フレームワークの学習を始めてみたいけれど、どれを選べばよいのか迷っている人のために、Javaの人気フレームワーク11選を一覧で紹介。さらに、実際の求人需要がある3つのフレームワークについて、フリーランスの案件例や平均年収とともに紹介します。
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最終更新日:2024年2月1日
目次
フレームワークとは、システムを開発する際にテンプレートのように共通して使える骨組みのことです。システムにはそれぞれの独自性があるものの、同様の場面で使うシステムであれば、多くは基本の構造や機能が共通しています。その共通する基礎的な部分をまとめたものが、フレームワークです。
一般的に業務で開発をするときには、まったくゼロの状態からプログラムを組むことはあまりありません。まずはフレームワークなど土台となるものを選び、それをカスタマイズしながらオリジナルのシステムやアプリケーションを作り上げていきます。
Javaフレームワークとは、プログラミング言語にJavaを用いた開発において使われる、フレームワークのことです。
また、Javaフレームワークとよく混同されるのが、ライブラリです。ライブラリとは、よく使われるプログラムの部品を集めたものです。ライブラリはJavaの基本機能として用意されているものだけでなく、フレームワークの中にも含まれています。
Javaで開発する際にフレームワークを使うと便利なシーンとして、「お馴染みのシステム」を違う見た目や用途で作りたい場合が挙げられます。
例えばECサイトの場合、商品管理ページや、ショッピングカート、決済の仕組みなど、どのサイトでも共通して必要な機能が数多くあります。ECサイト開発に向いたフレームワークを使えば、それらの機能があらかじめ用意されているため、とても効率的に開発を進めることができるというわけです。
Spring Frameworkは、Javaのプラットフォーム上で活用できるオープンソースのフレームワークです。Spring Frameworkは多くのライブラリを集めた「プロジェクト」で構成されており、フレームワークの集合体であるともいえるでしょう。必要に応じてシステムの統合が可能なため、柔軟性の高い開発が可能です。
また、使いたい機能に名前をつけて処理を呼び出すことや、プログラムの依存性を排除する仕組みが備わっていることで、拡張性の高さや変更の容易さも実現しています。保守やテストの手間を削減するような機能も搭載されているため、活用することで開発の作業効率が高まるでしょう。
Spring Frameworkの活用をサポートするフレームワークであるSpring Bootとあわせて活用すると、さらに使い勝手が向上します。幅広く活用できる、Javaで一番人気のフレームワークです。
Play Frameworkは、JavaだけでなくScalaでも利用される、Webアプリケーションの構築に適したフレームワークです。動作が軽いため大規模なアプリケーション開発の際にも使いやすいことに加え、リアルタイム処理や自動リロードといった機能が搭載されているため、開発をスムーズに進めやすいのが特徴です。
非同期処理をサポートしているため、1つの作業の完了を待たずに次の作業を始められるのも、スムーズに開発を進められる理由のひとつだといえるでしょう。
Play Frameworkでは、MVCアーキテクチャという設計パターンが採用されています。MVCアーキテクチャでは、次の3つの部分に分けてWebアプリケーションを構築します。
• Model(モデル)
:データ管理
• View(ビュー)
:ユーザーインターフェース
• Controller(コントローラー)
:ユーザーが入力した内容からデータを操作し、ユーザーインターフェースに反映させる
上記3部分をそれぞれ独立させて開発を進めることで、コードを管理しやすくなるため開発の効率を高められるというメリットもあります。
Apache Strutsは、Webアプリケーションの開発に使われるオープンソースのフレームワークです。Play Frameworkと同じくMVCモデルを採用しており、プログラムの修正や変更、システムの保守やメンテナンスを行いやすい点が魅力です。
歴史の古いフレームワークであり、脆弱性が指摘されつつもまだまだStrutsを利用したシステムは多いのが現状です。特に長く使われているシステムに触れる際には、Strutsの知識が必要となる可能性が高いでしょう。
歴史が長く多くの人が活用したフレームワークであるため、インターネット上でもApache Strutsに関する情報は多く見つけられます。使っていて何か困ったときでも対処法を見つけやすいのは、Apache Strutsの魅力だといえるでしょう。
ただ上記でも触れたように、脆弱性が指摘されています。これからJavaの勉強を始める方には、他のフレームワークの学習をおすすめします。
