Webマーケターとは、WebサイトやWebサービスなどを利用したWebマーケティングを行う職業。SEO対策やSNS運用をはじめとして、多くの施策を行います。本記事では、Webマーケターの仕事内容や求められるスキル、未経験からWebマーケターを目指す方法について解説します。
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最終更新日:2024年6月14日
目次
Webマーケターとは、Webマーケティングを担当する職業です。WebマーケティングとはWebサイトをはじめとした、Web上で行われるマーケティングのこと。
マーケティングには必ずブランドの認知を高める、新規の顧客を獲得するなどの目的があります。その目的に応じて企画の立案と実行、効果測定、必要があれば戦略の修正などを行うのがWebマーケターの仕事です。
Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスを用いたマーケティングです。Webサイト以外にもデジタルで得られるあらゆるデータやサービスを活用する「デジタルマーケティング」と同じ意味で使われることもあります。
検索で上位に表示させるためのSEO対策や、自社サービスに関連する言葉が検索された際に、検索結果の表示画面に広告を表示するリスティング広告などのWeb媒体を扱う業務もWebマーケティングの一種です。
また、最近はSNSマーケティングと言われることが多い、FacabookやTwitter、InstagramなどのSNSアカウントを運用して集客するのもWebマーケティングの一種です。
Webマーケティングと従来のマーケティングのもっとも大きな違いとして、Webマーケティングではオンタイムで数字が確認出来る点が挙げられます。従来のマーケティングの場合、看板やチラシなどオフラインの広告からどの程度来店や購買に繋がったかを把握するのは難しく、それが問題点でもありました。
一方でWebマーケティングの場合、
• SEO対策によって順位がどれだけ上がったのか
• 広告が何回表示され、そのうちアクセスされた回数はどれくらいか
• どこから自社のWebサイトにたどり着いたのか
• 購入前にユーザーが見ていたのはどのコンテンツか
などあらゆることを数字で確認できます。
Webマーケティングに用いられるツールや手法は非常に多くあります。ここでは、その中から代表的なものをご紹介します。
◆ SEO
SEOとは検索エンジン最適化のこと。自社がターゲットとしているユーザーがどんな語句で検索するか分析し、検索エンジンでその語句を入力した際に上位に表示されるような施策を行います。具体的には新たなコンテンツの作成や既存コンテンツの修正、外部から被リンクを受けるための営業活動などがあります。
◆ コンテンツ制作
Web上で展開されるサイトや記事、サービスなどを「Webコンテンツ」といいます。Webサイトに見込み客を集め、さらにそこから商品を購入してもらうためには良質なコンテンツが必要です。どんなコンテンツを作るか企画し、制作を行います。Webページだけでなく、動画やアプリなどさまざまなコンテンツを制作することもあります。
◆ 広告管理
集客のために、広告を活用する場合もあります。検索結果のページに表示されるリスティング広告の他に、幅広く多くのWebサイトに広告を掲載できるアドネットワーク広告や、成功報酬型のアフィリエイト広告、SNS広告などさまざまな種類があります。
ただ闇雲に広告を出しても、効果は期待できません。どこにどのような広告を出すのか戦略を立て、実際に広告を運用、効果測定をして広告を出し続けるかどうか判断するといった広告管理が必要です。
◆ SNS
TwitterやLINEなどで企業の公式アカウントを目にしたことがあるという方も多いでしょう。そうしたSNSの企業アカウント運営もWebマーケティングの一種です。
より多くの見込み客にフォローしてもらえるアカウントを作るためには、単純に商品に関するニュースやコンテンツの更新情報を掲載するだけでなくさまざまな戦略が必要です。どのような情報をどのようなコンテンツとして提供するかというアカウントの方針決定や、より反応が良い時間帯の分析などを行います。
◆ ウェビナー
ウェビナーとは、オンラインで行うセミナーのこと。マーケティングにおいては、自社の商品やサービスについて解説するセミナーを行うケースが多くあります。リアルなイベントでは遠方から参加しにくいのに対して、ウェビナーであれば距離を問わず参加できます。
また、ウェビナーの動画を残しておけばコンテンツとしての活用も可能。日本ではコロナ禍をきっかけに広く取り入れられ始めたマーケティング手法ですが、今後も選択肢のひとつとして定着していくと考えられます。
◆ LPO(ランディングページ最適化)
