需要が年々増加しており、人材不足が続いているITエンジニア。高度な専門性を有する一部の人材は、年収1000万円を越える場合もあります。
今回は、年収1000円以上を稼ぐためにはどうしたらいいのかについて解説していきます。
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最終更新日:2024年4月19日
目次
エンジニアは年収1000万円以上を稼ぐこともできます。しかしそれを達成できるのは全体の一握りです。
エンジニアの平均年収は553~562万円前後です。この数字から、ほかの業種と比べると高年収ではあるものの、年収1000万円を越える人は少ないことが分かります。
年収1000万円越えのプレイヤーになるためには『キャリアアップ』『外資系への転職』『副業』『フリーランス』など自分に合ったキャリアパスの選択・検討が必要です。
35歳時点のシステムエンジニアの平均年収は以下の通りです。
『35歳の全体の平均年収』は455万円なので、システムエンジニアは他業種と比べて年収が高い傾向にあるといえます。しかし年収1000万以上を稼ぐ人は多くありません。
参照元:賃金構造基本統計調査|厚生労働省
▶ 参考:
• コーダー/マークアップエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• オープン系SE・プログラマフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• スマホアプリエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
エンジニアが年収1000万円を目指すには、以下のような戦略的なキャリア形成が必要です。
戦略の練るときには『現実的なロードマップを組んで、着実な年収アップを狙う』ことが大切です。
たとえば今の年収をキープしつつ、副業を始める場合、まず以下の事実を踏まえる必要があります。
こういった現実を踏まえた上でロードマップを組むことで、実現可能性の高いキャリアパスを練ることができます。
参照元:副業の平均月収は4万7455円!月10万円以上稼いでいる人の特徴は?
エンジニアが本業一本で年収1000万プレイヤーを目指せる職種は、主にCTOやプロジェクトマネージャー、ITコンサルタントなどといった『管理職』です。
管理職として大成するには、プログラミングの知識だけでなく、マネジメント力や高いコミュニケーション力などが要求されます。
もし管理職ではなく技術者として高額年収を狙う場合は、AIやブロックチェーンなど稀少性が高く、なおかつ今後の市場拡大が見込まれる領域での専門性を高めていくことがおすすめです。
▶ 参考:
• CTO/VPoEフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• プロジェクトマネージャーフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• ITコンサルタントフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
20代のエンジニアの平均年収は、派遣を含めた場合はおよそ350万円、正社員のみに絞った場合はおよそ430万円です。この数字は全職業の平均年収額(派遣込み:230万円、正社員のみ:325万円)と比べると高いです。
参照元:賃金構造基本統計調査|厚生労働省
▸関連記事:
SEの年収は高い?20代SEの年収を雇用形態別に調査!
20代プログラマー平均年収はどれくらい?年収アップする方法も紹介
30代のエンジニアの平均年収は、30歳でおよそ465万円、35歳でおよそ560万円です。
30代になってくると、同じエンジニアでもキャリアパスによって大きく年収の差が生まれてきます。実際に30代のソフト系エンジニアの年収を『プロジェクトマネージャー』と『運用、監視、テクニカルサポート』で比較すると、およそ256万円の差があります。
参照元:賃金構造基本統計調査|厚生労働省
平均年収はプログラミング言語ごとにも異なります。たとえばもっとも高い年収を見込める『Go』『Scala』の平均年収はおよそ600万円です。また近年注目され求人数が大幅に伸びた『Python』や、スマホアプリの開発で活躍する『Kotlin』の平均年収はおよそ575万円です。
参照元:プログラミング言語別年収中央値を発表、求人検索エンジン「スタンバイ」調べ
▸関連記事:プログラミング言語による年収の差|20代プログラマー平均年収はどれくらい?年収アップする方法も紹介
20代のうちから年収1000万円プレイヤーを目指すことも可能です。たとえば新卒採用で『AIスペシャリストコース』を用意しているDeNAや、Googleやシスコ、アクセンチュアなどの外資系企業では、スキルに応じて高年収を狙えます。
開発経験が豊富なエンジニアは年収が伸びやすいです。とくに大手企業であれば以下のような経験が高く評価されます。
銀行、医療など市場規模が大きな業界のシステムは予算と開発規模が大きいです。システムが停止した際の影響範囲の大きさから、堅牢性が強く求められます。
一方ベンチャー企業であれば、以下のような経験が高く評価されます。
ベンチャー企業のビジネスは、いかに早くサービスをリリースできるかが勝負どころです。企画を即座に実装へと落とし込んでいく開発速度が求められます。
多くのプロジェクトでは『サーバーサイド』や『フロントエンド』など、さまざまな分野のエンジニアが協力してシステム開発にあたります。
しかし中には、ひとりでどんな分野の仕事でもこなしてしまう『フルスタックエンジニア』と呼ばれる人材もいます。システム開発の全体を担当できるフルスタックエンジニアは、プロジェクトの推進役になることができ、高く評価されます。
