「ITエンジニアはスキルがあれば資格は不要」と言われることがありますが、未経験者がエンジニアを目指すなら資格の取得がおすすめです。この記事では、ITエンジニアに資格はいらないと言われる理由や未経験者に取得をおすすめする理由とメリットも解説します。さらに、未経験者におすすめのIT資格も紹介しますので、ぜひご覧ください。
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最終更新日:2024年3月25日
プログラマカレッジ
キャリアアドバイザー 加藤憲康
キャリアアドバイザーとしてIT経験・未経験問わずに求職者様の転職活動をご支援をさせていただいております。
私自身、大学で情報工学を専攻後、メーカー系の大手Sierに就職し、SEとして働いていた経験があります。業界経験者であるという強みを活かし、求職者様に寄り添った面談を心がけております。
目次
ITエンジニアにとって、資格は必ずしも必要ではありません。
しかし、資格を取得することにはさまざまなメリットがあるため、例えば、転職を目指す場合には自分のスキルを客観的に示せる根拠となりますし、資格手当を支給する会社もあるので、一概に「ITエンジニアに資格はいらないですよ」とは断言できない、というのが結論です。
「ITエンジニアに資格はいらない」と言われる理由は、主に以下の4つです。
ここからは、それぞれの項目について、実際のエンジニアの声を交えながら解説しましょう。
医師や弁護士などの場合、その仕事をするためには必ず免許が必要ですが、ITエンジニアにはその必要はありません。
実際のところ、スペシャリストと呼ばれる優れた技術を持つエンジニアの中にも、資格を持っていない人もいますし、また、IT資格は「免許」ではないため、その資格がなければ働けないことはなく、あくまでもスキルや知識を証明するための指標でしかないからです。
仕事においてのITエンジニアの評価は、「この人は何ができるのか?」について最も注視されます。
また、それまでに培ってきた経験も重要視されますが、それらに比べると資格に関する評価は低くなる傾向があります。
その理由は、知識だけを詰め込んで資格を取得しても、実際の業務ができなければあまり意味がないと判断されるからです。
【実際のITエンジニアの声】
参照:「IT資格」を取得する意義を問う、技術者345人の本音|日経クロステック
IT資格にはたくさんの種類がありますが、数が多いがゆえに、それぞれの資格がどのような目的で作られ何を証明しているのかが不明瞭で、かつ、各資格のレベルも客観的にわかりづらいため、その資格について適正な評価を下し難いのが実情です。
そのため、的確に評価されないのであれば資格を取得する必要はない、と考える人もいます。
【実際のITエンジニアの声】
参照:「IT資格」を取得する意義を問う、技術者345人の本音|日経クロステック
逆に言えば、予め評価されるとわかっている資格を狙って取得するのであれば、非常に有効です。
転職を目指す企業の求人情報などに、資格に関する記載があれば前もってその資格を取得しておくと採用確率が高まるので、積極的に取得することをおすすめします。
ポートフォリオとは、自身の制作物をまとめた作品集のことです。
ITエンジニアへの就職を目指すための就活の際には、ポートフォリオの提出を求められることが実際に多くあります。
なぜなら、ポートフォリオをひと目見れば、その人がどれだけ実務に役立つスキルを持っているかや、業務遂行能力があるかなどがわかるからです。また、面接で話をしただけではわかりづらいプログラミングスキルも、ポートフォリオを見れば一目瞭然です。
就職活動や転職活動の際には、自分が持っているスキルや知識を採用担当者にうまくアピールすることが求められます。
資格取得も、自己PRのための手段のひとつではありますが、資格を取得した実績よりも、目で見てわかるポートフォリオを提出した方が採用側に熱意も伝わりやすいので、実務に対応できるスキルを証明したいのであれば、ポートフォリオの作成に重きをおいたほうが就活においては有利である、と言えるでしょう。
IT資格を取得するメリットを具体的に挙げるとすれば、以下の4つです。
それぞれの項目について以下で詳しく解説しますので、引き続き、実際のエンジニアの声とともに見ていきましょう。
資格を取得すると、ITエンジニアに必要な基礎知識が身につきます。また、日々の仕事の中で自然と身につく知識は、どうしてもその業務のみに関する知識に偏ってしまいがちです。
しかし、資格対策に向けて勉強する過程で、その分野の知識を体系的に把握できるようになるので、業務知識の幅を広げたい場合や、不足している知識を補いたい場合にも資格取得は有効な方法です。
【実際のITエンジニアの声】
参照:「IT資格」を取得する意義を問う、技術者345人の本音|日経クロステック