ランディングページ(LP)とは、広告をクリックした際に開かれるページのこと。縦長で、商品やサービスの訴求に特化したページであることが特徴です。LPには商品の販売や問い合わせ、資料請求などの目的が設定されます。
目的を達成できた割合(=コンバージョン率)を高めるため、LPの修正を行うのがLPOです。アクセス解析やヒートマップ※1 のデータ、A/Bテスト※2 などの結果をもとにより良いLPを設計し、効果を高めます。
※1 サイトを訪問した人がページ内のどこを見ているか、どこをクリックしたかなどを可視化するツール
※2 画像やキャッチコピーなど、ページ内の一部について2種類を用意し、どちらがより効果的か調査する手法
◆ アクセス解析
アクセス解析とは、ユーザーがWebサイトに流入した経路や、どのような順番でサイト内のコンテンツを見たか、離脱率や滞在時間などのデータを取得し、分析すること。ユーザーが事前の想定通りに行動しているか、離脱率の高いページはないかなどを確認し、問題があれば修正します。
定期的なアクセス解析と修正を繰り返すことで、より価値の高いWebサイトを作り上げて行くことが可能です。
◆ CRM管理(顧客満足管理)
マーケティングでは、新規の顧客を獲得するだけでなく、既存の顧客の満足度を上げ、リピーターになってもらうことも重要です。顧客満足度を高めるためにはCRM管理が欠かせません。
CRMとは、顧客の基本的な情報や問い合わせ履歴などを管理し、それを元に顧客と良好な関係を築くことで次回以降の購入に繋げる手法のこと。サンプル請求から1週間後に商品の案内メールを送る、属性を絞ってお得情報を配信するなどの方法があります。
ここまで、Webマーケティングについて解説してきました。次に、Webマーケターの具体的な仕事内容についてわかりやすく解説します。
企業がWebマーケティングを展開する目的は、最終的に自社の商品やサービスを購入してもらうことです。そのためのコンテンツを企画することや、サイトの設計を考えるのはWebマーケターの仕事のひとつです。
コンテンツを企画する際には、まずターゲットを設定します。どのようなコンテンツがターゲットに響くのかを考え、必要があればトレンドなども取り入れながらコンバージョン※ につながるコンテンツを企画。さらに、フロントエンドやバックエンドのエンジニア、コーダーなどの力も借りながら、ユーザーが使いやすいサイトの設計も行います。
※ 商品の購入、問い合わせ、資料請求などそのサイトが最終的に成果とするもの
せっかく良いコンテンツを作っても、誰も訪問してくれないWebサイトでは意味がありません。Webマーケティングの施策を実行し、集客を行うこともWebマーケターの仕事です。集客のための方法として、各種広告やSEO、SNSがあります。
さまざまな手法の中から、費用対効果や実際に集客できるまでにかかる時間などを考えて最適な集客方法を選びます。Webマーケティングの手法は多様化していて、次々に登場する新しい手法やツールに対応できる柔軟さも必要です。
実際に運用を開始したら、アクセス解析やヒートマップ 、検索順位チェックツールなどを利用してデータを収集し、分析を行います。当初想定した通りに集客できているか、どんな検索ワードから訪問されているのか、多く見られているのはどのページなのかなどのポイントをチェック。
問題があれば、サイトの改善を行います。PDCAサイクル※ を回しながら、より効果的に集客やコンバージョンにつながるサイトを目指します。
※ Plan Check Do Actionの4つのステップを繰り返すことで業務をより良いものに改善していく手法
Webマーケターとして活躍するためには多くのスキルが求められます。ここでは、中でも特に重要なスキルをピックアップしてご紹介します。
Webマーケターには、コミュニケーションスキルが必要です。周囲の人と円滑に業務上のやりとりができることはもちろん、顧客が求めているものを理解することや、ユーザーの目線に立ってサービスやコンテンツの問題点を見つける力も求められます。
顧客に問題点を伝えたうえで、どのように問題点を解決するか、顧客が求めているものをどのように提供できるかを言葉や文章で魅力的に伝える力があれば、Webマーケターとして活躍できる可能性が高まります。
Webマーケターは、SEOや広告、SNS運用など幅広い分野に関する専門知識が求められる職業です。費用対効果を高めながら効率的に集客する方法や、それぞれのSNSが持つ特性を活かした投稿の作成などに関する知識は、Webマーケティングを行う際に必須。
さらに、個人の趣味ではなく企業としてSNSアカウントを運用するのであれば、炎上させないことも重要です。一度炎上してしまうと、企業の印象を大きく損ねることにもなりかねません。過去の炎上事例などを学び、炎上しやすい投稿の傾向を掴んでおくと良いでしょう。
