ITパスポート試験は3つの分野から出題されますが、最も重視されているのがIT技術について問われる「テクノロジ系」と呼ばれる分野です。今回はITパスポートのテクノロジ系問題の攻略のコツについて紹介しますので、ぜひご覧ください。
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最終更新日:2023年12月6日
目次
ITパスポート試験は3つの分野から出題されますが、平等に出題されるわけではありません。全100問のうち、次のような配分で出題されます。
分野 | 出題数 | 合格に必要な最低正解数の目安 |
---|---|---|
ストラテジ系 | 35問(うちダミー問題:3問) | 10問 + ダミー3問 = 計13問 |
マネジメント系 | 20問(うちダミー問題:2問) | 6問 + ダミー2問 = 計8問 |
テクノロジ系 | 45問(うちダミー問題:3問) | 13問 + ダミー3問 = 計16問 |
このように全100問のうちテクノロジ系が半分近くを占めており、とても重視されている分野であることが分かります。
実はITパスポート試験には、今後出題する問題を評価するためのダミー問題が計8問含まれています。さらに採点でもIRT方式(全体の解答結果から評価点を算出する)という特殊な採点方式を採用しているため、単純に何問正解すればOKと言い切ることが難しい試験です。
また全体で6割以上正解すれば合格ですが、各分野ごとの点数が3割を切っていたら不合格になってしまいます。
これを踏まえた上で、あえて必要な正解数を計算するならば、テクノロジ系の場合
42問×0.3=12.6問(切り上げで13問)
これに評価対象外としてよけておいたダミー3問を加えると、テクノロジ系のみで少なくとも16問程度は正解しておく必要があります。なおダミー問題がどれか見分ける方法はないため、それも正解数に含めて考えておくと安全です。
このように、例えばストラテジ系とマネジメント系が共に満点を取れたとしても、テクノロジ系が全問不正解では落ちてしまいます。そのため、いくら苦手だからといって分野ごと捨ててしまうと、合格がとても難しくなってしまいます。特にテクノロジ系は配点が高いので、合格にはテクノロジ系の攻略が重要になります。
それでもテクノロジ系が苦手という場合は、問題の種類を2つに分類してみることがポイントです。ITパスポート試験の問題には、大きく分けて「計算が必要な問題」と「知識があれば解ける問題」の、2種類があります。
特にテクノロジ系が苦手という方には、計算問題を苦手とする方が多いようです。その場合、計算問題にあまり時間をかけすぎないことが攻略のポイントです。その理由は、後ほど詳しく解説します。
なお自分に合った参考書を知りたい方は、次の記事も読んでみてください。
ITパスポート試験の過去問および解答例は、全て公式サイトで公開されています。ここからは3つの大分類「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」それぞれ過去問を例にあげ、テクノロジ系でよく出る問題の解き方のポイントを解説します。
まず「基礎理論」は、「基礎理論」と「アルゴリズムとプログラミング」からなり、計算問題やプログラムを読み解く問題が多く出題されます。テクノロジ系を苦手とする方にとっては、特に難しく感じる問題が多いのではないでしょうか。
なお過去問が解けるサイトは多数あります。
次の記事にまとめているので、自分に合ったサイトを探してみてください。
「基礎理論」には、次のような計算問題が多めに出題されます。
このタイプの問題で重要なのは、表の見方です。まず品質管理担当者の判定結果は、図の左に「品質管理担当者による判定」と書かれているので、下の図で色付けた部分のように、項目を横に見ます。
すると「品質管理担当者が不良品と判定した製品画像数」は計10枚で、うち「機械学習モデルの判定が不良品と判定した製品画像数(赤文字)」は5枚ということが分かります。
算出したい「再現率」は、その割合だと問題文に書かれています。そこで、次のように計算することができます。
5 ÷ 10 = 0.50
よって正解は、「ウ」ということが分かります。
「アルゴリズムとプログラミング」には、プログラムを読み解く問題が多く出題されます。
プログラムを読み解く問題は、一見するとプログラミング言語が分からなければ解けないと思いがちです。しかしITパスポート試験で出題されるプログラムは特定のプログラミング言語ではなく、プログラミングの考え方を学ぶために作られた「疑似言語」と呼ばれるものです。そのためプログラミング言語自体を知らなくても、あきらめずに問題文をしっかり読めば、ヒントがちりばめられています。ただし「整数型」や「配列」など、IT用語の意味は覚えておく必要があります。
この問題は、バブルソートと呼ばれるソーティング(バラバラの数字を昇順または降順に並べ替える)プログラムです。このプログラムを一行ずつ追ってみると、配列の中の数字の大きさを一つずつ比べて、左が右より大きければ、順番を入れ替える操作をしています。この処理を何度も続けていくと、やがて数字は小さい順に並びます。
よって正解は、「ア」ということが分かります。
