【2024年版】本記事では、SE(システムエンジニア)の年収、月給、および年間賞与の平均値と、直近5年間での変化について紹介します。システムエンジニアの年収は、年齢や性別、勤め先の企業規模によっても変動します。20代・30代・40代・50代の年代別、男女別、企業規模別にSEの平均年収をグラフで比較したので、今後SEとしてのキャリアを積むことを考えている方は、SEの年収が高い理由や年収を上げるための方法と合わせて、ぜひ参考にしてください。
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最終更新日:2024年9月2日
目次
※年収の算出方法:きまって支給する現金給与額(手取り額でなく、所得税、社会保険料などを控除する前の額)× 12ヶ月 + 年間賞与その他特別給与額
参照:令和5年賃金構造基本統計調査 第1表・第5表|厚生労働省
SEの平均年収は全体で684.91万円、男性SEの平均年収は711.39万円、女性SEの平均年収は562.26万円でした。そして、平均月給は47.75万円で、年間賞与の平均は111.91万円でした。
さらに、dodaの調査結果によると、2023年における日本人の平均年収が414万円であったことからも、SEの平均年収は他職種と比べていかに高いかということが分かるでしょう。
令和元年のSE(システムエンジニア)の平均年収は568.9万円で、令和2年には690万円に達し、令和3年にはさらに上昇して、ピークの733.6万円を記録しました。そして、令和4年は660.4万円と年収が減少しましたが、令和5年には684.91万円と再び上昇しています。
これらの変動は、経済状況や業界内の変化、技術の進歩、市場の需要など、多くの要因によって影響を受けている可能性がありますが、約700万円近い年収が期待できるSEという職種は、依然として、IT業界の成長と共にその価値は増す傾向にあります。
SE(システムエンジニア)の年間賞与の平均は令和3年がピークにある一方で、月給の平均は毎年わずかながら増加していることが分かります。
これらの変化には様々な要因が考えられますが、特に、年間賞与の減少は、企業が固定給を安定させつつ、パフォーマンスに基づくインセンティブを重視する傾向にあることを示している可能性も考えられます。また技術の進歩や市場の変化に応じて、特定のスキルを持つシステムエンジニアの価値が変動することも、給与の変動に影響を与えている可能性も考えられるでしょう。
■ SEの平均年収を年代別に比較すると?
20代前半では364.31万円でスタートしたSEの年収は、50代後半で847.62万円まで上昇していますが、これらのデータから、SE(システムエンジニア)としてのキャリアが進むにつれて、年収が増加する傾向があることが分かります。
また実務経験が増すごとに、特に30代から40代にかけて年収が大きく上昇することが見て取れますが、これはSEとしてのスキルや責任の増加、管理職への昇進などが影響しているとも考えられるでしょう。
一方50代では、年収の上昇幅がやや緩やかになるものの、依然として高い水準を維持していることが見受けられます。これはSEとしての豊富な経験と専門知識が、経験年数が増すにつれて市場価値として高く評価されていることを示唆しています。
■ SEの年収を男女別・企業規模別に比較すると?
従業員数が10~99人の小企業における男性SEの平均年収は687.47万円、女性SEの平均年収は549.51万円、そして、従業員数が100〜999人の中企業では、男性SEの平均年収が672.54万円、女性SEの平均年収が500.58万円でした。
また従業員数が1,000人以上の大企業における男性SEの平均年収は774.16万円、女性SEの平均年収が636.69万円とのことから、特に男性SEの場合は、企業規模が大きいほど平均年収が高くなる傾向にあるということが分かります。
女性SEの場合は、中企業の平均年収が小企業を下回っていますが、小企業の場合は、女性SEがより早く管理職や上級職に昇進する機会があるかもしれません。また小企業の場合、給与以外の福利厚生が限られているため、基本給を高めに設定している可能性も考えられるでしょう。
全体的には、男性SEの平均年収が女性SEの平均年収よりも高いことが示されていますが、これらのデータは今後SEとしてのキャリアを積むにあたって、どのような企業を目指せば良いのか、また性別による給与格差にどのように対処していくかという点について考える際の参考になるでしょう。
■ 20代SEの年収を企業規模別に比較すると?
このグラフからわかることは、20代のSE(システムエンジニア)の年収は企業規模によって大きく異なるという点です。どの企業規模においても20代前半から後半にかけて年収の増加が見られますが、特に大企業で働くSEの年収が最も高いことが示されています。
20代後半になると、企業規模に関わらず年収が100万円以上増加する傾向が見られますが、これはSEという職種が実務経験やスキルの向上に伴い、より高い報酬を見込むことができる職種であることを示していると言えるでしょう。
■ 20代SEの年収を他の職種と比較すると?
