AI・機械学習に興味を持ち始めたばかりで、実務経験はないけれど「客観的なスキル証明」が欲しいという方にこそ、E資格は有力な選択肢です。
この記事では、E資格の難易度を正直に評価し、AI分野の初心者が合格するための現実的なロードマップを解説します。不安を解消して、まずは一歩を踏み出しましょう。
最終更新日:2026年6月17日
目次


G検定が「AIを活用する」知識を問うのに対し、E資格は「AIを作る・実装する」力を問う点が大きな違いです。
| 項目 | 概要・詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | JDLA Deep Learning for Engineer |
| 主催団体 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
| 目的 | ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装できる能力を認定 |
| 試験形式 | 120分・多肢選択式(約100問)、全国の指定テストセンターで実施 ※総試験時間135 分 (NDAおよびアンケート15分 + 試験120分) |
| 受験資格 | JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること(これが最大の特徴) |
| 受験料 | 一般:33,000円(税込) 学生:22,000円(税込) 会員:27,500円(税込) ※会員価格で受験するには、事前に会員向けバウチャーの申請が必要です。 詳しくは公式サイト内QA:会員についてをご確認ください。 |
| 実施回 | 年2回(2月・8月頃) |
※試験会場で試験を開始する前に、機密保持契約(NDA*)への同意が必要です。
*NDAとは、主に、設問や解答内容に関して第三者へ開示しないことへの同意事項です。同意しない場合には、試験を開始することができません。また、同意せず試験を受験しなかった場合でも、受験料の返金はされません。受験後、同意事項への禁止行為を確認した場合には、認定団体による資格認定の取り消しや、今後の受験禁止等の措置がとられる場合があります。

E資格を受験するためには、JDLAが認定した教育プログラムを修了することが必須条件です(試験日の過去2年以内)。
【認定プログラムの特徴】
• 講座時間:約150~300時間程度(講座により異なる)
• 内容:数学・Python・機械学習・深層学習の実装までを体系的に学べる
• 形式:オンライン中心(動画講義+ハンズオン課題+修了試験)
• 費用:10万円~50万円程度(講座により幅あり。教育訓練給付金対象講座は実質負担軽減可能)
• 修了条件:最終課題や修了試験に合格すること
要するに、「E資格の公式対策講座」のような位置づけです。
自分で独学するより、認定プログラムを受講した方が効率的に合格レベルまで到達できるように設計されています。
プログラミング経験はあるがAIは未経験という層にとって、認定プログラムは第一関門と言えます。
E資格の出題範囲は、JDLA公式シラバスに基づいた「認定プログラム修了レベル」が中心です。認定プログラムで学んだ内容がそのまま試験に活きます。
主な出題領域は以下の5つです。
• 数学的基礎(線形代数・確率統計など)
• 機械学習(基礎理論など)
• 深層学習の基礎(CNN・RNN・Transformerなど)
• 深層学習の応用(生成AI・自然言語処理など)
• 開発・運用環境(PyTorch/TensorFlowの実装)
比率の目安(シラバスと合格者傾向から)
• 深層学習(基礎+応用):半数以上(最も重要)
• 数学的基礎・機械学習:それぞれ2~3割程度
• 開発・運用環境:実装問題を含む
特に「PyTorchまたはTensorFlowを使った実装レベルの知識」が特徴的です。これはコードの穴埋め問題で出題され、モデルの構築、学習ループ(forward → loss → backward → step)、主要層の使い方などが問われます。
試験開始前にPyTorchかTensorFlowのどちらかを選択し、選んだフレームワークの問題だけが出題されます。認定プログラムの修了課題で実際に手を動かしてモデルを作る経験を積んでおけば、この部分は十分に対応可能です。
✅ 出題範囲の詳細は公式サイトでご確認いただけます。
E資格、G検定、データサイエンティスト(DS)検定の3つの資格について、難易度やスキルの方向性の違いを以下の表にまとめました。
| 資格名 | 受験資格 | 主な出題内容・スキルの方向性 | 合格率目安 |
|---|---|---|---|
| G検定 | なし | AIの基礎知識、ビジネス・事業活用寄り | 70~80%台 |
| E資格 | 認定プログラムの修了必須 | ディープラーニングの理論、AIの実装・開発力重視 | 60~70%台 |
| データサイエンティスト検定 | なし | データサイエンス、データ全体の処理・分析寄り | 40~60%台 |
AI分野の初心者におすすめのルートは G検定 → E資格 の順です。まずはG検定でAI・機械学習の全体像やビジネス活用層の知識を掴み、その後に認定プログラムを受講してE資格で本格的な実装力を身につける流れが最も自然で挫折しにくくなります。
✅ G検定について以下の記事で詳しく解説しています。

