ITパスポートと基本情報技術者試験、どっちを取得すべきか迷っている方向けに、違いやそれぞれの難易度を解説。さらに、どちらを取得すべきか判断する方法も解説します。IT系の資格取得を目指したい方はぜひご覧ください。
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最終更新日:2023年11月9日
プログラマカレッジ
キャリアアドバイザー 松山 光
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目次
ここでは、以下の項目に沿ってITパスポートと基本情報技術者の違いについて確認してみましょう。
• 受験資格の違い
• 試験範囲・内容の違い
• 合格率の違い
• 試験の難易度の違い
受講対象者 | 難易度 | |
---|---|---|
ITパスポート | ITを利活用するすべての社会人とこれから社会人になる学生 | やさしめ |
基本情報技術者試験 | ITエンジニアとしてのキャリアをスタートする人 | やや難しめ |
ITパスポートと基本情報技術者試験について、以下でさらに詳しく解説します。
ITパスポートは、ITリテラシーを向上させたい人や、IT技術の活用を進めたい人に適した試験です。IT系の知識が必要な仕事をする人すべてを対象としているため、技術者以外の人でも取得しておくと役立つでしょう。
現在では、IT企業だけでなく一般的な企業でも、ほとんどの場合パソコンをはじめとしたITツールを利用します。つまり、実質的にはすべての人を対象とした試験といえるでしょう。
ITパスポートは、IT技術についての基本的な知識を持っていることを示す資格です。IT関連の業務に就きたい人や、一般的な事務の仕事をする人にも有効です。
ITパスポートについては、以下の記事でさらに詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
基本情報技術者試験は、エンジニアの登竜門ともいわれている試験です。ITを活用した製品やサービス、システム開発などを行いたい人向けの試験で、ITパスポートと比べるとやや難易度は高めです。
ITを活用するだけでなく、実際に何かを作ってみたい人やこれからエンジニアを目指す人を対象としています。基本情報技術者の資格を取得していると、適切な指導のもとでプログラムの作成やシステムの設計ができることを示せます。
知識を持っているだけでなく、実践的なスキルがあると示したい人に適した資格です。
基本情報技術者試験については、以下の記事でさらに詳しく解説していますのでぜひご覧ください。
ITパスポートと基本情報技術者では、試験範囲や内容が次のように異なります。
ITパスポート | 基本情報技術者試験 | |
---|---|---|
受験日 | 随時 | 随時 |
試験時間・ 出題形式・ 出題数 |
試験時間:120分 出題形式:四肢択一式 出題数:100問 |
【科目A】 試験時間:90分 出題形式:多肢選択式(四肢択一) 出題数:60問 【科目B】 試験時間:100分 出題形式:多肢選択式 出題数:20問 |
受験方法 | CBT方式 | CBT方式 |
合格基準 | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること | 科目A、科目Bともに600点以上 |
出題範囲 | ストラテジ系(経営全般)35問 マネジメント系(IT管理)20問 テクノロジ系(IT技術)45問 (合計100問) |
ストラテジ系(経営全般)7問 マネジメント系(IT管理)12問 テクノロジ系(IT技術)61問 (合計80問) |
期待する技術水準 | ツールの活用や関連する知識を求められる | 企画への参加や実際の設計・構築のスキルを求められる |
ITパスポートと基本情報技術者試験は、どちらもCBT方式で随時受験が可能な試験です。どちらも「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3分野から、幅広く出題される点は共通しています。
ただし3分野から比較的まんべんなく出題されるITパスポートに比べ、基本情報技術者は出題数の約4分の3をテクノロジ系が占めるなど、重視する分野に違いがあります。
大きく異なるのは、期待する技術水準です。ITパスポートは、ツールの活用や関連する知識を求められるのに対して、基本情報技術者は企画への参加や実際の設計・構築のスキルを求められます。
また、合格基準も異なります。ITパスポートでは、合計600点を取らなければならないことにくわえ、各分野それぞれ300点以上でなければ合格できません。基本情報技術者は、科目A・科目Bの両方で600点必要です。