IT資格は、就活においてITスキルを客観的に証明するためのツールとしても有用です。
また、企業によっては資格を保有していることでより有利に転職活動を進められる場合もありますし、場合によってはその資格がなければ応募できないケースもあります。
【実際のITエンジニアの声】
参照:「IT資格」を取得する意義を問う、技術者345人の本音|日経クロステック
政府・公共系の仕事や、金融系の仕事などでは参画するエンジニアの条件として資格取得が定められているケースが多くあります。そのため、仕事の幅を広げるためも資格取得は有効な方法です。
また、AIやクラウドについては現時点で案件実績の多いエンジニアが少ないため、関連資格を取得することによって専門知識を持っていることを示せるだけでも、企業内で重宝される可能性がありますよ。
日進月歩のIT業界で働くITエンジニアは、常にスキルの向上を求められる職業です。資格取得のための勉強は、自身のスキルアップにつながりますし、学び直しにも最適です。
また、資格を取得したことによって新しい案件に参画できる可能性も広がるので、今までと違った案件に関わることで、実務経験や新たなスキルを得るための良いチャンスに出会うきっかけにもなるでしょう。
【実際のITエンジニアの声】
参照:「IT資格」を取得する意義を問う、技術者345人の本音|日経クロステック
企業によっては、基本給に加えて資格手当を別途で支給してくれる場合もあります。
そのため、希望職種に関連した資格を就活前に取得しておくと、就職・転職時も入社時から手取り額のアップが期待できるというメリットも。また、難易度の高い資格ほど、考慮される額も上がる傾向にあるので、これから就活を控えている方はぜひ積極的に取得しておくと良いでしょう。
リクナビNEXTによると、資格手当支給額の平均的な相場は以下のとおり。
• 基本情報技術者:4,650円/月額
• ORACLE MASTER silver:6,625円/月額
• Javaプログラミング能力検定試験1級:10,000円/月額
• CCNA:11,250円/月額
資格取得の難易度による金額の違いはありますが、5,000円~10,000円程度の差だと考えておけば良いでしょう。
なお、CCNAの資格取得には、わかりやすさにこだわったアニメーション学習と合格率90%以上が特徴の活学ITスクールがおすすめです。
未経験者がITエンジニアを目指すなら、資格取得は非常に有効な方法です。その主な理由は以下の3つです。
ここでは、それぞれの項目について詳しく解説していきましょう。
興味を持ってエンジニアになったものの、「いざ仕事を始めてみたら楽しいと感じない」「スキルアップのための勉強が辛い」という理由で挫折してしまう可能性もあるかもしれません。
しかし、前もってIT資格を取得するための勉強をしていれば、その時点で自分がエンジニアに向いているかどうかがわかるため、事前に適性を知ることができるというメリットもあります。
試験勉強を進めるなかで、ITに関する専門用語にどうしても馴染めない、テキストの内容に興味が持てず読み進めること自体が辛いと感じたら、その時点で別の職業を目指すなど即座に方向転換することで、無駄なく就活できるでしょう。
資格取得のための学びは、エンジニアに必要とされる知識の習得に繋がっているため、スキルを体系的に身につけられるというメリットがあります。
特に、実務経験がない未経験者の場合には、どんな内容の知識をどの程度身につければ良いのかわからないケースも多いため、資格取得をひとつの目標とすることで、モチベーションを保ちながら学習をすすめやすくなるでしょう。
就活前にIT資格を取得しておくと、業務に必要な基本知識や技術を持ち合わせていることを証明できるだけでなく、未知の分野の資格を自力で取得したエピソードを添えることで「どうしてもIT業界で働きたい」という熱意のアピールにもつながります。
IT業界はトレンドの変化が早く、就職や転職をしたあとも継続的に学習することが求められる業界です。こうした業界に未経験から入社を目指す際、事前に資格を取得していると、スキルの証明とともに、目標の達成に向けて地道に学習をコツコツ続けられる能力があることも同時に示すことができます。
採用の場では、資格の難易度よりも資格取得までの一連のプロセスを評価してもらえることも多いため、資格取得は転職にとても有効です。
また、プログラミングスクール卒業などの経歴は、スクールによってスキルレベルに差が出てしまいがちなため、就活においても評価に繋がりにくいケースもあります。
その点、資格取得は合格していることで一定のスキル基準を満たしていることを証明しやすいので、採用担当者にもアピールしやすくなるのです。
なお、IT資格の種類や、IT業界への就職や転職に有利なIT系資格については、以下の記事で詳しく紹介しているので、就活を控えている方はこちらも参考にしてください。
■ ITパスポートとは?
