「給料が高い仕事に就きたい」「今の給料に不満がある」など、給料についての願望や悩みは、多かれ少なかれ、持っている方も多いのではないかと思います。この記事では、給料が高い仕事の業界や特徴、年収を上げるための具体的な取り組みなど、実際のデータを交えながら、ご紹介していきます。転職活動やライフプランを見直す際の参考にしてください。
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最終更新日:2023年5月23日
目次
みなさんが、「給料が高い仕事に就きたい!」と考えたとき、どれくらいの金額をもらえれば「高い」と感じますか?
この金額は年齢や勤務地・業界といった、置かれている状況によって変わってくきます。まずは、自分にとっての「給料が高い」の基準を考えるために、色々な状況別の平均年収を、データで確認してみましょう。
国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査」では、日本人全体の平均年収は436万円で、男女別にみると男性が540万円、女性が296万円となっています。
「え?みんなこんなにもらっているの!?」と思われた方もいるでしょう。こちらの調査は、役員や非正規雇用者も調査対象になっていますので、みなさんの実感より少し離れた結果になっているかもしれません。
調査対象のうち、正規雇用者の占める割合を男女別にみると、次のようになっています。
ここからさらに、状況別に見ていきます。
出典:平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】(公開日:2020/12/7)|doda
転職サービスdodaに登録された情報から、年代別の平均年収を集計したデータです。
国税庁の調査に比べ、役員や非正規雇用の方の比重が少ないため、こちらの方がみなさんの実態により近いのではないでしょうか。
日本は年功序列制度を導入している企業も多いことから、男女ともに年齢が上がるほど、平均年収が高くなっていることがわかります。
出典:平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】(公開日:2020/12/7)|doda
さらに20代に絞って、より詳しく見てみましょう。全体の4割近くが300万円~400万円となっていますが、みなさんはどうでしょうか?20代の平均年収346万円に到達するのは、大卒で勤続3年を超えた26歳からが多いようです。
出典:平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】(公開日:2020/12/7)|doda
次は、地方別の平均年収を見てみましょう。
もっとも年収が高いのは、首都圏のある関東地方です。理由としては、大企業が集中していること、人口(消費者)の多さから企業の売上が出やすいことなどが考えられます。また、収入だけでなく支出も高く、住居代をはじめとした物価水準は、東京都や神奈川県を中心に全国で一番高くなっています。
出典:平均年収ランキング(業種別の年収情報)【最新版】(公開日:2020/12/7)|doda
業種別の平均年収では、1位:メーカー、2位:金融、3位:総合商社となっています。平均年収でみると各業種に大きな差はありませんが、年収分布では特徴が出ています。年収500万円未満のボリュームを比べてみると、1位のメーカーでは全体の9割程度を占めているのに対し、金融や総合商社では7割程度であり、より高年収な層へと幅が出ていることが読み取れます。
メーカーの年収分布
金融の年収分布
総合商社の年収分布
出典:平均年収ランキング(業種別の年収情報)【最新版】(公開日:2020/12/7)|doda
自分が置かれている状況の水準と比べて、現状の年収はどうだったでしょうか?
続いては、厚生労働省の「令和元年 賃金構造基本統計調査」を参考に、給料が高い職業TOP20を、ご紹介します。現状の年収や、自分が「高い給料」の基準とした金額と比較して、就職や転職を考える際の参考にしてください。
業種 | 年収 | |
---|---|---|
1位 | 航空機操縦士 | 1,694万円(うち賞与 225万円) |
2位 | 医師 | 1,169万円(うち賞与 77万円) |
3位 | 大学教授 | 1,100万円(うち賞与 297万円) |
4位 | 大学准教授 | 872万円(うち賞与 220万円) |
5位 | 記者 | 792万円(うち賞与 173万円) |
6位 | 不動産鑑定士 | 754万円(うち賞与 166万円) |
7位 | 弁護士 | 728万円(うち賞与 125万円) |
8位 | 大学講師 | 718万円(うち賞与 151万円) |
9位 | 高等学校教員 | 709万円(うち賞与 180万円) |
10位 | 一級建築士 | 702万円(うち賞与 148万円) |
11位 | 公認会計士、税理士 | 683万円(うち賞与 117万円) |
12位 | 自然科学系研究者 | 681万円(うち賞与 139万円) |
13位 | 技術士 | 666万円(うち賞与 139万円) |
14位 | 電車運転士 | 618万円(うち賞与 151万円) |
15位 | 掘削・発破工 | 617万円(うち賞与 52万円) |
16位 | 電車車掌 | 572万円(うち賞与 150万円) |
17位 | 獣医師 | 571万円(うち賞与 60万円) |
18位 | 歯科医師 | 570万円(うち賞与 29万円) |
19位 | システム・エンジニア | 568万円(うち賞与 112万円) |
20位 | 薬剤師 | 561万円(うち賞与 83万円) |
※算出方法:きまって支給する現金給与額 × 12ヵ月 + 年間賞与その他特別給与額
(企業規模計10人以上/小数点以下四捨五入)
参照:賃金構造基本統計調査職種DB第1表|政府統計の総合窓口
いわゆる「給料が高い仕事」とは、他の仕事と比べて何か違いがあるのでしょうか?