年齢/職種 | SE | 一般事務 | 営業職 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均年収 | 平均年収 | SEとの年収差 | 平均年収 | SEとの年収差 | |
20代前半 | 364.31万円 | 299.55万円 | -64.76万円 | 356.5万円 | -7.81万円 |
20代後半 | 499.1万円 | 375.11万円 | -123.99万円 | 463.97万円 | -35.13万円 |
※年収額は小数点第三位を四捨五入
特に、20代後半の一般事務との年収差は約120万円にも上りますが、このデータから考察すると、技術職であるSEは、一般事務や営業職に比べて、より専門的なスキルや知識を要求されるため、20代のうちから高年収を稼げる職種であることがわかります。
■ 30代SEの年収を企業規模別に比較すると?
このグラフを見ると、引き続き、SE(システムエンジニア)は経験が増すにつれて年収も比例して上昇し、30代のSEの場合も大企業で働くSEの年収が最も高いことが分かります。
この結果からも、特に大企業に勤めるSEは中小企業に勤務するSEよりも年収の上昇幅が大きいことが見て取れますが、特に上流工程を担う大企業では年収額が700万円を超えることも珍しくありません。
また、この年代では、SEとしての専門性が高まり、プロジェクト管理やチームリーダーとしての役割を担う機会が多くなることも、年収が上昇する理由です。
特に30代は家庭を持つ人も多くなるため、生活の安定やキャリアアップを目指す重要な時期であるとも言えるでしょう。
■ 30代SEの年収を他の職種と比較すると?
年齢/職種 | SE | 一般事務 | 営業職 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均年収 | 平均年収 | SEとの年収差 | 平均年収 | SEとの年収差 | |
30代前半 | 631.52万円 | 426.94万円 | -204.58万円 | 518.65万円 | -112.87万円 |
30代後半 | 720.73万円 | 490.62万円 | -230.11万円 | 564.21万円 | -156.51万円 |
※年収額は小数点第三位を四捨五入
20代と同様に、30代においても、SEとしての技術的スキルや専門知識が一般事務職よりも高い報酬をもたらすことが示されています。
年収差が大きい理由として、一般事務は女性が多い職種であることも考えられますが、営業職の場合は成果に基づくインセンティブが大きいため、 業界や企業によっては、特に30代後半においてSEよりも高い年収を得る可能性もあるでしょう。
■ 40代SEの年収を企業規模別に比較すると?
この図を見ても、依然として、大企業に勤めるSEの年収が最も高額ですが、40代のSEの場合は、他の世代と比較して小企業と中企業の年収差が比較的小さいことが読み取れます。大企業の場合も、40代の前半と後半での年収の上昇が緩やかです。
40代は、SEとしての深い専門知識と豊富な経験が求められる年代であり、管理職や高度な技術職への昇進が見込まれることが一般的です。管理職に昇進したSEとそれ以外のSEでは、年収に大きな差が生じることがあります。
また多くのSEにとって年収がピークに達する時期でもあり、特に1,000人以上の大手企業で勤務するSEは、850万円を超える年収を得るケースも珍しくありません。この年代はキャリアの方向性を決定する重要な時期であり、独立や転職を検討する人も増える傾向にあります。
■ 40代SEの年収を他の職種と比較すると?
年齢/職種 | SE | 一般事務 | 営業職 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均年収 | 平均年収 | SEとの年収差 | 平均年収 | SEとの年収差 | |
40代前半 | 725.27万円 | 488.48万円 | -236.79万円 | 650.26万円 | -750.1万円 |
40代後半 | 797.89万円 | 496.48万円 | -301.40万円 | 650.66万円 | -147.23万円 |
※年収額は小数点第三位を四捨五入
これらのデータからも、40代のSEも他の世代と同じく、他の職種と比べて高い報酬が期待できる職種であることがわかります。
■ 50代SEの年収を企業規模別に比較すると?
これらのデータから、50代においても、一般的に大企業で働くSEの方が年収が高い傾向にあることが分かります。
そして、中企業で働く50代のSEは年収が減少する傾向があることが注目されますが、これはキャリアの頂点に達した後の役職の変動や、退職に向けた準備などの影響も考えられます。また一般的に、50代半ばからは会社員の収入がピークを迎え、その後は下がっていく傾向にあるため、全体の年収が減少することも考えられるでしょう。
一方で、小企業で50代後半の年収が急激に上昇していますが、理由としては、小企業の場合はこの年代で最も高い役職に就いたり、場合によっては役員に登用されることが背景にあるとも考えられます。
長年にわたるプロジェクト管理の経験、複雑な問題解決能力、チームリーダーシップ、そして業界内での信頼性は、50代のSEにとって大きな資産となります。また後進の育成やメンターとしての役割が期待されるだけでなく、多くの方が企業内で重要なポジションを務めることも、高い年収を実現している一因だと言えるでしょう。
■ 50代SEの年収を一般事務と営業職と比較すると?