Apache Wicketとは、Webアプリケーションの開発に使われるフレームワークです。一般的にWebサイトを構築する際には、サーバー側でデータを操作するバックエンドと、ユーザーに見える部分であるフロントエンドを分けて操作します。
しかしApache Wicketを活用すると、サーバー側に利用する言語であるJavaから、直接フロントエンドに使われるHTMLの制御が可能です。
また、Apache Wicketでは一度作成したフォームやナビゲーションバーなどのコンポーネントを、別のページやプロジェクトで再利用できます。そのため、Webアプリケーションの開発をより効率化できるのです。
Java Server Facesは、Webアプリケーションの開発に使われるフレームワークです。Java Server Facesでは、コンポーネントを中心とした開発アプローチを行う点が特徴的です。ボタンやテキストフィールドなどの基本的なコンポーネントはあらかじめ用意されており、カスタマイズして活用することも可能です。
Java Server Facesでは、カスタムタグを活用しコードをさまざまな場所で使い回しができます。また、カスタムタグを活用することで、フォームの自動検証のような標準のHTMLだけでは実現できない機能や動きをWebページに与えられるのです。
Jakarta EEは、かつてはJava EEと呼ばれていたものです。大規模な企業や組織向けのアプリケーションを開発するために活用されるもので、アプリケーションの実行環境やライブラリ・APIも提供されています。そのためJakarta EEは厳密にはフレームワークではなく、Javaアプリケーション開発のためのプラットフォームです。
さまざまなAPIやコンポーネントの集合体であるため、セキュリティやトランザクション管理、データアクセスといった複雑な要件も比較的容易に扱えます。開発者はニーズに合わせて必要なコンポーネントを選択すると共に、カスタマイズして利用可能です。
Hibernateは、Javaのオブジェクトをデータベースにマッピングするためのフレームワークです。Javaの特徴は、オブジェクトを組み合わせてプログラムを作り上げることです。オブジェクトには、さまざまな情報が含まれる場合があります。
その情報を、自動でデータベースに結びつけるのがHibernateの役割です。Hibernateを使うことで、開発者はデータベース言語であるSQLを扱うことなくデータベースの操作が可能となります。Hibernateは幅広いシステムで活用できるため、データベースを変更してもプログラムを変更することなく利用できる点もメリットです。
Grailsは、プログラミング言語のGroovyを活用するWebアプリケーションフレームワークです。GroovyはJavaと互換性のあるプログラミング言語で、Javaのライブラリやフレームワークも利用できます。さらにGroovyは文法がシンプルなことに加え、Javaよりも柔軟なコーディングが可能です。
Spring Frameworkを基盤としており、Javaプラットフォーム上で動作することもGrailsの特徴です。
さらにGrailsは、Rubyのフレームワークである「Ruby on Rails」に影響を受けたとも言われています。Ruby on Railsの経験がある方には、似た感覚で開発を進められる点がメリットになるかもしれません。
SAStruts(Super Agile Struts)は、Apache Strutsをベースとして開発されたWebアプリケーションフレームワークです。アジャイル開発に適した設計であるため、迅速で効率の良い開発を実現できます。
MVCアーキテクチャを採用しているため、メンテナンスや拡張も容易です。また、Webアプリケーションのセキュリティ強化につながるさまざまな管理機能や設定が提供されているのも、魅力といえるでしょう。
GWT(Google Web Toolkit)は、Googleが提供しているオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。GWT(Google Web Toolkit)を活用すれば、フロントエンド部分もJavaを使って開発を進められます。
通常、フロントエンドの開発にはJavaScriptを用います。しかしGWT(Google Web Toolkit)では、Javaで記述したアプリケーションを、コンパイラによってJavaScriptに変換します。そのため、JavaScriptに関する詳細な知識がなくてもWebアプリケーションのフロントエンド部分を開発可能というメリットがあります。
また、GWT(Google Web Toolkit)を使うと複数のブラウザで動作可能なJavaScriptが生成されるよう設計されています。そのため、ブラウザ間での互換性に関する問題の削減にも役立つのです。
JUnitとは、Javaで作ったプログラムを単体テストするためのフレームワークです。大きなプログラムを作る時には、プログラムを細かい単位に分けて構築します。この最小単位のテストを行うのが単体テストです。
