Code Studioは、米国で広く用いられている対象年齢4歳からの教育用のプログラミング環境です。文字で書かれたソースコードの代わりにブロックと呼ばれるスクリプトを組み合わせることによってプログラミングを進めていきます。
こう聞くと子ども向けかと思われがちですが、本格的なJavaScriptのコード入力をブロックを用いて補助してくれるモードもあり、スマートフォン上で動作するアプリの作成も可能という、全年齢に向けて本格的なプログラミング学習システムとなっています。
目次
サイトURL | https://studio.code.org/ |
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対応する言語やスキル | ビジュアルプログラミング言語、JavaScript |
利用料金 | 無料 |
教材タイプ | ブラウザ入力(ダウンロード版あり) |
対応レベル | プログラミング入門者 |
備考 | 日本語対応 |
Code Studioのメインは「ブロック」をつなげてプログラミングを行うビジュアルプログラミング言語ですが、JavaScriptでのコード確認や入力にも対応しています。そのためプログラミングの基礎だけでなく、ステップアップしてJavaScriptの学習も行うことができるようになっています。
プログラミングの基礎をごく易しく学べるようにとの工夫が凝らされた「4歳から18歳までを対象とする4つの初心者コース」があり、他にも「コンピュータサイエンスの基礎を学べる上級コース」や、JavaScriptのブロックを組んでオリジナルのスマホアプリを作成する「アプリラボ」という機能もあります。さらにマインクラフトやスターウォーズ、アナと雪の女王、Flappy Birdといった人気作品とコラボレーションしたりと、どの年齢に向けても飽きのこない学習カリキュラムが用意されています。
Code Studioは多くの有名作品とコラボしており、その作品がテーマのカリキュラムでプログラミングの勉強を行うことができます。
羊やニワトリ、ゾンビなどの動きをプログラムしてオリジナルのマインクラフトを作成する「Minecraftデザイナー」と、主人公の動きをプログラムしてマインクラフトの世界を冒険させる「Minecraftアドベンチャー」の2種類が用意されています。
Mincraftデザイナーで流れる説明のムービーでは、実際のマインクラフト開発チームの皆さんがゲーム内で自分が担当した部分の紹介と、Code Studioで次に行う作業を教えてくれます。特にマインクラフトファンの方は必見の内容となっています。
BB8の単純な動きをプログラムするところからスタートし、どんどん複雑になる指令をこなしてスターウォーズゲームを作成していきます。コースの最後には、これまで学んだことを全て自由に使ってステージを作ることができます。
こちらも説明ムービーにはスターウォーズ・フォースの覚醒のスタッフの方が出演されており、スターウォーズファンには必見の内容となっています。
https://studio.code.org/s/frozen/stage/1/puzzle/1
アナやエルサを動かして、最初は一本のラインを描くことから始まり、どんどん複雑な図形を描画していくコースです。特に回数を指定したループの処理と入れ子構造について、より深く学ぶことができます。
Https://studio.code.org/flappy/1
フラッピーバードのごく簡単な動きから徐々に機能を追加して、ゲームとしての完成度を上げていくコースです。最終的には自分オリジナルのFlappy Birdを作成することができます。
アングリーバードやその他のキャラクターの動きをプログラムして、迷路を解いていきます。ここでは特に条件付きで脱出するループ処理について学ぶことができます。
Code Studioの機能のうち、手順に沿って学習するコースはユーザー登録なしでも使うことが可能です。セーブやプロジェクトの公開を伴うアプリラボの利用には、ログインが必要です。
登録はメールアドレスを使う方法のほかに、Facebook、Googleアカウント、Microsoftアカウントでログインする方法も用意されています。
今回は、大人でも楽しめるマインクラフトコラボなどがあるHour of Codeの使い方を例に、ご紹介したいと思います。
まず、好きなコースを選択します。今回は「マインクラフト」を選択します。
さらに2つのコースがあるので、今回は「Mincraftデザイナー」を選択します。オフライン環境で作業したい場合、「Minecraftアドベンチャー」についてはオフライン版も配布されています。
チュートリアルムービーが終わると、入力画面が表示されます。デフォルトでBGMが流れるため、注意して下さい。
入力画面の左上がプレビュー画面、その下に実行(RUNに相当)するボタンがあります。さらにその下には、チュートリアルを見直せるリンクがあります。
画面中央の「ブロック達」というフィールドには、このステージで使用するブロックが並んでいます。ブロックの中身はJavaScriptのコードになっています。
画面右側のワークスペースが、プログラムの入力スペースとなっています。このスペースの中に、画面上部の指令を満たせるようブロックを並べていきます。
ブロックを並べて実行ボタンを押すと、ブロックの流れに沿ってスクリプトが実行されます。
指令をクリアできたら、「次へ」をクリックして次のステージに進みます。
最終ステージではキャラクターやイベントのブロックが全て使用することができ、特に指令もありません。自分で好きなようにマインクラフトの世界をプログラミングできますので、ぜひ楽しんでみて下さい。
なおマインクラフトコースでは機能がありませんが、スターウォーズなどのコースではステージのクリア時にJavaScriptのコードを表示して確認することも可能です。
ちなみに新しくまっさらな状態からプロジェクトを作りたいときは、トップ画面下部にある「アプリを作る」を選択します。一番左の「アプリを作る」をクリックすると、「JavaScriptがそのまま記載されたブロック」を用いた編集画面が表示されます。ブロックを用いることで初心者でもスクリプト同士の接続が分かりやすく、入力が補助されるようになっています。
真ん中の「アプリを作る」をクリックすると、Hour of Codeなどで使用した「スクリプトが日本語で表されたブロック」を用いて自由にプロジェクトを作成することができる画面が表示されます。
最後に右の「絵を描く」をクリックすると、Hour of Codeのアナと雪の女王コースのように、図形描画に特化したプロジェクトを自由に作成することができます。
なおこれらの機能でプロジェクトを作成や保存するには、ユーザ登録が必要です。
作品が完成したら画面上にある「共有」ボタンを押すことで、全世界に公開することが可能です。
共有されたプロジェクトは、誰でも中身を参照してリミックスすることができます。思い描いたゲームを最初から作るのは難しい場合は近いものを探してリミックスから始めてみることが上達の近道であるのは、普通のプログラミングに近いものがあるのではないでしょうか。
さらに作成した作品は、スマートフォン上で動かすこともできます。つまりスマホアプリの自作もごく簡単に楽しむことができるのです。
Code Studioのサイトにはさまざまな方からコメントが寄せられていますが、2014年には当時のアメリカ大統領であるバラク・オバマ大統領から寄せられたコメントもYouTubeにて公開されています。
コメントの中でオバマ大統領は、次のように述べられています。
昨年Hour of Codeと一緒に米国中の学生や教員がコンピューター科学週間をお祝いしました。新しいスキルを学び、ゲームやアプリをプログラミングし、コンピュータ科学者として生まれてこなくても、コンピュータ科学者になるのはそれほど怖いことではないということに気づきました。一生懸命、そして少しの数学と科学で、誰にでもなれるのです。
(出典:President Obama kicks off the Hour of Code 2014)
同じJavaScriptの入力であっても、ブロックを用いて補助してもらうことで「このブロックとこのブロックはつながらない=書式が間違っている」ということがよく分かり、初心者でも学びやすくなっているのが特徴です。
プログラミングは全くの初心者だけど最終的にJavaScriptをマスターしたいという方へ、大統領も注目するCode Studioからステップアップを目指してみてはいかがでしょうか。
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