次に「コンピュータシステム」は、「コンピュータ構成要素」、「システム構成要素」、「ソフトウェア」そして「ハードウェア」の4つからなり、計算問題やプログラムを読み解く問題が多く出題されます。知識があれば答えられる問題が多い分野ですが、次のように簡単な計算が必要な問題も出題されます。
この問題は、RAIDという用語の意味を覚えた上で、簡単な計算が必要です。RAIDとは、複数のハードディスクを組み合わせて、まるで一つのハードディスクかのように仮想的に使う技術です。複数のハードディスクを組み合わせて使うことで一つの大きなハードディスクとして使えたり、バックアップを自動的に保存してデータを失う危険を防いだり、保存のスピードを速めたりすることができます。
特に出題されているRAID0とRAID1には、次のような特徴があります。
• RAID0・・・複数のディスクに1つの情報を分散して保存するので、保存にかかる処理時間が短くなる。その代わり、うち一つのディスクが壊れたらデータが壊れてしまうリスクがある。
• RAID1・・・複数のディスクに同じデータを同時にまるごと保存するので、故障に強くなる代わり、保存できる容量が少なくなる。
よって正解は、「イ」ということが分かります。
この問題のように、単純に知識を問われる問題も出題されます。
この問題の場合、正解は「ア」です。
最後の「技術要素」は、「情報デザイン」「情報メディア」「データベース」「ネットワーク」「セキュリティ」の5つからなり、知識があれば答えられる問題が多い分野です。
中でも、ITパスポート試験では「セキュリティ」が特に重視されています。令和5年度の公開問題では、なんと55問中20問がセキュリティに関する問題でした。
セキュリティ関連の問題は、覚えておけば解けるものばかりです。特にテクノロジ系が苦手だという方は、セキュリティ分野だけは完璧に解答できるよう、しっかり勉強しておくことがオススメです。
セキュリティ以外の分野でも、「技術要素」には基本的に知識問題が多い傾向があります。ただデータベースなどを中心に、考える問題も少し出題されます。
この問題のように、用語の意味を問われる問題が多く出題されます。
この問題の場合、正解は「ウ」です。
この問題のように、データベースの正規化を行う問題も出題されます。
通常の手順では、「第1正規化」「第2正規化」「第3正規化」を順に行っていき、答えを導きます。しかしこういった問題の場合、簡単に答えを探すコツがあります。
まず「会員管理」を見ると、会員は店舗ごとに別の会員番号が振られていることが分かります。そのため「”会員” 表」の主キーは、「会員番号」と「店舗コード」の2つであることが分かります。ここで、まず正解は「ウ」か「エ」に絞られます。
次に「”会員” 表」を「”会員種別” 表」と紐づけるために、「会員種別コード」も必要です。
よって、正解は「エ」だと分かります。
ITパスポート試験に合格するには、最低でも何点取ることを目指すべきなのでしょうか。苦手意識がある場合とない場合に分けて、ご紹介します。
テクノロジ系に苦手意識がある場合でも、少なくとも300点は必ず取らなければ合格できません。合格のポイントでご紹介したように、最低でも16問は正解できることを目指しましょう。
全体の六割である60問にダミー問題の8問を加えて考えると、全体で約68問正解する必要があります。ストラテジ系35問とマネジメント系20問を合わせると、計55問。これにテクノロジ系の最低正解数である16問を加えると、計71問でなんとか合格ラインを超えることが可能です。
ただしこれには、ストラテジ系とマネジメント系が完璧に解けるという前提があります。ストラテジ系やマネジメント系もそれほど自信がない方は、テクノロジ系の点数を少しでも上げておくことが重要です。
前述のように、ストラテジ系とマネジメント系の最低必要正解数は、次の通りです。
• ストラテジ系・・・13問
• マネジメント系・・・8問
合計で、21問です。
これを合格ラインの68問から引くと、あと47問の正解が必要ですが、テクノロジ系の45問全て正解しても足りません。ストラテジ系やマネジメント系が苦手でテクノロジ系がそれほど苦手でないのなら、ここでしっかり点数を稼いでおきたいところです。
テクノロジ系で800点取っておけば、ストラテジ系やマネジメント系の点数がそれぞれ500点程度でも合格ラインに届きます。ストラテジ系やマネジメント系が苦手という方は、テクノロジ系で800点を目指して準備しておくことがおすすめです。
どうしてもテクノロジ系が難しいと感じる方は、次のコツを試してみてください。
計算問題を考えているうちに時間切れになり、最後まで解けずに終わっていませんか?
ITパスポート試験は、120分の制限時間で100問も解答しなければなりません。さっと問題を読んで解き方が思い浮かばないようなら、飛ばして次の問題へすすみましょう。
計算問題と同様に、さっと問題を読んで「知らないな」と思ったら、あまり悩まずに飛ばして次の問題へ進みましょう。
一通り最後まで解き終わって、飛ばした問題に戻って考えるときは、知識問題より計算問題を優先することがオススメです。全く知らない用語はいくら考えても思いつくものではありませんが、計算問題については問題文をよく読むと解き方のヒントが書かれている場合も多いためです。
さらに「計算問題を解いているうちに用語を思い出した!」というケースもあります。
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