年齢/職種 | SE | 一般事務 | 営業職 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均年収 | 平均年収 | SEとの年収差 | 平均年収 | SEとの年収差 | |
50代前半 | 801.72万円 | 522.4万円 | -279.32万円 | 729.86万円 | -71.86万円 |
50代後半 | 847.62万円 | 541.84万円 | -305.77万円 | 742.41万円 | -105.2万円 |
※年収額は小数点第三位を四捨五入
このように、SEという職種は大企業ほど年収が高額で、キャリアを重ねるごとに年収の増加が見込まれ、かつ他の職種に比べても高年収が期待できることが分かりましたが、これからSEになることを考えている方は、無料のプログラミングスクール「プログラマカレッジ」でプログラミングを学び、未経験からIT業界への就職を目指すことから始めてみましょう。
IT業界は人材不足が深刻化しているため、高度なスキルを持つSEの需要が非常に高いこともSEの年収が高い理由の一つです。
近年、IT・Webサービスの発展に伴い、IT人材への需要は日増しに高まっていますが、多くのニーズが存在するにもかかわらず、開発者やエンジニアを含むIT人材は依然として不足しているのが現実です。
こちらは経済産業省が公表したIT人材の不足規模に関する予測を示したグラフですが、2030年には現在よりも約59万3000人もの働き手が不足すると予測されています。このことからも、IT人材の市場価値は他の職種に比べて自ずと高くなり、結果としてSEの年収も高くなる傾向にあるのです。
第二の理由は、ITに関連する技術は本質的に専門性が高く、特にプログラミングスキルは一般職に比べて希少価値が高いためです。
加えて、SEの業務はシステム設計を考慮しながら全体の構築をマネジメントする上流工程に位置するので、専門技術だけでなく、顧客との交渉力や提案力も同時に求められます。
そのため、プログラマーとして3年から5年程度の経験を積んだ後にシステムエンジニアへキャリアアップする人が多く、この実情が年収の高さにつながっています。
第三の理由は、他職種に比べてSEは残業や休日出勤が多い傾向にあるためです。
SEの仕事は主にシステムの構築ですが、どんな案件も基本的に顧客との摺り合わせによって決めた納期に向けて作業工程のスケジュールを組んでいます。その結果、納期に対して遅れが出そうであれば自ずと残業が発生するだけでなく、想定外のトラブルに対応する場合は休日に対応するケースもあるので、どうしても他の職種に比べて勤務時間が長くなることが一般的です。
■ ITエンジニアの平均残業時間(年間)
業種名 | SIサービス | ソフトウェア開発 | ITアウトソーシング゙/クラウド/情報処理 | その他の情報サービス | 全業種の平均 |
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年間の残業時間 | 238時間 | 211時間 | 228時間 | 262時間 | 234.75時間 |
出典:2023年版 情報サービス産業 基本統計調査|情報サービス産業協会(JISA)
また厚生労働省による毎月勤労統計調査 令和5年分結果確報によると、全産業における残業時間の平均はひと月あたり10.0時間であるため、年間の平均残業時間は120時間ということになります。したがって、ITエンジニアの残業時間は、全産業の平均の約2倍であると考えられるでしょう。
このように、他の職種と比べても労働時間が長い傾向にあることから、結果として、基本給に加えて残業代や休日手当が加算されて月給が増えるため、必然的に年収も高くなるのです。
ここまで解説したように、システムエンジニア(SE)は平均的に高い年収を得られる職種ですが、役職や資格手当、残業や休日出勤の量によっても年収に差が生じる傾向があります。
▶ 参考:
• オープン系SE・プログラマフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• サーバーサイドエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
• フルスタックエンジニアフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル|プロエンジニア
たとえ同じ職種であっても、会社の規模や事業内容によって年収は大きく変わりますが、SEも同様に業績の良い企業であれば当然年収が高くなります。
また大企業であればあるほど開発するシステムの規模も大きくなり、働く人の技術レベルの条件も高くなるため、下請け企業で働くSEと比べると年収差が発生しやすくなるのです。