基本情報技術者とITパスポートの合格率の推移は次の通りです。
合格率(%) | |||
---|---|---|---|
基本情報技術者 | ITパスポート (CBT方式) |
||
平成27年度 | 春期 | 26 | 47.4 |
秋期 | 25.6 | ||
平成28年度 | 春期 | 30.4 | 48.3 |
秋期 | 23.6 | ||
平成29年度 | 春期 | 22.5 | 50.4 |
秋期 | 21.8 | ||
平成30年度 | 春期 | 28.9 | 51.7 |
秋期 | 22.9 | ||
平成31年度 (令和元年度) |
春期 | 22.2 | 54.3 |
秋期 | 28.5 | ||
令和2年度 | 春期 | 中止 | 58.8 |
10月(CBT方式) | 48.1 | ||
令和3年度 | 春期(CBT方式) | 41.6 | 52.7 |
秋期(CBT方式) | 40.1 | ||
令和4年度 | 春期(CBT方式) | 39.6 | 51.6 |
秋期(CBT方式) | 35.6 |
出典:統計情報|IPA
合格率を見ると、ITパスポートの方が取得しやすい資格であることがわかります。また、ITパスポートは次の通り学生と社会人で合格率に差があります。
■ 令和4年4月~令和4年12月の合格率
社会人 | 56.6% |
---|---|
学生 | 39.9% |
平均合格率 | 52.8% |
ITパスポートは、試験範囲が非常に広いため、事前の知識の有無で合格率に差が出やすい試験です。そのため、経験値の高い社会人の合格率が高いと推測できます。ITの基礎的な知識を問う資格ではあるものの、専門用語も多く出題されるため、IT初心者にとっては難易度が高いと感じられることがあります。
試験の難易度は「ITスキル標準(ITSS)」を見るとわかります。ITスキル標準とは、経済産業省が定めるIT関連能力を体系化したスキル指標のことです。
代表的な情報系資格のITスキル標準は次の通りです。
ITSSの認定レベル | 同レベルの主な試験 |
---|---|
エントリレベル(レベル1) | ITパスポート試験、Ruby Silver、PHP初級、ORACLE MASTER Bronze など |
エントリレベル(レベル2) | 基本情報技術者試験、CCNA、Ruby Gold、PHP準上級、ORACLE MASTER Silver など |
ミドルレベル(レベル3) | 応用情報技術者試験、CCNP、PHP上級、ORACLE MASTER Gold など |
ITパスポートはITスキル標準のレベル1、基本情報技術者はレベル2に該当します。ITスキル標準からも、ITパスポートより基本情報技術者の方が難易度が高い試験であることがわかります。
ITパスポートの難易度や合格率については、次の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
基本情報技術者試験とITパスポートでは、同じ分野から出題される部分も多くあります。しかし、基本情報技術者が技術者のスキルを問う資格であるのに対して、ITパスポートはITを活用する人向けの資格です。
そのため、一部基本情報技術者の勉強だけではカバーしきれない部分もあります。ITパスポートも取得したいのであれば、基本情報技術者の学習だけでなく、以下の記事で紹介しているようなITパスポートの問題集などにも触れておくと安心です。
*CCNA:ネットワークエンジニアとしての入門資格ともいえるシスコ認定資格の一種
基本情報技術者とCCNAのITスキル標準は同じですが、試験の性質は異なります。CCNAはネットワークやシスコ機器を扱うスキルを示す資格であるのに対して、基本情報技術者はコンピューターやプログラムの仕組みを理解しているかを問うものです。
基本情報技術者試験は網羅している範囲が広いため、資格の勉強に役立つ可能性はあります。しかし、基本情報技術者の資格を持っているからといって、必ずしもCCNAの取得に十分なスキルを持っているとは限りません。
IT初心者であれば、ITパスポートから先に取得するのがおすすめです。基本情報技術者は初心者にとって難易度の高い試験ですが、ITパスポートに合格してから基本情報技術者試験に挑戦することで、スムーズに学習を進められます。
転職のために資格を取得したいと考えている方や実務経験のある方なら、ITパスポートを取得せずに基本情報技術者を取得してもよいでしょう。
ITパスポート試験には、特に受験資格はなく年齢や国籍を問わず試験を受けられますが、中でも以下のような人におすすめです。
✔ ITに関する知識を基礎から身につけたい人
✔ IT企業との商取引やIT部門の会議に参加する非IT系の人
