Khan Academyは2006年に発足した教育系の非営利団体であり、米国でも大手に数えられるオンライン講座サイトです。プログラミングなどのコンピューティング分野だけでなく、数学や科学、経済学、そして芸術分野など多彩な分野において10000本以上の教材を提供しています。
「誰もがどこでも無料な授業を」を標語として掲げる同サイトは完全無料で運営されており、翻訳など多くの部分でボランティアが活躍しています。
日本語版サイトは現在数学や経済のみへの対応でありコンピューティング分野の対応が待たれるところですが、英語に苦手意識のない方にとっては動画講習から実技演習まで対応している、とても充実したサイトとなっています。
目次
サイトURL | https://www.khanacademy.org/ |
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対応する言語やスキル | JavaScript、HTML、CSS、SQL、情報理論など |
利用料金 | 完全無料 |
教材タイプ | ブラウザ上で動画閲覧&演習 |
対応レベル | プログラミング初級者?上級者 |
備考 | 一部日本語対応(英語、ほか23か国語に対応) |
小学生向けの算数から始まり、大学レベルの数学、物理、化学、経済、金融、歴史、美術、コンピューティングなどなど、さまざまな分野を網羅する教育動画が無償で提供されています。
そのうちのコンピューティング分野に関する講座には、「プログラミング言語」「コンピュータ科学」「Hour of Code」の3つのカテゴリがあり、それぞれ次のような学習を行うことができます。
<プログラミング言語>
・JavaScript入門:描画とアニメーション
・HTML/CSS 入門:Webページ制作
・SQL入門:クエリとデータ管理
・JavaScript応用:ゲームと可視化
・JavaScript応用:自然シミュレーション
・HTML/JavaScript 応用:対話型Webページ
・HTML/JavaScript 応用:jQueryを用いた対話型Webページ作成
<コンピュータ科学>
・アルゴリズム
・クリプトフラフィー(暗号理論)入門
・情報理論入門
・インターネット入門
<Hour of Code>
・JavaScriptコードで描画
・HTML/CSSでWebページ
・SQLでデータベース
Khan Academyの講座は動画の講義だけでなく、セットで練習問題も提供されています。コンピューティング分野においてはブラウザ上で入力から実行までのコーディング実践が行えるシステムが実装されており、プログラミング学習専門のサイトにも遜色のない学習環境となっています。
Khan Academyでは公式にスマートフォンアプリが提供されており、アプリ上でも講義の動画を視聴することができるようになっています。移動中などの隙間時間の活用にも便利です。
■iPhone版
https://itunes.apple.com/jp/app/khan-academy-you-can-learn-anything/id469863705?mt=8
■Android版
https://play.google.com/store/apps/details?id=org.khanacademy.android&hl=ja
数学や化学、経済、美術の一部については、日本語字幕付きの動画が公開されています。日本語版への翻訳はボランティアの手によって行われており、2017年4月現在の対応状況は13%のようです。
コンピュータサイエンス分野については未着手のようであり、対応して下さるボランティアの登場が待ち遠しいところです。
逆に英語には自信がある!という方は、ボランティアとして翻訳にも参加されてみてはいかがでしょうか。
今回はプログラミング言語のコースを例にとり、使い方をご紹介したいと思います。
Khan Academyの講座は、会員登録などはしなくても受講することができます。ただしサインアップすると詳細な進捗状況の管理やディスカッションの書き込み履歴の管理などが行えますので、本格的に学習を始める前には登録しておくことがおすすめです。
新しい講座を始めたい場合、またはこれまでの続きを受講したい場合は、マイページの「Home」タブから行えます。
全講座カテゴリの一覧から、希望のカテゴリを選択します。今回は右上の「Computing」配下にある、「Computer Programming」をクリックします。
するとコースの一覧が表示されるので、好きなコースを選択します。
次に、コースの詳細が表示されます。
右向き三角マークが講義の動画、ファイルマークがtipsなどのテキスト、星マークが演習問題となっており、タイトルをクリックするとそのページへ進みます。既読の部分は緑になりますので、続きから行う場合にも分かりやすくなっています。
基本的に頭から順に進めていきますが、飛ばして先へ進むことも可能です。
動画では、音声による解説と共に、まるでホワイトボードに描かれているようにテキストや図が表示されます。特にプログラミング言語の講義では、左側がコード入力エリア、右側が実行画面のプレビューエリアとなっています。
講義の画面を下にスクロールすると、分からないところを質問できる掲示板が講義ごとに用意されています。この掲示板に自分が書き込んだ内容やそれに対する返信などは、マイページの「Discussion」タブで一括で管理することができます。
解説を見終わったら、画面下のリンクまたは画面左の目次から演習問題に進みます。
演習画面では、動画と同様に左側にコードを入力すると右側にプレビューが表示されます。課題を満たすと表示される「Next Step!」ボタンを押すと、次の問題に進みます。問題は複数あるので、間違えて左のメニューから次の講義に進まないよう注意して下さい。
なお間違えたコードを入力している場合は、エラーメッセージでどこが間違えているのかを教えてくれる機能もあるので安心です。
お子さんがKhan Academyでプログラミングを学んでいる方の感想を見つけましたので、ご紹介致します。
このカーンのTEDのビデオを見ると、カーンの生徒がビデオの授業を好んだ理由と、そのメリットがよくわかります。
機械のように教えるべきところはすべて「ビデオ」に任せるので、その分、先生たちは子供たちと自由に教育ができるというわけです。
子供もカーン・アカデミーに登録し、勝手にJava Scriptなどを学んでいますが、むちゃくちゃ面白いそうです。
子供たちは私たちとは違う時代を生きているのだと、しみじみ感じてしまいますねー。
ひと昔前であれば動画を見るだけで本当に学問が身につくのか?などと効果を疑問視されていたのではないかと思いますが、今や動画を用いた学習に効果があることを身をもって感じている方が多いようです。
Khan Academyで提供されている講義の内容は海外の大学で行われている講義と同等レベルのものも多く、自宅にいながらまるで留学しているような体験を得ることができます。そのため、Khan Academyを英語学習目的で利用している方も多いようです。
コンピューティング分野だけでなく英語のリスニングスキルも同時に高めたいという方は、ぜひ一度覗いてみてはいかがでしょうか。
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