marginプロパティは、CSSでよく使うプロパティですが、特有のルールがあって悩みの種にもなりがちです。
今回は、このmarginプロパティの概要と、ショートハンドについてまとめたいと思います。
marginプロパティについては、以下のページもご参照下さい。
CSS【 margin 】1 ~ マージンとショートハンド(本ページ)
CSS【 margin 】2 ~ autoとwidthと上下と左右
CSS【 margin 】3 ~ ネガティブマージン
CSS【 margin 】4 ~ マージンの相殺 (margin collapsing)(1)
CSS【 margin 】5 ~ マージンの相殺 (margin collapsing)(2)
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CSSのショートハンドとは、複数のプロパティをまとめて1つのプロパティで指定する方法のことです。ショートハンドを使うと、スタイルシートの内容が読みやすくなったり、コード量が減るためにコーディング作業がスムーズになったりするメリットがあります。
例えば、上下左右のマージンを全部10pxにしたいとき、通常は次のように指定します。
margin-top:10px;
margin-right:10px;
margin-bottom:10px;
margin-left:10px;
この書き方だと、指定する際も大変ですが、後で変更があった場合は4箇所の値をそれぞれ修正行する必要があります。
同じ内容の仕様を、ショートハンドを使って指定すると、次のような書き方となります。
margin:10px;
便利で読みやすく、修正作業も捗ります。
marginの他、padding や border、background、font などでもショートハンドが使えます。
ショートハンドを指定できるプロパティ
margin | マージンの上、下、左、右 |
---|---|
padding | パディングの上、下、左、右 |
background | 背景色、背景画像、画像の表示位置 / 画像のサイズ、画像の繰り返し方法、描画領域、画像の配置基点、画像のスクロール方法 |
border | ボーダーの上、下、左、右の 太さ、スタイル、色 |
border-image | ボーダーに使用する画像、画像のスライス、太さ、外側への拡張、繰り返し方法 |
outline | アウトラインの太さ、スタイル、色 |
font | 文字のスタイル(イタリックか正体か)、文字の表示機能(small-capsとか)、文字の太さ、サイズ / 行の高さ、書体(font-family) |
list-style | リストマーカーの種類、位置、画像 |
columns | マルチカラムの個数、カラム幅 |
transform | マトリックス変形、移動距離、拡大率、回転の角度、傾斜角度 |
transition | 遷移させるプロパティ、変化にかける時間、変化中の速度、開始のタイミング |
animation | アニメーションの名前、1回分の再生時間、速度に緩急をつる、開始のタイミング、再生回数、逆方向の再生 |
marginプロパティは、要素の外側の隣りのボックスとの間隔、または子要素の場合は親要素のとの間隔を指定します。
marginプロパティの値は、次の通りです。
auto | 値が自動計算される |
---|---|
数値 | px や em などの単位を付けて指定 |
% | 要素の幅や高さに対するパーセントで指定 |
marginプロパティの値は、継承されません。
また、marginプロパティは、tr要素などテーブル関連の要素を除き、全ての要素で使用できます。
marginプロパティのショートハンドの書き方には、ルールがあります。
このルールは、paddingプロパティやborderプロパティなどでも共通のルールです。
値が1つの場合は、上下左右が全て同じ値 |
---|
{margin:値;}のように値を1つ指定している場合は、上下左右全て同じ値という意味の指定です。
margin:3em;
|
値が2つの場合は、上下と左右の値 |
{margin:値1 値2;}のように値を2つ指定している場合は、上下(同じ値で値1)と左右(同じ値で値2)という意味の指定です。 値と値の間は、半角スペースで区切ります。 margin:1em 3em;
|
値が3つの場合は、上、左右、下、の値 |
{margin:値1 値2 値3;}のように値を3つ指定している場合は、上(値1)、左右(同じ値で値2)、下(値3)という意味の指定です。 値と値の間は、半角スペースで区切ります。 margin:1em 2em 3em;
|
値が4つの場合は、上、右、下、左、の値 |
{margin:値1 値2 値3 値4;}のように値を4つ指定している場合は、上から始まって時計回りに、上(値1)、右(値2)、下(値3)、左(値4)という意味の指定です。 値と値の間は、半角スペースで区切ります。 margin:1em 2em 3em 0;
|
マージンの上下左右の値をショートハンドで指定できるので、個別のmargin-rightプロパティなどは必要ないようにも思えますが、例えば、ショートハンドで値を指定した上で、一部だけピンポイントで値を変えたい場合には、個別指定のプロパティを使います。
入れ子にしたリストを、ショートハンドでmarginプロパティを指定すると、次のような表示になります。
<!-- CSSファイル -->
ul#sample1 {border:solid 1px #ccc; margin:0; padding:0; font-weight:bold;}
ul#sample1 li {
margin:1em;
padding:1em;
background:rgba(49, 169, 238, 0.5);
color:#fff;
line-height:1em;}
ul#sample5 li ul {margin:0;}
ul#sample5 li ul li {margin:1em 0 1em 3em;}
<!-- HTMLファイル -->
<ul id="sample1">
<li>AList
<ul>
<li>AList1</li>
<li>AList2</li>
<li>AList3</li>
</ul>
</li>
</ul>
入れ子にしたul要素内のli要素は、上下のマージンが1emずつですが、マージンの相殺により各li要素間は、合計の2emにはならず、1emとなります。
ですが 最後のli要素は、親のpaddingと自分のmarginのおかげで、下が2em空いてしまいます。
これを、下の空きを他と同じ1emにしたい場合は、最後のli要素だけmargin-bottomプロパティを指定します。
<!-- CSSファイル -->
ul#sample2 {border:solid 1px #ccc; margin:0; padding:0; font-weight:bold;}
ul#sample2 li {
margin:1em;
padding:1em;
background:rgba(49, 169, 238, 0.5);
color:#fff;
line-height:1em;}
ul#sample2 li ul {margin:0;}
ul#sample2 li ul li {margin:1em 0 1em 3em;}
ul#sample2 li ul li:last-child {margin-bottom:0;}
<!-- HTMLファイル -->
<ul id="sample2">
<li>BList
<ul>
<li>BList1</li>
<li>BList2</li>
<li>BList3</li>
</ul>
</li>
</ul>
擬似クラス「 :last-child 」で、最後の要素だけ下マージンを 0 にしています。
ここでは、一番最後の下マージンだけを変更したいので、margin-bottomプロパティを使っています。
このように、シーンに合わせて個別指定のプロパティを使います。
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