ここまで見てきた、給料の高い業界や職業から読み取れる特徴を考えてみましょう。
◆ 専門性、希少性がある
先ほどの給料が高い職業のランキング上位を見てみると、高度な資格や専門技術を必要とする職業の給料が、高くなっていることが分かります。
医師や弁護士など、資格の難易度が高ければ、希少性から資格を保有する人材の価値が高まり、給料も高くなります。また、資格を持たなくても、企業にとって大きな利益を生む専門技術を持った人材は、給料が高くなる傾向にあります。
◆ 企業の規模が大きい
経営基盤が安定している大企業では、組織や事業への投資規模の大きさなどから、企業自体の収入が高い水準で安定しやすく、社員の給料も高くなります。必ずしも、中小企業より高収入になるわけではありませんが、経営基盤の安定は、長期的に継続した企業の発展につながるため、賞与や退職金・福利厚生も含め、安定した収入を得やすいといえます。
◆ 海外転勤などがあり定住が難しい
個人の能力や企業の収益性以外でも、勤務条件の厳しさなどが、給料に影響を与える要因となります。たとえば、商社や大手金融機関など、全国に支社が存在する業界では、転勤が非常に多くなります。国内だけでなく、海外も含めた異動を繰り返すこともあり、給料が高く設定される場合があります。
では、業界平均ではなく、企業ごとの平均年収を比較した場合は、どのような特徴があるでしょうか。東洋経済オンラインの「平均年収全国トップ500社最新ランキング」を参考に、上位50社を見てみましょう。
出典:平均年収「全国トップ500社」最新ランキング|東洋経済オンライン
上位企業は、コンサルティング会社、総合商社が多く目立ちます。
いずれも、自社ブランド製品の在庫を抱えて販売するような業態ではないため、収益を人件費に還元しやすい特徴を持っています。
特に、コンサルティング会社では、個人の能力が会社の収益に直結するため、給与制度に成果主義や能力主義が色濃く反映されており、高収入につながっていると考えられます。
これから、就職や転職を考えるのであれば、新型コロナウイルスによる今後の給料への影響も気になるところです。
独立行政法人労働政策環境・研修機構の「新型コロナウイルス感染症情報」を参考に見てみましょう。
出典:主な産業別現金給与総額(前年同月比) 就業形態計|労働政策研究・研修機構
給与総額への影響が、特に大きかった業種として、製造業・情報通信業・生活関連サービス業・飲食サービス業が見受けられます。工場の操業停止や新サービスの開発中止、店舗の一時休業などにより、雇用調整や解雇が行われた結果であり、ピーク時から比べると回復はしていますが、今後の感染拡大の脅威に対し、どのような対策をとっているかに注視が必要です。
それでは、業界や企業の特徴を踏まえ、自分の現状から給料を上げていくために、どのような取り組みができるかを、具体的に考えてみましょう。
◆ グローバルな言語力を身につける
ビジネスのグローバル化が急速に進む中で、語学スキルの需要は、今後ますます上がってきます。人口減少による国内需要の頭打ちが見込まれる日本では、大手メーカーなどの大企業だけでなく、中小企業も自社製品の海外展開を強めていくでしょう。また営業や販促以外でも、IT業界や海外に製造拠点を持つ製造業界などで、外国人雇用者とのコミュニケーションができる人材が求められています。
◆ 専門的知識・資格を取得する
情報処理技術者や電気工事士、宅地建物取引士など専門的な資格を取得することで、高収入を目指すのも一つの方法です。まずは、資格取得に向けた勉強が必要ですので、資格の難易度や自分との適性、勉強に割ける時間を考えながら、取り組んでいきましょう。
◆ まずは行動を起こす
高い能力を持っているから、給料が高くなるとは限りません。年功序列で給料の上限が決まっている会社もあります。
高年収を目指すなら、転職も視野に入れ、行動を起こすことが大事です。能力を評価し、給料に反映させてくれる会社と出会えれば、同じ仕事内容で給料が高くなることもあります。
20代で転職するのであれば、異業種にチャレンジして、実務経験で新たなスキルを身につけていくことも考えられます。
たとえばIT業界は、慢性的に人材不足であり、未経験からの転職が可能な業界です。また、成果主義の傾向も高く、ITエンジニアなどの専門技術を伸ばしていくことで、高収入を目指すことができます。現職を続けながら、プログラミングスキル習得の勉強ができるプログラミングスクールもあります。よってスキルを身につけながら転職活動を行いやすい環境にあります。
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転職活動をする際には、給料だけではなく、勤務条件や仕事内容を、よく確認するようにしましょう。
給料の高さだけで仕事を選び、体調や生活環境が壊れてしまっては、元も子もありません。また、給料以外に目を配ることで、収入以上のやりがいを見出せる仕事と出会える可能性もあります。
給料の高い仕事を紹介してきましたが、自分の現状と比較して、いかがだったでしょうか。「周りと比べても今の給料に納得できない」「もっと給料が高い業界にチャレンジしたい」と感じた方は、給料を上げていくために、具体的な行動を起こすことが大切です。
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