パス(URL)とは、使用するファイルやデータの住所のようなものです。
そして、「絶対パス(絶対URL)」と「相対パス(相対URL)」という2通りの書き方があります。
ここでは、2通りのパス(URL)の書き方と特徴などを紹介します。
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目次
次のようなマンションがあったとします。
今、私の家にいる友人に、山口さんの家の場所を教える場合、どんな伝え方があるでしょうか。
あまりないとは思いますが、「 東京都渋谷区神南6-6-6 グリーンマンション404 」と伝えることもできます。
でも、通常は、「 この建物の404号室 」と教えると思います。
前者( 住所そのもの )が絶対パスのイメージ、後者( 今いる場所を基準に説明 )が相対パスのイメージです。
絶対パスと相対パスは、次の3点の理由から、使い分ける必要がある場合と、使い分けた方がいい場合とがあります。
■絶対パスと相対パスの処理速度の違い
さきほどのマンションの例で、もしも友人に住所そのものを教えたとすると、友人は、地図で東京都から順に調べることになります。
その手間と同じく、HTMLでも、絶対パスで書いた場合は、その度ごとにドメインからIPを探し出し、サーバからファイルを呼び出して・・・という感じで時間がかかります。
これに対して、今いる場所を起点にして教えると、簡単に目的地がわかるのと同様に、HTMLでも、相対パスで書いておけば、今いる場所からスタートして、手間なく目的の場所を探すことができます。
■セキュリティの面からの違い
HTMLとは直接関係ないかもしれませんが、プログラムで書き込み命令を実行する時、httpから( 外部から )データの書き込み命令などがあった場合には、セキュリティ確保のために拒否されます( 拒否しなければ、サーバ内のファイルは外から自由に書き換えられてしまうからです )。
そこで、データの書き込みなどの命令は、相対パスで指定する必要があります。
■絶対パスの必要性
処理速度やセキュリティの面からは、相対パスが優れているようにみえますが、相対パスで目的地にたどり着けるのは、同じサーバ内に目的地がある場合のみです。
目的のファイルやデータが他のサーバにある場合は、相対的に書き示すことができないため、絶対パスで書く必要があります。
絶対パス( 絶対URL )は、「 http:// 」で始める書き方です。
Webのアドレスとして目にする機会の多いものだと思います。
「 http 」 は、「 Hypertext Transfer Protocol 」の略ですが、言葉の意味というより、ブラウザとサーバとの間の通信の取り決めのようなものです。
例えば、img要素の中で絶対パスを使う場合は、次のように書きます。
<img src="http://ドメイン名/フォルダ名/画像名.jpg">
HTMLファイルを置いている場所以外のサーバのファイルを表示させる時や、 別サーバにあるファイルへリンクするときには、この絶対パスを使う必要があります。
一方、同じサーバ内のファイルなどをこの絶対パスで指定すると、目的を達成することはできますが、さきほど紹介した通り、処理速度などの点で不利になります。
相対パス( 相対URL )は、同じサーバ内のファイルの場所を相対的に指定する書き方です。
現在のHTMLファイルを起点にして、階層が上か下か、どんな名前の階層か、その中のどの名前のファイルかを書きます。
階層は「 ディレクトリ 」とも言います。フォルダと同じ意味です。
起点になるファイル( 現在編集しているファイル )がある階層を、「 カレントディレクトリ 」と言い、「 ./(ピリオドとスラッシュ) 」で表します。
この「 ./ 」は省略することもできます。
階層は「 /(スラッシュ)」で区切ります。
現在のファイルより下の階層は、「 / 」で区切ってディレクトリ名を書いていきます。
現在のファイルより上の階層は、「 ../ (ピリオド2つとスラッシュ)」を使って表します。
下のようなフォルダ構成のサイトがあったとします。
「 index.html 」から他のファイルへの相対パスは、次のようになります。
・「 img_2.jpg 」へ
→「 img/img_2.jpg 」(または「 ./img/img_2.jpg 」)
・「 page_1.html 」へ
→「 page/page_1.html 」(または「 ./page/page_1.html 」)
「 page_1.html 」から他のファイルへの相対パスは、次のようになります。
・「 img_1.jpg 」へ
→「 ../img/img_1.jpg 」
・「 img_2.jpg 」へ
→「 ../img/img_2.jpg 」
絶対パスと相対パスのほかに、実はもう一つの書き方があります。
「 サイトルート相対パス 」とよばれる書き方です。
大規模なサイトになると、上のような構成になることがあります。
「 page.html 」から「 image.jpg 」を読み込もうとすると、相対パスは次のような書き方になります。
「../../../img/image.jpg 」
「 ../ 」がいくつも続くと、数が合っているのか不安になってしまいます。
でも、仮にドメインが変わってもパスを書き換える必要がないので、できるだけ相対パスで書きたいと思います。
とはいえ、サイトの規模が大きい場合は、途中でサイトの構成が変わる可能性もあり、そうなると結局、相対パスを書き直すことになります。
1人で管理している場合はまだいいのですが、複数人で関わっている場合ですと、混乱を招きかねません。
このような不都合を解消できるのが「 サイトルート相対パス 」という書き方です。
後々問題が生じる可能性のある大規模なサイトなどで、初めからサイトルート相対パスを使うことに決めておくと、サイトの構成が変わった場合でも作業がスムーズに進みます。
サイトルート相対パスは、次のように書きます。
「 / 」がルートディレクトリ( ツリー型ディレクトリ構造の最上層 )を示しています。
上の図の場合ですと、「 HPフォルダ 」のことです。
このように書いておくと、ファイルの場所が一目でわかります。
Webサイトを作る時は、まず、ローカル環境で画像などのファイルを組み込み、ページ遷移( ページ間のリンク )も指定して、出来上がったらサーバにアップします。
ですので、ローカル環境では「 相対パス 」を使うのが基本です。
ローカル環境で相対パスで書いていても、そのセットをサーバに上げると、ファイル間の相対位置は変わらないので、相対パスのままでちゃんと表示されます。
ただ、同じサーバ内にない、別のドメインにあるファイルへのリンクなどは、ローカル環境での作業の時も、絶対パスで書かなければいけないことを覚えておいて下さい。
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