JDLA公式発表によると2026年2月実施のE資格2026#1の合格率は69.17%(受験者1,317名、合格者911名)と、直近は約65~75%で推移しています。

しかし、この数字は「認定プログラムを修了した人」だけが受験しているためです。誰でも受けられるG検定より選抜性が高く、実質的な難易度は中上級と言えます。前提知識ゼロの完全初学者は、認定プログラム受講前に150~250時間程度を目安に基礎固めを行うとスムーズです。
1. 数学の壁(特に線形代数と確率統計)
2. プログラミングの実装経験不足
3. 範囲の広さ(最新の深層学習トピックまで追う必要がある)
これらは後述の前提知識でカバー可能です。初心者でも着実に進められます。
多くの初心者が「数学」と「実装」の2つで苦戦します。理論は動画学習で理解しやすいですが、数学の背景理解と手を動かす実装練習が鍵です。


この順番で進めれば、認定プログラムの内容が理解しやすくなり、合格可能性が大幅に上がります。

E資格では、ディープラーニングの「なぜこの数式が使われるのか」を理解するために数学が土台になります。
【具体的に学ぶべき内容】
線形代数:ベクトル・行列の計算、固有値など(ニューラルネットワークの計算で必須)
微分積分:勾配降下法(モデルを学習させる仕組み)の理解に必要
確率・統計:確率分布、期待値、過学習の評価などで頻出


E資格の試験ではPyTorchまたはTensorFlowを使ったコードの穴埋め問題が出るため、Pythonの基礎力が非常に重要です。
【具体的に身につけるべき内容】
– Python基本文法(変数、関数、条件分岐、ループ、クラス)
– NumPy:配列操作(行列計算の基盤)
– Pandas:データの読み込み・加工
– Matplotlib:グラフ描画で結果を可視化
– scikit-learnの基本的な使い方

機械学習の全体像を把握してから深層学習に進むのが効率的です。
【具体的に学ぶべき内容】
– 教師あり学習(回帰・分類)と教師なし学習の違い
– 過学習・正則化などの基本概念
– PyTorchまたはTensorFlowの超入門(シンプルなモデルを実際に作ってみる)


• 全体の目安:約350~600時間(前提知識含む)
• 前提知識(数学+Python+機械学習入門):150~250時間(2~3ヶ月)
• JDLA認定プログラム受講:150~250時間
• 復習・試験対策:50~100時間
※数学が苦手な方やプログラミング未経験の方は前提知識部分で250時間以上かかるケースもあります。焦らず自分のペースで進めることが重要です。
| 期間 | 学習フェーズ | 主な内容 | 目安時間(週) | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1~3ヶ月目 | 前提知識固め | ・大学教養レベルの数学 (線形代数・微分・確率統計) ・Python基礎文法 ・NumPy、Pandas、Matplotlib ・機械学習の基本概念 |
15~25時間 | 基礎を徹底的に固める。理解が浅いと感じたら1ヶ月延ばしてもOK |
| 4~6ヶ月目 | JDLA認定プログラム本受講 | ・動画講義視聴 ・ハンズオン課題 (PyTorch/TensorFlow実装) ・修了試験対策 |
20~30時間 | 最もボリュームのある期間。週末を中心にコツコツ進める |
| 7ヶ月目 | 復習・弱点補強 | ・認定プログラム教材の復習 ・数学と実装の苦手分野集中対策 |
15~25時間 | 模擬問題を解きながら自分の弱点を明確にする |
| 試験直前 2~3週間 | 最終仕上げ・模擬演習 | ・過去問・類似問題演習 ・時間配分練習 ・試験形式に慣れる |
20~30時間 | 本番を意識した総仕上げ。体調管理も忘れずに |
全体合計目安:350~600時間
仕事と両立する初心者には長期学習(週末中心)をおすすめします。毎日少しずつ継続することで挫折を防げます。「1~3ヶ月で前提知識を完璧に」と思わず、理解度を優先してください。

