プログラミングに関する自分の技術力を示す手段として、資格の取得という方法があります。
特にWebコンテンツ制作やWebアプリケーション開発に関する技術を示したいという場合であれば、HTML5プロフェッショナル認定試験の受験がおすすめです。合格すれば今の自分の実力を示すことができるだけでなく、学習の過程でHTMLやCSSの知識をより深めることもできます。
この記事では、HTML5プロフェッショナル認定試験の概要や難易度、取得するメリット、そしておすすめの参考書などの勉強方法について解説します。
なお、未経験からITエンジニアへの就職に興味がある方や未経験からプログラミングを効率よく学びたいと考えている方は、就職率98.3%で受講料無料のプログラミングスクールプログラマカレッジもおすすめです。
最終更新日:2023年6月20日
目次
HTML5プロフェッショナル認定試験とは、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)による認定制度です。
問われるのは、HTML5、CSS3、JavaScriptなど文書構造や装飾を扱うマークアップに関する知識や技術力です。
Level.1、Level.2の2段階が用意されていて、それぞれ出題範囲や認定条件が異なります。
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1では、HTML5はもちろんCSSやレスポンシブWebデザインなどを用いてユーザー体験を考慮したWebコンテンツを設計・製作するスキルが求められます。
WebデザイナーやHTMLコーダーはもちろん、スマートフォンアプリ開発者やサーバーサイドエンジニアなどさまざまな職種が対象となっています。
試験範囲 | ・Webの基礎知識 ・CSS ・要素 ・レスポンシブWebデザイン ・APIの基礎知識 |
---|---|
対象職種 | ・Webデザイナー ・グラフィックデザイナー ・フロントエンドプログラマ ・HTMLコーダー ・Webディレクター ・Webシステム開発者 ・スマートフォンアプリ開発者 ・サーバーサイドエンジニア |
レベル | ・アプリケーションスペシャリストレベル2 ・ソフトウェアディベロップメントレベル2 |
HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2は、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル1と比較して高いレベルのマークアップが求められるとともに、Javascriptのスキルも問われます。
また、オフラインでの仕様やマルチデバイスへの対応、動的コンテンツの作成についての技術や知識を持っていることも要求されます。
HTML5プロフェッショナル試験レベル2の認定を受けるためには、有意な(有効期限が切れていない)HTML5プロフェッショナル試験レベル1認定を保有していることも条件となります。
試験範囲 | ・JavaScript ・WebブラウザにおけるJavaScript API ・グラフィックス・アニメーション ・マルチメディア ・ストレージ ・通信 ・デバイスアクセス ・パフォーマンスとオフライン ・セキュリティモデル |
---|---|
対象職種 | ・Webデザイナー ・フロントエンドプログラマ ・HTMLコーダー ・Webディレクター ・Webシステム開発者 ・スマートフォンアプリ開発者 ・サーバーサイドエンジニア |
レベル | ・アプリケーションスペシャリスト レベル3 ・ソフトウェアデベロップメント レベル3 |
経済産業省が認定するIT関連資格のスキルレベルを表す仕組みに、ITスキル標準※ というものがあります。
HTML5プロフェッショナル認定試験の認定レベル、および同レベルに該当する主な試験は、次の通りです。
同レベルの主な試験を見ると分かるように、HTML5プロフェッショナル認定試験はレベル1でも完全な入門レベルの試験ではなく、しっかりとした専門知識が必要な試験となっています。
ITスキル標準 | 同レベルの主な試験 | |
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レベル1 | エントリレベル(レベル2) | CCNA、LinuC-2、LPIC-2、Ruby Gold、PHP準上級、ORACLE MASTER Silver、基本情報技術者試験 など |