▶ 参考:フルスタックエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
AI、ブロックチェーン、VRなど今後の成長が予測される分野について高度な専門性を備えたエンジニアは、高く評価されます。
進化の激しいIT業界では、たびたび新たな技術やこれまでの常識をくつがえす開発手法が登場してきました。こういった新規技術を使いこなす高度なスキルを持った人材は常に不足している傾向にあります。
上流工程に必要な『開発力』『マネジメント力』『営業力』をすべて備えている人は多くありません。
また、上流工程はシステム開発における肝です。顧客の課題を正しく分析して、適切なシステム要件を導き出せなければ、どんなに優れたコードも意味がありません。
上流工程での適切な要求分析・要件定義ができる人材を目指すことは、年収を上げる近道です。
キャリアアップを目指すにあたって、たとえば明らかにマネジメントに適性のない人が、年収だけを目当てにマネジメント職に回ったとしても、成功の見込みは薄いでしょう。
しかし、自分の適性を自覚した上で『自分はエンジニアだが、コミュニケーション力にも自信があり、他部署や社外との橋渡し役としても活躍できる』と考えたら、まずはテックリードなどのポジションを目指しつつ、将来的にはCTOのポジションを狙い、ゆくゆく年収1000万を実現するといった流れを考えることもできます。
適性を把握して、年収アップへの現実的なロードマップを組みましょう。
エンジニアで年収1000万円を達成するために『理系出身であること』は必ずしも必要なことではありません。
たとえばGREE創業者の田中良和さんは日大法学部出身、メルカリ創業者の山田進太郎さんは早稲田大学教育学部出身です。両名共文系出身でありながら、エンジニアとして大成しました。
またWantedlyの仲暁子さんもまた京都大学経済学部出身であり、文系出身です。IT業界で成功するために『理系であること』は必須条件ではないのです。
▸関連記事:文系からでもエンジニアになれる!おすすめの仕事や向いてる人とは?
エンジニアがスキルアップに懸命になるあまり、『技術を身につけること』自体が目的化して、『技術でどう事業に貢献するか』という視点が抜けてしまう場合があります。しかし会社や組織にとって重要なのは、『その人がもっている技術』ではなく『その人が出した結果』です。
『自分の知識量』を増やすことも大切ですが、あくまでコミットすべきは『プロジェクトの成功』であることを忘れないようにしましょう。
組織には『特定分野のスペシャリスト』だけではなく、総合的な判断を下す『ジェネラリスト』も必要です。
たとえば上流工程の技術選定フェーズにおいて、プログラミング言語やフレームワーク、データベースなどの技術について幅広い知見を有するジェネラリストがいれば、より要件に合った技術を選ぶことができます。
最適な技術選定はプロジェクトの成否に大きく関わるので、複数スキルの掛け合わせができるジェネラリストは重用されるのです。
自分の持っている技術と、会社の事業領域がミスマッチを起こしている場合、上層部の側に『その人を評価できる指標』がないケースもあります。こういった状況では、年収を上げるのは困難です。
たとえば会社の事業領域がJavaを中心とした金融領域のシステム開発である一方で、自分が持っている『一番得意なスキル』がRuby on Railsによる圧倒的なスピード感の開発の場合、年収アップを狙うための選択肢は以下のふたつです。
この場合、年収を最短ルートで伸ばせるのは後者です。『より自分が必要とされる環境』ではさらなる専門性の獲得とキャリアアップを実現できます。
年収1000万円を稼ぐにあたって、趣味と仕事、家庭と仕事の両立などはだんだん難しくなっていきます。たとえば副業で月数十万円レベルの受注を継続するのは繁忙期にはかなりハードです。また、テックリードやCTOなどに昇格して年収を伸ばす場合も同様です。
自分と家族の時間の大半を犠牲にしてようやく手に入る『年収1000万円』について、どういった価値があるのかを自分なりの言葉で明確化できないと、やがてどこかで行き詰ります。
そのため、早い段階から思考を言語化して、自分が稼ぎたい理由を明らかにするのがおすすめです。自覚的に『年収1000万円』に向けて動くことができれば、着実な年収アップを狙えます。
年収1000万を目指すためには、フリーランスになることもまたひとつの手です。なぜならフリーランスエンジニアは平均年収が840万~960万円であり、標準的な正社員エンジニアの年収と比べると高い水準の収入を得やすいからです。
ただしフリーランスには『正社員のような保障がなく、仕事を獲得できなければ案件がゼロ』というリスクがあります。そのため一時的に大きく稼げても、実際に安心して自由に使えるお金は、見かけの年収より低い傾向にあります。
参照元:最新フリーランス案件情報(2020年6月)|プロエンジニア
年収1000万円以上を稼ぐことのできるエンジニアは、全体の一握りです。その一握りの高額プレイヤーになるためには、『CTOクラスを目指す』『副業で稼ぐ』『独立する』などの方法があります。
いずれの方法をとるにせよ、共通する大切なことは『自覚的であること』です。自分の思考や適性を正確に把握して、その上で適切なキャリア戦略を練ることができれば、着実な年収アップを狙うことができます。
そのほか『高度な専門性の獲得』『上流工程の経験』『技術の掛け合わせ』などができればエンジニアとしてより重用されます。
自分に合った方法でエンジニアとしてのキャリアアップを図っていきましょう。
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