• Aidemy:
数学・Pythonの基礎フォローが手厚く、初心者に人気(給付金活用で実質負担を抑えられる場合あり)
• キカガク:
実践的でコスパ良好、サポート体制が充実
• AVILEN:
体系的カリキュラムで実装力をしっかり養える
無料説明会で「数学の補講があるか」「質問サポートの充実度」を確認することをおすすめします。
認定プログラムの修了試験(最終課題)はE資格受験資格の最大の関門です。提出期限に追われないよう、早めに着手し、わからないところはすぐに質問する習慣を付けましょう。
【具体的な対策】
• 認定プログラム内のハンズオン課題を繰り返し実施
• 講師やTAへの質問を積極的に活用(多くの講座で24時間以内に回答)
• 修了試験前には類似問題を複数回解く
【モチベーション維持の鍵】
• 学習コミュニティ:講座専用のSlack、JDLA公式コミュニティ「CDLE」など
• 進捗管理ツール:Notion、Google Sheets、講座の学習管理システム
毎日「今日やったこと」を記録するだけでも達成感が生まれ、継続しやすくなります。仲間やツールの力を借りながら、「小さな勝ちを積み重ねる」意識を持つことが最後までやり切るコツです。

対象講座を選べば受講料の20~70%が支給される場合があります。費用面の不安がある初心者は、事前に給付金対象講座を確認してください。
対象の講座や、E資格認定プログラム 助成金については以下で詳しくご覧ください。
▶ E資格認定プログラム 助成金について(個人向け)|日本ディープランニング協会

地方の県立大学3年生で、AIやPythonにほとんど触れたことがない状態から挑戦した事例です。
認定プログラム(Zero to Oneのコース)を中心に取り組み、合計約400時間程度で合格を達成。
数学が苦手だったものの、基礎から体系的に学ぶことでカバーしたと語っています。特に「手を動かす実装課題」が理解を深めたポイントだったそうです。
✅ 詳細はこちらの合格体験記で確認できます。
E資格2023#2 合格体験記 AI初心者の県立大学生
金融業界で働く20代後半(アラサー)の社会人で、機械学習に関する知識がほぼゼロの状態から挑戦した事例です。
プログラミングは社会人になってから始め、認定プログラム(AVILEN)を受講しながら約8ヶ月(実質学習時間相当)でE資格に合格。
数学は比較的得意だったものの、実装経験が浅い中、講義動画の繰り返し視聴と課題に粘り強く取り組んだことが合格の鍵になったそうです。
✅ 詳細はこちらの合格体験記で確認できます。
E資格(2024#1) 合格体験記|とむ
偏差値50程度の工学部卒でプログラミング経験が浅い30代社会人が、Aidemyの認定プログラムを利用してE資格に合格した事例です。
学習期間は約4ヶ月。Aidemyの講義をコツコツ進め、添削問題や技術カウンセリングを活用しながら修了試験を突破しました。
「非情報系でも、体系的に学べば実装力が身につく」と実感されたそうです。
✅ 詳細はこちらの合格体験記で確認できます。
【E資格】勉強方法【合格体験記】|ClawWorks(Aidemy)