ITパスポートとは、経済産業省認定の国家資格。IT系の国家試験の中では一番簡単なレベル1に該当する資格試験で、高難易度のIT資格に挑戦するための土台を固める入門資格としても知られています。
■ どんな人におすすめの資格?
この試験は、IT業界未経験者や初心者向けの試験なので、ITエンジニアに限らず、IT業界で働きたい人や、ITに関する一般的な知識を身につけたいと考えている人にもおすすめです。
■ 取得するメリットとは?
ITに関する幅広い分野の基礎知識を身につけられるだけでなく、事務系職種に応募する方にとってもパソコンの基本スキルを証明できるので、ITリテラシーを高めたい学生やすべての社会人にとって取得するメリットがあるでしょう。
合格率 |
社会人(IT系):53.6% ※上記は令和6年2月度の合格率 |
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出題形式 | CBT(選択問題) |
試験時間 | 120分 |
試験日 | 随時実施 |
受験料 | 7,500円(税込) |
公式サイトURL | https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html |
この試験は、コンピューターを利用する「CBT」という方式で行われます。出題分野はストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3分野に分かれ、いずれも基礎的な内容を理解しているかが問われます。
なお、合格までの勉強時間は50〜100時間程度が目安です。ITエンジニアを目指す場合、ITパスポートは就職活動においてそれほど有利になる資格ではありませんが、現代の社会人にとって欠かせない「IT力」が証明できるので、取得しておいて損はないでしょう。
■ 基本情報技術者試験とは?
情報処理技術者試験は、ITパスポートと同じく、経済産業省認定のIT系国家資格です。ITパスポートの次に難易度が高い資格ですが、その名のとおり「ITエンジニアの基本」知識が問われる試験なので、これからITエンジニアとして働きたい方は、積極的に取得してみましょう。
■ どんな人におすすめの資格?
ITパスポートがITを利活用する人向けの資格であるのに対して、基本情報技術者試験はIT業界で働くための基礎知識を問う資格なので、ITエンジニアをはじめとした高度IT人材になるための基礎知識を身につけたい方におすすめです。
■ 取得するメリットとは?
基本情報技術者試験は「ITエンジニアへの登竜門」ともいわれている資格なので、ITエンジニアの就職・転職時のアピールにも十分な効力を発揮します。
合格率 |
経験なし:40.0% ※勤務経験年数別の合格率/上記は令和6年2月度の合格率 |
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出題形式 | 多肢選択式 |
試験時間 | 科目A試験:90分 科目B試験:100分 |
受験日程 |
通年 ※2023年4月5日より年間を通じて試験が実施され、随時受験が可能 |
受験料 | 7,500円(税込) |
公式サイトURL | https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html |
出題分野はITパスポートと同じく、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野です。
テクノロジ系では考え方を理解するだけでなく、実際にプログラミング言語の習得を求められるなど、3つの分野それぞれにおいて、ITパスポートよりも難易度も高くなっていますが、システムエンジニア(SE)やプログラマーといったIT技術者を目指す方は、ぜひ積極的に取得してみましょう。
また、初心者向けのIT系資格についてもっと知りたい方は、比較的簡単なおすすめのIT資格を紹介した以下の記事も参考にしてみましょう。
今回は、ITエンジニアに資格はいらないと言われている理由や、未経験者にこそIT資格の取得をおすすめする理由について解説しましたが、いかがでしたか?
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