レベル2 | ミドルレベル(レベル3) | CCNP、LinuC-3、LPIC-3、PHP上級、ORACLE MASTER Gold、応用情報技術者試験 など |
参照:TISSのキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップver11r2|スキル標準ユーザー協会
※ITスキル標準(TISS)とは:経済産業省が定めるIT関連能力を体系化したスキル指標
HTML5プロフェッショナル認定試験の合格率には、公式発表はありません。
なお合格に必要な正答率については、7割程度と公式で回答されています。
HTML5プロフェッショナル試験に向けては、さまざまな学習方法があります。
公式サイトでは、まずHTML5道場やメルマガで基礎を学ぶことから始め、セミナーに参加した後で参考書やオンラインを利用して学習することが推奨されています。
HTML5プロフェッショナル試験のために役立つ参考書や学習方法について解説します。
今すぐ手軽に始められるのは、参考書で学習する方法です。
HTML5プロフェッショナル試験のためのおすすめ参考書5選をピックアップしました。
▸著者:株式会社富士通ラーニングメディア/
抜山 雄一/七條 怜子/
松井 正徳/結城 陽平
▸出版社:翔泳社
▸出版日:2018/3/12
▸価格:3,080円
▸ページ数:304ページ
出典:Amazon
一問一答形式で問題を解いてすぐに答えを確認できる、スムーズに学習しやすい問題集です。
本番の試験に近い形式で問題が掲載されているのも合格に向けてのメリットとなっています。
それぞれの問題に試験における重要度が示されているので、重要度の高い問題から学習するなど効率よく学習を進められる教材でもあります。
模擬試験も掲載されているので、試験直前には時間配分などの確認にも便利です。
▸著者:大藤 幹/鈴木 雅貴
▸出版社:マイナビ出版
▸出版日:2017/7/26
▸価格:3,498円
▸ページ数:312ページ
出典:Amazon
2017年に改定された新出題範囲に対応した参考書です。
出題範囲のみでなく、関連知識も含めて解説されているのでHTML5を使った実務で活躍したい人にも役立つ内容となっています。
HTML5プロフェッショナル認定試験に必要な知識をまとめた対策テキスト部分と問題集部分にわかれているので、事前に必要な情報を学習してから問題を解いて定着度を確認することができます。
HTML5に関しての知識やスキルに自信がない初心者さんが1から学習するための参考書としてもおすすめです。
▸著者:赤間 公太郎/狩野 咲/鈴木 清敬
▸出版社:技術評論社
▸出版日:2019/3/1
▸価格:2,948円
▸ページ数:336ページ
出典:Amazon
HTMLとCSSについて初歩から学習したい人向けの書籍です。
実際に専門学校で講義されている内容を元に作られていて、1歩ずつ進んでいくような感覚で学習ができます。
実習ファイルをダウンロードして手を動かしながら学習したり、練習問題を解きながら進めていくことで「わかったつもり」になってしまうことを避けられる教材でもあります。
これからWebの世界で仕事をしていきたいという人はもちろん、自分の知識をきちんと確認し直したいという人にもおすすめです。
▸著者:Mana
▸出版社:SBクリエイティブ
▸出版日:2019/3/16
▸価格:2,486円
▸ページ数:280ページ
出典:Amazon
知識ゼロの状態からでもHTMLとCSSを学ぶことができる書籍です。
最新の情報についても触れられているので、知識のアップデートを意識的に行いたいという人にもおすすめです。
1つのWebサイトを作りながら学んでいくことで、実務に近い生きた知識を取り入れられる本となっています。
HTMLやCSSで何ができるかだけでなく、ユーザーにとって使いやすいデザインとは何かということを合わせて学んでおきたいという人におすすめです。
▸著者:エビスコム
▸出版社:マイナビ出版
▸出版日:2017/8/28
▸価格:4,655円
▸ページ数:368ページ
出典:Amazon
フロントエンジニアやWeb制作に関わる人向けのガイドブックです。
HTML5やCSS3に関して一通りの知識を持っている人が、より知識を深めたいと感じたときにおすすめの参考書となっています。
HTML5やCSS3を「使える」だけではなく「使いこなせる」レベルを目指すための解説がなされていて、試験対策としてはもちろん、実際の制作の現場でも役立つ書籍です。