JDLAの企業導入事例によると、多くの企業がE資格をAI人材育成の指標として活用しています。
• 東北電力株式会社、株式会社SRA、株式会社キューブシステムなど大手・中堅企業がE資格を積極的に推奨・導入
• 求人市場では「E資格保有者歓迎」「AIエンジニア優遇」といった条件が徐々に増加
• 大手企業の一部では書類選考免除や加点評価のケースも報告されています
E資格は実務経験の代替として機能しやすく、未経験からAI分野への転職で特に効果を発揮します。
【実際の活用事例】
• 日本総研(SMBCグループ)のデータサイエンティスト
E資格取得によりAI関連業務へのアサインが増え、社内評価と自信向上につながった。
• KDDIのITコンサルタント(岩田尚賢氏)
大学時代にE資格を取得したことで新卒入社後、ITコンサルタントへのキャリアチェンジを加速。AIコンサルタントを目指す基盤となった。
これらの事例では、E資格が「AIに本気で取り組んでいる」という姿勢と実装力をアピールする材料になっています。
• 実務での活躍:機械学習エンジニア、MLOpsエンジニア、AIコンサルタント
• 次の資格:AWS/GCPのAI関連資格、統計検定上級など
• コミュニティ活用:JDLA公式合格者コミュニティ「CDLE」への参加(ハッカソンなど実践機会多数)
• キャリアアップ:社内AIプロジェクトリーダー、専門チームへの異動、フリーランス・高単価案件


はい、受験自体は可能です。
ただし、「機械学習を勉強し始めたばかり」の完全初心者の場合、すぐに認定プログラムを受講して合格するのはかなり厳しいのが現実です。
E資格は実装力を問う試験のため、最低限の前提知識(数学・Python基礎)がないと、認定プログラムの内容についていくのが難しくなるケースが少なくありません。
本記事で紹介している4-1.推奨学習スケジュール例(6~8ヶ月プラン)を参考に学習をすすめることを推奨します。
「今はまだ自信がない…」という方も、まずはG検定から始めて徐々にステップアップするルートもあります。自分のペースで進められるのがE資格の良いところです。
もしも「プログラミングにまったく自信が無い」という方はプログラマカレッジの受講がおすすめです。
結論から言うと、そのままの状態では合格は極めて難しいですが、AIに必要な範囲だけに絞って学び直せば十分に克服可能です。
E資格の試験では、線形代数や確率統計の数式を正しく理解していること(コードの穴埋めや理論問題の土台となるため)が直接求められます。そのため、「数学から完全に逃げて合格する」ことはできません。
しかし、高校や大学の数学を丸ごと完璧にする必要はありません。E資格で必要なのは、「ディープラーニングの仕組み(なぜその計算をするのか)を理解するための数学」だけです。多くの認定プログラムには初心者向けの数学補講が用意されていますし、AIに必要なパートだけを凝縮した基礎教材から始めれば、文系出身や数学にブランクがある方でも半年ほどで合格ラインに到達しています。
「最初から得意である必要はないが、合格のために必要な学習からは逃げずに取り組む」というスタンスが現実的な合格への鍵です。
認定プログラムの有効期限内(2年)であれば、次の試験回から再チャレンジ可能。1回不合格でも学習が無駄になりません。

E資格の難易度は初心者にとって決して低くありませんが、「数学+Python基礎 → 機械学習入門 → 認定プログラム」というロードマップを守れば十分に合格可能です。
認定プログラム受講中は学習コミュニティ(Slackなど)や進捗管理ツール(Notionなど)を積極的に活用しましょう。仲間と一緒に進めることでモチベーションが続き、修了試験も突破しやすくなります。あなたもE資格を通じてAI分野でのキャリアを切り開けます!
INTERNOUS,inc. All rights reserved.