普段SNSに接する頻度が高い人ほど、各SNSの理解度が高い傾向があります。日常生活の中でSNSを楽しんでいれば、Webマーケターの仕事に役立つ知識を自然と身につけられる可能性があります。
Webマーケターは、データの分析や検証を頻繁に行う仕事です。このとき、必要になるのが論理的思考力。目標を達成するためには何が必要か、どんなマーケティング施策を行えば目標に近づけるかを考えるためにも使います。
さらに、プレゼンテーションの際には論理的な説明を用いることで顧客に納得してもらいやすくなります。Webマーケターは、あらゆる場面で論理的思考力が求められる仕事だと言っても過言ではありません。
Webを使った情報収集や解析スキルもWebマーケターには欠かせないものです。Webマーケティングでは、ツールを使って収集したデータを分析したうえで問題点を見つけ、Webサイトなどの改善に利用します。
けれど、収集したデータが目標に対して適切なものでなかったとなってしまっては元も子もありません。また、データを見ても問題点が見つけられないと、修正の方針を決定できません。Webマーケターの仕事は、正しい情報収集と解析の上に成り立っています。
Webマーケターは、Webサイトの制作や改善によって集客を行います。実際の作業はエンジニアやコーダー、デザイナーといった人たちが行うとしても、ある程度の知識とスキルは持っていた方がスムーズに仕事が進みます。
例えば、どのようなサイトを作ったらユーザーの満足度を高められるか考える際には、UXデザインの知識があると良いでしょう。可能であればコーディングスキルを身につけると、制作チームのメンバーとさらに円滑なコミュニケーションが取れるようになります。
IT業界未経験の方でも、Webマーケターを目指すことは可能です。未経験からどのようにWebマーケターを目指せば良いのか、スキルを身に付ける方法や具体的な目指し方について解説します。
Webマーケティングには非常に幅広い知識が必要ですが、基本的な部分は書籍やWebサービスを利用して学習できます。
例えば「沈黙のWebマーケティング」は、Webマーケティングの基本を物語仕立てで楽しく学べる書籍です。
出典:沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲−|Amazon
また、「Googleデジタルワークショップ オンラインコース」では、デジタルマーケティングを40時間程度で学習できるコースが用意されています。最終試験に合格すると認定証が発行され、一通りの学習を終えたことを証明できます。
出典:デジタル マーケティングの基礎|Googleデジタルワークショップ
ここで紹介した方法以外に、動画やWebメディア、専門のスクールなどでも学習が可能です。これらを利用して、Webマーケティングにおける専門用語を覚える、Web広告やSNS、アクセス解析への理解を深めるといったような学習をしておくと就職の際有利になる可能性があります。
Webマーケティングには非常に多くの手法があるため独学で網羅的に学ぶのは難しいのですが、基礎だけでも身につけておくことをおすすめいたします。
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Webマーケターは、プログラミングが出来ることが必須ではありません。しかし、Webマーケターという立場であっても、プログラミングの知識を持っているとエンジニアやプログラマーとのコミュニケーションがスムーズになり、的確な指示が出しやすくなるため学んでおく価値は充分にあります。
プログラミングは独学でも学べるスキルですが、独学ではモチベーションの維持が難しいと感じる方はスクールに通うのがおすすめです。
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Webマーケティングは、企業に所属しなければできないものではありません。例えば、自分自身のブログを運営し、アクセス解析などのツールを入れればデータを収集できます。そのデータを元に分析とWebサイトの修正を行うことでWebマーケティングの実戦経験を積めます。
また、SNSについても、日常の出来事をただ投稿するだけでなく、ターゲットを決め、より反応を多く得るにはどうしたら良いかを考えながら利用すると運用の練習になります。企業に所属せずとも個人でスキルを育てられる方法なので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
就職や転職の場面では、過去の実績が判断基準のひとつとなります。しかし、未経験の場合にはアピールできる実績がありません。実績の代わりに、コツコツ継続して勉強する力や持っているスキルを証明してくれるのが資格です。
Webマーケターは資格が必須な職業ではありませんが、未経験からWebマーケターを目指すのであれば資格の取得をおすすめいたします。
