックエンドエンジニアに引き継がれます。
バックエンドエンジニアの年収について、ここまで比較してきたフロントエンドエンジニアの年収と比較してご紹介いたします。
マイナビAgentのフロンドエンドとバックエンドに近しい2つの業種から、20代~30代の平均年収をピックアップしてみました。
フロントエンド系エンジニア (マークアップエンジニア・フロントエンドエンジニア) |
385万円 |
---|---|
バックエンド系エンジニア (システムエンジニア・プログラマー) |
443万円 |
フロンドエンド系エンジニアよりバックエンド系エンジニアの方が、62万円高い結果となりました。
また、IT業界の平均年収 427万円と比較すると、バックエンド系エンジニアの方がIT業界の平均年収より高いことがわかります。
次にバックエンドエンジニアに必要な5つのスキルを解説します。バックエンドエンジニアを志す方は、ぜひ参考にしてください。
バックエンドエンジニアの主な仕事は、ユーザーから見えないアプリケーションの開発です。まずは、ユーザーから見えないサーバーサイドのプログラム言語を学び、使えるようになる必要があります。
サーバーサイド言語には、PHP、Python、Ruby、Javaなど様々な種類の言語があります。バックエンドエンジニアは、いずれかのサーバーサイド言語を1つ以上は習得しておいた方がいいでしょう。
また、言語によって採用している会社のタイプが変わってくるので、就職したい会社で必要とされる言語を学習することをおすすめします。
※1 会社を設立してから2~3年と若い会社のことを言います。
※2 お客様からの依頼でシステムを開発する会社のことを言います。
フレームワークとは、プログラミング言語をより使いやすくするために、あらかじめよく利用する機能を実装したモノです。フレームワークを使うことで、アプリケーション開発を効率的に進められます。
どのプログラム言語でもフレームワークが提供されていますが、同じプログラム言語でもフレームワーク毎に使い方が異なります。そのため、よく採用されているフレームワークを習得しておいた方が就職に有利でしょう。
Web開発でよく採用されているフレームワークを紹介しますので、参考にしてみてください。
PHP | Laravel |
---|---|
Ruby | Ruby on Rails |
Python | Flask、Django |
Java | Spring、Play Framework |
OSやミドルウェアの知識は構築を担当したときに限らず、アプリケーションを開発する上でも重要な知識です。また、アプリケーションを開発する中で、OSやミドルウェアの操作が必要になります。
特にデータベースとWebサーバー※1、言語によってアプリケーションサーバー※2 は、利用頻度が高いため、サービスの起動・停止などの基本操作は覚えておくことが望ましいでしょう。
※1 Webサーバーは、 ブラウザから送られたリクエストを処理するサーバです。サイトのロゴなど頻繁に変更がないデータはWebサーバー内で処理をします。頻繁に変更があるデータはアプリケーションサーバーに処理をお願いします。PHPのプログラムだけは、Webサーバー上で動作します。
※2 アプリケーションサーバーは、RubyやJavaなどのアプリケーションが動作するサーバーです。Webサーバーから依頼を受けた処理をRubyやJavaなどのサーバーサイド言語が処理し、その結果をWebサーバーに送ります。
よりよいバックエンドの処理を実装するには、ユーザーから見える部分「フロントエンド」の知識を学び、習得することも必要です。また、プロジェクトの規模が小さい場合は、バックエンドエンジニアがフロントエンドを担当する場合があります。
そのため、フロントエンドのプログラム言語や、見た目(UI)・ユーザーが使いやすいデザイン性(UX)の知識を身に付けられるといいでしょう。
フロントエンドのプログラム言語には、WebページとなるHTMLやページを飾るCSS、ページに動きを持たせるJavaScriptがあります。
最近では、フロントエンドのフレームワークがよく利用されるため、次のようなフレームワークを知っていると、採用の幅が広がります。
HTML・CSSのデザインテンプレート | Bootstrap |
---|---|
JavaScriptのフレームワーク | React、Angular、Vue |
Amazonが運営するAWSや、Microsoftが運営するAzureといったクラウドサービス※1 にWebサイトを構築することが多くなりました。従来のサーバー機器にWebサイトを構築するよりも気軽にWebサイトが構築できるため、バックエンドエンジニアがサーバー環境を構築する機会も増えています。
また、クラウドサービスは、Webサイトを国や地域に分散して構築できるため、アプリケーション開発でもクラウドサービスの特性を理解した開発が求められます。
今まで紹介したスキルの中では習得する優先度は低いですが、身に付けておいた方がいいスキルの1つです。