✔ 情報処理に携わる部署の管理職に就任した非IT系出身者
未経験からIT業界への就職を目指すにあたって、ITに関する知識を基礎から身につけたい人には、基本を幅広く学べるITパスポートがおすすめです。
また、ITパスポートでは業界の専門用語の知識も習得できるため、非IT系の人であっても IT企業との商取引や情報系部門の会議に参加する機会があるなら、取得しておくとよいでしょう。
さらに、試験では開発技術やプロジェクトマネジメントなどについても問われるため、情報処理に携わる部署の管理職に就任した非IT系出身者の方にもおすすめです。
資格取得後、どのように資格を活かしたいのかもあわせて考えておきましょう。
基本情報技術者試験は次のような人におすすめです。
✔ ITエンジニアを目指す人
✔ IT企業に勤める社会人
プログラマーやエンジニアを目指すなら、基本情報技術者試験を持っていると高い評価を得られます。一方で、ITパスポートはそれほど評価は高くありません。
なぜなら、ITパスポートで問われる範囲の知識は基本的なものであるため、IT業界で働く人であれば知っていて当たり前と考えられているためです。それに対して基本情報技術者を取得していると、エンジニアとしての基礎を身につけていることを示せるため、高い評価が得られます。
ITパスポートがあれば、基本的なITの知識を持っている人物であると示せます。また、業務でITを扱うにあたって必要なリテラシーも、ある程度持っているだろうと推測できます。
そのため、ITパスポートは就職や転職の際に評価されやすいのがメリットです。
自分のスキルを客観的に示せることが、基本情報技術者の資格を取得するメリットです。就職や転職活動の短い時間だけで、自分のスキルを適切に示すのは難しいものです。しかし、基本情報技術者の資格を持っていれば、エンジニアとしての基礎的な知識とスキルを持っていることを示せます。学習の中で専門用語を学ぶため、他のエンジニアとの意思疎通もスムーズです。
また、基本情報技術者の取得には体系的な学習が必要です。基礎の部分を体系的に学んでおくと、キャリアアップのための学習にも役立ちます。
ITパスポートと基本情報技術者では、勉強方法にも違いがあります。ここからは、それぞれの資格の勉強方法を紹介します。
ITパスポート試験は、効率的に学習計画を立てれば最短1ヶ月で合格を目指せます。1ヶ月で合格を目指す場合の勉強方法は以下の通りです。
✔ 最初に1ヶ月の学習スケジュールを立てる
✔ 参考書、過去問題集で知識を培う
✔「ITパスポート公式サイト・過去問題」を実践する
詳しくは以下の記事をご覧ください。
基本情報技術者の勉強には、以下のような方法があります。
• 参考書
• 過去問
• 模擬試験
まずは参考書全体を見て、どのような内容が問われるのか把握しましょう。
未経験者の方で、参考書全体を見て難しすぎると感じた場合には、先にITパスポートの取得も検討してください。
実務経験者の方であれば、参考書すべてを1から勉強する必要はありません。軽く参考書をめくりながら、自分がわかる部分とわからない部分を把握しましょう。その後、参考書や過去問を利用して、わからない部分を中心に学習を進めるのがおすすめです。
基本情報技術者試験の詳しい勉強法は、以下の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
ITパスポート試験の学習をしていると、用語やリテラシーを知らずにいきなり基本情報技術者試験の学習を進める場合よりはスムーズです。基本情報技術者試験では多くの専門用語が使われるため、その時点で学習につまずく人も多くいます。
情報系学科を卒業していれば2週間程度の学習で合格できる人もいますが、初心者の場合には数ヶ月の学習時間が必要です。ITパスポートの取得に向けて学習した経験があれば、学習時間を少し減らせる可能性があります。
合格者が実際に要した勉強時間については、次の記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
ITパスポートは1年以内の取得を目指すのが理想ですが、未経験でプログラミングもしたことがなく、教育も受けたことがない人の場合は1年かけても取得が難しいことがあります。
そのような人は資格取得の学習を始める前に、まずは何かを形にする経験をした方がよいでしょう。プログラマカレッジのような、無料のプログラミングスクールでまずプログラミングを実践し、自信が付いたらそれを仕事に繋げつつ、最短での資格取得を目指すのがおすすめです。
資格試験を受けるには明確な目的が必要です。資格取得は、あくまでも目的達成にむけた1つの手段と考えましょう。
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