SEとして働く際、高年収が期待できる業界は要求されるシステムのレベルが高い分野です。具体的には、「金融」、「SIer」、「コンサルティングファーム」などがあります。特に金融業界では、保険会社や銀行などが高い年収を提供しており、決済システムの保守やメンテナンスが重要な役割を果たします。
金融系SEは、正確性と重い責任が求められるため、他業種に比べて高収入が得られます。SIerの中でも、外資系企業は特に年収が高く、グローバル企業で働く技術者は高年収を期待できます。
また企業が直面する問題を解決するシステムを構築したり、代替案を提案するコンサルティングファームは、元々高い年収を提供する業界です。したがって、その中で働くSEの年収も自ずと高額になることが一般的です。
SEとしてのキャリアをさらに充実させ、年収を向上させたい方は、この機会に自身のスキルセットを見直し、市場価値を高めるための計画を立ててみましょう。
SEとしてのスキルは、積み上げた実務経験によって異なりますが、専門資格を保有していることはキャリアアップの過程で自己のスキルセットを明確に理解するのに役立ちますし、転職時の面接での経歴のアピールにも有効です。特に高年収を目指すSEに推奨される資格は、次の6つです。
• 基本情報技術者試験(FE)
• 応用情報技術者試験(AP)
• プロジェクトマネージャ試験(PM)
• システムアーキテクト試験(SA)
• ITコーディネータ
• マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)
ただし、目指す業界や担当する業務によって必要とされるスキルは異なりますので、ご自身が望む業界で昇進に有利な資格が何であるのかについても調べてみましょう。
繰り返しになりますが、システムエンジニア(SE)の市場価値は企業規模によって変動します。高年収を目指す場合、上流工程を担う企業への就職が一つの重要な条件です。
上流工程に携わるためには、初めに入社した企業で実務経験を積み、キャリアアップを図ることが基本です。また一定の経験を積んだ後に、元請け企業への転職も考慮すると良いでしょう。
ただし、すぐに大手の元請け企業を目指すのは難しいため、二次請け、一次請けと段階を踏みながら、徐々に上流工程の業務を担当できるようにキャリアを積んでいくことがより確実な方法かもしれません。
上流工程を担当すると、チームリーダーやプロジェクトリーダーといったマネジメント職への就任が自然と期待されます。またどの職種にも言えることですが、リーダー職に就くと昇給が見込まれる分、それに見合った管理能力も同時に求められます。
したがって、効果的なチームの運営を実現するためのリーダーシップを磨くとともに、資金繰りに関する知識についても身に付けておくと、昇格や昇給へと繋がるチャンスも増えるでしょう。
高年収を目指すシステムエンジニア(SE)には、経営者の視点が求められます。経営者の視点とは、企業の利益を最大化するための考え方です。この視点から、「将来のシステムはどうあるべきか」や「チームの工数が多くなっている原因は何か」といった課題の特定と問題の理解を行うことが、SEとしての価値を高めることにつながります。
特に大規模プロジェクトを仕切る社内SEともなると、各部署の業務フローの理解と分析、システム設計力、そしてシステムを入れるべきかという費用対効果の判断など、全社的な目線が必要となるので、早い内から経営側のスキルも習得しておくと万全でしょう。
今回は、SEの年収について詳しく解説しましたが、ご自身が目指す将来像を描くことはできたでしょうか?IT技術の進歩は速く、私たちのキャリアにも大きな影響を及ぼします。だからこそ、日々スキルを磨き、新しい知識を常に学び続けることが、成功への鍵となるのです。
また一部では、プログラマーの仕事がなくなる可能性についてを心配する声もありますが、AIの発展やオフショア開発の増加、ノーコード・ローコードプラットフォームの普及により、一部のプログラミング作業が自動化される可能性はあっても、専門性の高いスキルを持つプログラマーの需要は依然として高いと言えるでしょう。
IT業界に精通したキャリアアドバイザーや経験豊富なプロの講師陣が未経験からの就職を完全バックアップしてくれるので、スキルの習得や資格取得のみに専念して学習できるのも嬉しいメリットです。
→ 就職支援付き無料プログラミングスクール「プログラマカレッジ」
ぜひこの記事を参考に、高年収を稼げるハイスキルなSEを目指せるようなキャリアパスを描いてみてください。
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SE(システムエンジニア)の仕事は、顧客の要望に基づいてシステムの設計図を作成することです。
プログラミングに関する深い知識や円滑なコミュニケーション能力だけでなく、交渉スキルや顧客への提案力など、多岐にわたるスキルが求められる職種なので、一般的に報酬も高額とされていますが、SEの年収・月給・年間賞与(ボーナス・特別手当)は平均でどれくらいなのでしょうか?