※1 ここでいうクラウドサービスとは、インターネット経由でデータベースやサーバー環境など提供するサービスのことです。
技術の進歩でバックエンドエンジニアの仕事がなくならないか、心配に思う方もいるでしょう。確かに画面操作だけでWebサイトを作成できるツールも世の中にはあります。
しかし、まだまだ複雑な処理にはバックエンドエンジニアの力が必要とされるため、今後も需要は伸び続けていくでしょう。
バックエンドエンジニアという職種には将来性がありますが、バックエンドエンジニアの市場価値はスキルの需要に大きく左右されます。スキルの需要は時とともに移り変わるため、自分の市場価値を高く維持するには需要のあるスキルを常に身に付けていくことが必要です。
また、リモートワークの拡大により1人のエンジニアの成果が可視化、数値化されていくことが考えられます。そのため、自己管理ができない人や成果が低い人は需要が無くなる可能性が出てくるでしょう。
バックエンドエンジニアは人材不足のため、未経験から目指すことは可能ですが、雇用環境が整った会社に勤めるためには、それ相応のスキルを身に付ける必要があります。
ここでは、スキルを身に付けるためにおすすめな方法を解説します。
エンジニアとして就職を志すなら、複数の言語を一度に学ぶよりも、手堅く需要の高い言語をまずはしっかりと学んだ方がいいでしょう。日本の求人需要は、下記の図のようにJavaとPHPが大きな割合を占めています。
JavaやPHPを身に付けると、それだけ就職のチャンスが生まれやすいと言えるでしょう。
出典:言語別Webエンジニア求人数の割合-Webエンジニアにおすすめのプログラミング言語をズバリ解説!
プログラミング言語を学ぶ方法としては次の方法があります。
本などの独学では、サーバーサイド言語でWeb開発ができるまでのスキルを身に付けることは難しく、挫折してしまう方が多いのが事実です。そのため、プロの講師に学べるプログラミングスクールに通うことをおすすめします。
弊社が運営するプログラマカレッジでは、受講料無料でJava・PHPの基礎から実践まで講師のサポートを受けながら学べるためプログラミングが初めての方でも安心です。バックエンドエンジニアを志す方は、ぜひ検討してみてください。
サーバーサイド言語を身に付けたら、次にスキルをアピールできるようなポートフォリオを作成しましょう。自社サービスや請負開発をしている会社へ就職したい方は、ポートフォリオがあると有利になります。
作成するポートフォリオは、Web開発でよく採用されるフレームワークを利用して、バックエンドの基本動作を盛り込んだWebサイトを作成することをおすすめします。
【バックエンドの基本動作】
バックエンドエンジニアになるために、必ずしも資格は必要ということはありません。しかし、SIer企業と呼ばれるお客様からシステム開発をお願いされる企業では、採用時に資格を評価される可能性が高くなるため、取得しておくといいでしょう。
また、資格の学習は体系的に知識を学習できるためおすすめです。
おすすめな資格には次のようなものがあります。
※1 Javaを学んでいる方におすすめの資格です。
※2 PHPを学んでいる方におすすめの資格です。
ある程度実務能力を付けた後で、応用情報技術者試験やOracle Certified Java Programmer, Gold SE 11、PHP技術者認定試験 上級などを取得すると、転職時により有利になります。
Web開発には、データベースなどのミドルウェアの知識も必要なため、未経験からサーバーサイド言語でWeb開発ができるまでのスキルを身に付けることは容易ではありません。
プログラミングスクールでは講師のサポートを受けながら学べるため、効率的で挫折しない環境があります。なかでも就活支援付きのスクールでは、企業が求めている人材の傾向を把握出来たり、面談の練習なども出来るため未経験者には特におすすめです。
プログラミングスクールを選ぶ際には以下のようなポイントを確認すると良いでしょう。
プログラマカレッジなら受講料無料で学べるため、金銭的な心配もありません。現在はコロナ対応のため全ての授業がオンラインで開催されています。
プログラミングスクールの選び方について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
今回は、バックエンドエンジニアの仕事内容や仕事の魅力、目指すために必要なスキルなどを解説してきました。
バックエンドエンジニアはユーザーから見えない部分を担当するエンジニアです。
様々なプロジェクトを通して、幅広い分野の知識やエンジニアに関われます。そのため、好奇心旺盛な人やチームプレイが好きな人にとってやりがいを感じる職種です。
未経験からバックエンドエンジニアを目指す場合、まずはプログラミングスキルをしっかり身に付けることから始めてみてはいかがでしょうか。
INTERNOUS,inc. All rights reserved.