Webマーケターを目指す人におすすめの資格を4つご紹介いたします。
◆ マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティングの実務に関する知識を総合的に判定する試験です。業種にとらわれない幅広い知識を持っていることを証明できます。A級、B級、C級と3段階の難易度に分かれています。
▸公式サイト:国際実務マーケティング協会
◆ Webアソシエイト
Webアソシエイトは、Webに関わる人すべてを対象にした資格試験です。立場の違いによってコミュニケーションにエラーが生まれてしまうのはよくあることですが、Webアソシエイトを取得するとそうしたコミュニケーションエラーを減らせます。
▸公式サイト:社団法人 全日本能率連盟登録資格 Web検定(ウェブケン)
◆ ウェブ解析士
ウェブ解析士とは、実務に活かせるWeb解析のスキルを証明できる資格です。Web解析とマーケティングの知識が問われる試験で、テキストや講座を利用した学習が可能。毎年行われるフォローアップ試験やエキスパート講座などで最新の情報を学び続けられるのも魅力です。
▸公式サイト:ウェブ解析士協会
◆ Google 広告の認定資格
Google 広告の認定資格は、広告の知識を認定する資格です。Googleが公式に実施している資格試験で、無料で受験が可能。合格すれば認定証明書も発行されます。試験は以下の6つの分野に分かれていて、それぞれ80%以上の正解率で合格です。
• Google 広告の検索広告認定資格
• Google 広告のディスプレイ広告認定資格
• Google 広告の動画広告認定資格
• ショッピング広告認定資格
• Google 広告「アプリ広告」認定資格
• Google 広告測定認定資格
▸公式サイト:Google Partners
Webマーケティングを支えるフロントエンジニア、バックエンドエンジニア、プログラマー等エンジニアとしての経験を積んでからWebマーケターを目指すのもひとつの方法です。
エンジニアとしてプログラミングのスキルを身に付けると、pythonを使ってスクレイピングしたりするなど自分でデータ収集のためのプログラミングをすることができるため、Webマーケティングもに役立ちます。
また、前述した通り、データの分析や検証において必要になるのが論理的思考力は、エンジニアと共通する部分があります。
すぐにWebマーケターとして働けるわけではありませんが、エンジニアとしての実務経験がある分、就職・転職のハードルが低くなるでしょう。
未経験からエンジニアを目指す際には、IT・未経験に特化した転職エージェントを利用することで転職できる可能性が高まります。
プログラマカレッジではプログラミングを学びながら就活支援を利用することも可能です。未経験からエンジニアを目指す方は、ぜひご検討ください。
Webマーケティングは従来から需要が高まりつつあった職種ですが、コロナ禍において全てをWeb上で完結させる傾向が強くなったことから、より一層需要が増える可能性があります。さらに、今までWebを必要としていなかった業種にもその需要は広がっており、IT以外の業種でも需要が増える見込みがあります。
例えば、住宅メーカーでは展示場へ足を運ぶことが難しくなったためにWeb広告に注目し始めているといいます。他業種でも、同様にWebにシフトする傾向があることは想像しやすいでしょう。
また、最近では認知から比較検討といった購買プロセスのすべてをSNSで完結させるユーザーが増加傾向だとも。例えば、旅行の計画を立てるときには、ホテルや旅館、旅行先について全てInstagramから情報収集を行う例もあります。若年層だけでなく、30代〜40代の利用も多く、幅広い利用者にアプローチできることからInstagramマーケティングにも注目が集まっています。
これらの背景からも、Webマーケターは今後も需要が高まることが期待されるため、将来性が高い職種であると言えるのではないでしょうか。
Webマーケターは、WebサイトやWebサービスなどを利用してマーケティングを行う職業としてIT・Web業界では欠かすことが出来ない存在となっています。Webマーケティングは従来のマーケティングと違って数字で結果が出るのが特徴です。そのため、Webサイトの企画立案や広告管理だけでなく、データを収集し分析する能力も求められます。
IT業界未経験からWebマーケターを目指すのであれば、Webマーケティングの基本を学び、資格を取得するなどして自分自身のスキルを証明することをおすすめいたします。
また、プログラミングのスキルを身に付けてエンジニアを目指し、Webマーケターを次のキャリアとしての選択肢のひとつと考えるのも良いでしょう。
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