初心者向けの本を読んでみたけれど物足りなかった、読み終わったのでステップアップしたいというときに利用してみてはいかがでしょうか。
HTML5プロフェッショナル認定試験の公式サイトには、サンプル問題も掲載されています。
誰でも無料で利用できるので、試験のレベルはどのようなものなのか、今の実力で受けても大丈夫かなど迷ったときにはぜひ利用してみてください。
レベル別、分野別に多数のサンプル問題が用意されているので、参考書での学習を終えた後に自分自身の理解度を確認するためにも利用しやすい内容です。
▸サンプル問題/例題解説|公式サイト
なお、ここで紹介されているのはメルマガで紹介された例題のアーカイブとなっています。
メルマガでは例題の解説に加えて受験に役立つ情報なども配信されるので、HTML5プロフェッショナル認定試験の受験を考えている方はぜひ登録しておくと良いでしょう。
▸メールマガジンのご案内|公式サイト
「就職や転職のためにいずれHTML5を習得したいと考えているけれど、独学ではなかなか難しい…」そう感じているプログラミング初心者の方には、HTMLの基礎から学べるスクールもおすすめです。
無料のプログラミングスクールである「プログラマカレッジ」では、基本の「HTML/CSS」だけでなくレベル2の試験範囲である「JavaScript」まで、座学の講義を通してしっかりと学ぶことが可能です。
プログラマカレッジには、HTML以外にもWebプログラマに必要なスキルを習得するためのカリキュラムが満載です。
まず基礎をしっかりと身につけることで、HTML5の習得難易度も大きく変わります。
これからITエンジニアを目指したいという方は、一度プログラマカレッジをのぞいてみてはいかがでしょうか。
実務経験やプログラミング経験がない方に特に「IT初心者じゃないけどHTML5の実務経験はないから独学はむずかしい…」というタイプの方におすすめの学習方法が、LPI-Japanが主催しているセミナーに参加することです。
セミナーに参加することで、試験のポイントや概要をあらためて確認できたり、書籍で読んだだけではわかりにくかった技術解説を講義形式で聞けたりといったメリットがあります。
無料セミナーも多いので、近くで開催される際にはぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
セミナーの日程や内容の詳細は公式サイトから確認できます。
▸イベント・セミナー|公式サイト
HTML5プロフェッショナル認定試験の試験日には決まった日程はなく、全国各地にあるテストセンターで随時受験することが可能です。
あらかじめ予約をする必要がありますから、予約方法や支払い方法などの詳細は公式サイトを確認してください。
▸受験申込|公式サイト
HTML5プロフェッショナル試験に合格することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
受験を考えている人は、ぜひメリットについても知っておきましょう。
技術者が身に付けたいスキルとしては、Javascriptやマルチデバイス対応、HTML5などが人気となっています。
スキルとして人気となっているということは、裏を返せばそれだけ必要とされている技術であるということでもあります。
これらのスキルはHTML5プロフェッショナル試験の試験範囲内となっているので、合格することで技術力の証明として利用することが可能です。
一般的に自分がどの程度のスキルを持っているかというのは、面接などの場では示しにくいものです。
実際に現場で仕事をし始めて、持っているスキルが求めていたもの、求められていたものと違っていたという経験をしたことがある人もいるでしょう。
一方で、HTML5プロフェッショナル試験のように客観的な指標があれば、自らのスキルを示しやすいため就職や転職活動に役立てることができます。
HTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5、CSS3、JavaScriptなどのマークアップに関するスキルや知識を認定するための試験です。
HTML5プロフェッショナル認定試験に合格すると技術力の証明となります。
今後プログラマとして就職を目指す上で、HTMLの基礎知識があることは大前提となる場面も多いでしょう。ご自身のスキルを証明する資格取得を目指し、紹介したおすすめ参考書やオンラインのサンプル問題を利用しながら学習を進めてみてください。
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