ミニツク(Rubyがミニツク)はNaCl(ネットワーク応用通信研究所)が運営する、その名の通りRubyに特化したプログラミング学習サイトです。
NaClにはRubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏やRubyアソシエーションの事務局長である前田修吾氏も在籍しており、ミニツクはまさにRuby教育の総本山ともいえるサイトとなっています。
同サイトはRubyのe-ラーニングをかかげており、テキスト、動画、演習、ドリルなど、様々なコンテンツでレッスンが構成されています。Ruby入門コースやRuby演習コースのほか、Ruby on Railsの入門コースやRuby技術者認定試験の対策コースなどが無料公開されています。
Ruby技術者を目指す方にとっては、一度はお世話になっておきたいサイトです。
※ミニツクは、2023年3月現在サービス停止中です。詳細はこちらでご確認ください。
目次
サイトURL | http://www.minituku.net/
※2023年3月現在、サービス停止中。詳細はこちらでご確認ください。 |
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対応する言語やスキル | Ruby、Ruby on Rails |
利用料金 | 無料 |
教材タイプ | 動画&テキスト、演習問題 |
対応レベル | プログラミング初級者?上級者 |
備考 | 日本語対応 |
冒頭でも述べたとおりミニツクはまさにRubyという言語の中心にいるメンバーによって運営されており、本気でRubyを広く普及させたいという思いと、熱いRuby愛が伝わってくるサイトです。完全無料でありながらここまで充実した内容を提供できるのは、この方たちが運営するからこそではないでしょうか。
5つあるコースの中でも初心者が最初に学ぶ「Ruby入門コース」では、最初にRuby開発者であるまつもとゆきひろさんによるRubyを紹介する動画から始まります。その後も動画や図解を交えながら書籍の入門書並みの詳細さで、Rubyの基礎についてしっかりと学ぶことができるようになっています。
ミニツクのコンテンツにはコース・ドリル・演習の三種類があり、それぞれ異なるアプローチでRubyを習得していきます。
まず「コース」のうち「Ruby入門コース」はRubyの参考書的なポジションで、内容はテキストによる説明だけでなく、図解や動画を交えて分かりやすく行われています。
その他のコースについては「コース」という名称ではありますが演習やドリル中心の内容となっており、一部ドリルや演習のページと重複している部分もあります。
ドリルは選択式の問題集形式で、解答を選択すると詳しい解説とともに正否が表示されます。
演習では課題が表示され、提示された出力結果と同じ結果が得られるよう、実際にコーディングを行います。演習に添削機能はありませんが、模範解答を表示することができます。
初心者からミニツクを始める場合に気になる点としては、ブラウザ上でコーディング演習を行える環境がないという点が挙げられます。言うなればWeb参考書というイメージが近いサイトで、実際に入力と実行を試してみる環境は自分で用意する必要があります。
しかし開発環境の構築に関する丁寧な説明はなく、またプログラミングに関する専門用語も随所で遠慮なく使用されています。他言語を習得済みでRubyは初心者という方にはとてもいいサイトですが、プログラミング自体が完全に初心者という方には、最初のハードルが少し高く感じられるかもしれません。
Rubyからプログラミングを始めてみたいけど、このサイトでは最初で行き詰ってしまったという方には、「Smalruby(スモウルビー)」がおすすめです。こちらはRubyがベースのビジュアルプログラミング言語(※1)のサイトですが、Web上でRubyのコーディングと実行ができる環境が提供されており、ブロックを組むモードだけでなくRubyのコードをそのまま書くモードにも対応しています。
Rubyの実行を手軽に試してみたいという方には、こちらのサイトもおすすめです。
(※1・・・コードを文字で記述するのではなくブロックを組んで作るプログラミング言語のこと。例:Scratch、MOONBlock)
ミニツクでは、Ruby技術者認定試験(Silver)の対策問題集も公開されています。問題集は2017年4月時点で1?6まであり、合計64問の問題が出題されます。
Ruby技術者認定試験を受けてみたいと考えており、内容やレベル感を知りたいという方にもおすすめです。
ミニツクを始めるのに、登録やログインなどは必要ありません。ただし習ったことを実行してみるためには自分で実行環境を用意する必要がありますので、あらかじめ準備しておいて下さい。
入門から順に学習を始めるには、まずトップページに表示されているコース一覧から「Ruby入門コース」を選択して学習開始ボタンを押します。
コースを開始すると、左側にコンテンツ一覧が表示され、右側に学習中のコンテンツの内容が表示されます。
そのページの学習が終わったら、左のコンテンツ一覧から選択するか、「次のコンテンツ」ボタンを押すことで次の学習に進むことができます。
元組み込みエンジニアでミニツクのRubyコースを実際に体験された方の感想を見つけましたので、ご紹介致します。
・ターゲットと思われる層
入門と言っても、何かの言語を少しでも触ったことがある層向けなのかなと思います。
学校でプログラミング学びはじめました、ぐらいでも全然大丈夫だと思います。・なにを学べるか?
雑な言い方ですが、一通り学べると思っています。
他の言語とここが違うよ、という部分は結構丁寧に説明されているので、気になるところはエディタでちょこちょこと写経すれば、自然とRubyでの書き方が覚えられると思います。
古典的なC++畑だった自分からすると、ハッシュ、Mix-Inあたりが曲者でした。・自力でキャッチアップした方がいい部分
7?10章の「クラスとモジュール」で触れられますが、オブジェクト指向の説明全般が雑な印象を受けます。
(中略)・で、どのぐらい時間かかるの?
「入門コース」に限って言えば、丸3日あれば終わるかなー、という感じです。
入門コースは17章あるんですが、1章あたり1時間見ておけばいいと思います。
もちろん、個人差はあると思いますが……
(出典:Rubyのeラーニングサービス「ミニツク」って何?)
この感想からも、やはり完全初心者の方にはミニツクは少しハードルが高いかもしれません。その他に見つけられた感想もプログラミング入門者の方によるものは殆どなく、ある程度プログラミング経験のある方によるものばかりでした。
開発環境構築が難しい場合や、そもそもプログラミングに関する用語などがよく分からないという方は、より入門者向けのサイトを選ぶ方がおすすめかもしれません。
このようにプログラミング入門者の方には少しハードルの高さも感じるサイトではありますが、日本発のプログラミング言語Rubyならではの恵まれた学習環境だと思います。これからRuby技術者を目指す方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
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