JUnitを使うと、単体テストの自動化が可能です。大きなプログラムを構築する前に最小単位の時点でバグを発見・修正できるため、開発の効率が向上するというメリットがあります。
2024年現在、国内のエンジニアから多くの支持を集めているのは、「Spring Framework」と「Play Framework」の2種類のフレームワークです。さらに、テストに特化した「JUnit」も幅広く活用されています。
Spring Frameworkを活用するフリーランス案件には、大手不動産会社向けの人事管理システム開発や、証券会社向けの顧客管理システム開発などの案件があります。平均年収は、約900万円※1 です。
※1:2023年6月時点で、フリーランスITエンジニア専門の案件紹介・転職支援エージェント【プロエンジニア】に月額の下限および上限が公開されているSpring Framework案件より平均額を算出
Spring Frameworkを活用する案件情報は、下記のページから閲覧できますので興味がある方はぜひご覧ください。
▶ 参考:Springのフリーランス案件情報 | プロエンジニア
Play Frameworkを活用するフリーランス案件には、配送マッチングプラットフォームの開発や、経済情報サービスを展開している企業での開発などの案件があります。平均年収は約828万円※2 です。
※2:2023年6月時点で、フリーランスITエンジニア専門の案件紹介・転職支援エージェント【プロエンジニア】に月額の下限および上限が公開されているPlay Framework案件より平均額を算出
Play Frameworkを活用する案件の情報は下記のページから閲覧できますので、ぜひご覧ください。
▶ 参考:Play Frameworkのフリーランス案件情報 | プロエンジニア
JUnitを活用するフリーランス案件には、大手銀行向けインターネットバンキング案件や、大手通信キャリア向けAPI開発などの案件があります。平均年収は約888万円※3 です。
※3:2023年6月時点で、フリーランスITエンジニア専門の案件紹介・転職支援エージェント【プロエンジニア】に月額の下限および上限が公開されているPJUnit案件より平均額を算出
JUnitを活用する案件の情報は下記のページから閲覧できますので、ぜひご覧ください。
▶ 参考:JUnitフリーランス案件の特徴・単価・必要スキル
Javaのフレームワーク利用について、よくある質問をまとめました。
フレームワークを活用するメリットには「開発効率が良くなる」ことが挙げられます。
全く何もない状態から複雑なシステムを開発するには、膨大な労力がかかってしまいます。しかしフレームワークには各種のシステムに共通した土台の部分があらかじめ用意されているので、独自性の高い部分の開発に集中することができます。
さらにフレームワークで用意されている部分はすでに安定している状態のため、その部分はテストの手間も減るという利点があります。
また多くの人が使うことを想定して開発されているため、フレームワークはルールを整えて開発されているものがほとんどです。そのためフレームワークに沿ったルールを使うことでコードの統一性が保たれ、チーム開発も効率的に行いやすくなるというメリットもあります。
Javaのフレームワークを活用すると、開発効率が良くなります。つまりフレームワークが用意してくれる部分を自力でコーディングする機会が減ってしまい、その部分のコーディング技術が伸びにくくなる可能性はあります。さらに技術が伸びにくいだけでなく、その部分の仕組みに対する理解も深まりにくくなる可能性もあります。
またフレームワークに限らない話ですが、IT業界はトレンドの変化が激しい業界です。「せっかく勉強したフレームワークの人気が、すぐに下火になってしまった」なんていう場合も。Javaの仕組みを理解して、新しい技術のリサーチも続けることが大切です。
システム開発の際には、開発効率向上のためにフレームワークを活用します。フレームワークを活用することで、スムーズに開発を進められるメリットがあります。
フリーランスやテレワークでの勤務を目指す人にとって、フレームワークの知識は欠かせません。人気言語のJavaには、数多くのフレームワークがあります。それぞれに特徴や用途が異なるため、開発の目的にあわせて選びましょう。
この記事を参考に、まずは気になるフレームワークに触れてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
特に初心者の場合、プログラミング言語の中でもJavaは習得が難しい方だと言われています。Javaはできることがとても多いので、そのぶん仕組みも複雑です。そこで分からないことが出てきたときに、質問しながら効率よく学べるのもプログラミングスクールのメリットです。
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初心者向けに、わかりやすく解説します。